容姿・経歴・その他メモ

父親は昔から酷い人だった。
母親に暴行を加え、不貞行為を繰り返し、挙句の果てに母親を殺害まで至った。
酒を飲んで勢いでやったということだったが、自分は知っている。酒を飲まずにそれに至ったことを。
そのため、酒を飲んでいないと証言をしたが、子供の言葉であったために無視されてしまった。

そこから自分は考えた。どうしたら父親のように、罪から逃げた人間を懲らしめることができるのか。
ただ成長するにつれてその考えは無駄だと考えるようになった。
懲らしめるということは復讐される可能性がある。

だったら弱い人を助けるようにしよう。

それからはたくさんの人を手助けするように動いた。
道行くおばあちゃんの荷物を持ってあげたり、木に引っかかった風船を子供のために取ってあげたり、ヤンキーに絡まれた学生を助けてあげたり、万引き犯を捕まえたり、火事の現場に飛び込んで逃げ遅れた子供を助けたり。
様々な人助けを行った。自分の命を省みずに。
庭に刺さっている剣に触れたことが原因かはわからないが、怪我の治りはいいし、人の顔色を窺うのが色んな人を見たことによって得意になったし、周りの気配も異様に気づけるし。
なんだか自分は随分と恵まれた、運のいい人間らしい。

そんな自分に驕ることなく、これからも自分は他者のために自分の能力を、全てをかけて救っていこう。

父さん。あんたみたいな人間にはならないから。

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