シュブ＝ニグラス

南国での旅客機墜落事故及びジャーム大量発生事件で死亡した『緋山綺羅々』という少女の遺体と周囲の血液、現場に大量に降り注いだレネゲイドウイルスから生じた意思(ﾚﾈｹﾞｲﾄﾞﾋﾞｰｲﾝｸﾞ)。
周囲に散らばった血肉を掻き集めて肉体の欠損を補填し、死体として処理される直前起き上がった。
死体安置所にてそれを発見され騒ぎになり、UGNに捕捉されて以降UGNの監視下で研究・任務に協力する日々を送っている。

『緋山綺羅々』の記憶をベースに、事件現場に飛び散った肉塊や血から様々な人間の記憶を取り込んでいる。
『緋山綺羅々』の記憶はほぼすべて自分が体感したかのように記憶しているし、その時の感情も想起できる。
取り込んだ他の人物の記憶に関しては体感とまではいかず、本人曰く「録画や録音、写真を見ているようなもの」。

かつての『緋山綺羅々』を真似ることはできるがあくまで演技であり、本当の『緋山綺羅々』の意思は既にこの世にない。
自分は『緋山綺羅々』ではないと自覚しているが、名前がないと不便かつ自分の意思は『緋山綺羅々』の影響を受けて誕生したことから彼女の名前を借りている。

自身がレネゲイドビーイングであると自覚しているにも関わらず人に与するのは『緋山綺羅々』が善良な人間であったことが大きいと自己分析している。
彼女の記憶に理解と共感を示してしまった時から、外なる神に従う理由など無くしてしまった。

『緋山綺羅々』が死亡した事件で旅客機の乗客はほぼ死亡しているが、数少ない生存者の中に『緋山綺羅々の兄』がいることを知ってからは「兄に会いたい」と言ってはUGNに却下されていた。

成り行きから共に戦うことになった人間、食人鬼や蛇人間といった人ならざるものたち。
そういった者たちとの交流で何か思うところがあったのか、現在は「兄に会いたい」と言わなくなった。
それまでは人を観察したり、感情の動きを楽しむような表情を多く見せていたものの、近頃は物憂げに考え込むことが増えたとか。