容姿・経歴・その他メモ

経歴

　元々は普通の家庭だった。きっかけが何だったのかはもう思い出せない。いつからか新興宗教にハマった両親。友達と遊ぶことを禁じられ、日曜は朝から宗教の教会に連れ出される日々。財産はほぼすべて宗教団体に寄付されて、家はみすぼらしくなった。いつの間にか、クラスでも孤立するようになった。
　中学を卒業したら、働きに出よう。そして帰ることなく親と別れよう。そう思いながら、親の目を盗んでは親の財布から少しずつお金を抜いて貯め込み、日々を過ごしていた。
　卒業を間近に控えたあの春の日。事件は起こった。幹部を名乗る男が家に上がり込んできた。「お清めだ」とほざきながら、男は馬乗りになってきた。両親は必死の形相で祈りの祝詞を捧げるばかり。抵抗しようにも、満足に食事もとれていなかった細腕では抗えなかった。服を裂かれ、頬を打たれ、男の欲望を目の当たりにしたあの時、頭の中にあったのは、ただただ「怒り」だった。
　両親への怒り、両親を貶めた宗教への怒り、自身を穢そうとする男への怒り、それに対して何も抗えない自分自身への怒り。
　次に意識が戻ったころには、景色が“赫”に染まっていた。
　耳から、目から、鼻から、口から血を溢れ返させて事切れた周囲の人間。傷ひとつない自分。記憶はないが、確かに「自分がそれを引き起こした」という謎の自覚はあった。
　呆けていると、どこからともなく現れた人々が自分を「保護」した。その中の一人――霧谷雄吾と名乗った男に、自分が「オーヴァード」に覚醒したことを告げられた。
　そこからは訓練とまき直しの日々だった。UGNチルドレンとして、オーヴァードとしての力の使い方と戦い方を学んだ。遠縁の親戚にあたるハドソン夫人が後見人となり、一年遅れだが高校に進学でき、大学まで進むことができた。ハドソン夫人からは「好きなことをして生きていいのよ」と言われていたが、ハドソン夫人の経営するバーでバーテンダーとして働くことに決めた。血がほとんど繋がっていないも同然の自分を息子のように愛してくれた夫人へ、一生をかけて恩返しをすると決めていたのだ。
　また、自分をどん底の淵から引き起こしてくれた霧谷への恩もある。UGNエージェントとして、FHと戦う日々も過ごした。数々の戦いと任務の中、よく見てしまう相手がいた。春日恭二。あいつ、いつになったら死ぬのやら。それは自分にも言えることかもしれないが。

　いつ死んでもいい。今返せる最大限の恩を返そう。
　いつ死んでもいい。一度死ぬはずだった命だ。戦いの中で死ぬのなら、構わない。そのためにも、一瞬一瞬を大切に、そして熱く生きようと思う。

履歴

名前の由来

　水商売（カヴァー）→並べ替えて一文字抜いて水芭蕉→水芭蕉はオモダカ科なので苗字はそこから。
　水芭蕉→松尾芭蕉→芭蕉（はせを）

コードネーム

　波紋のドイツ語

セッション履歴