容姿・経歴・その他メモ

広くはないが地域に根付いた土着宗教、その教会に所属するシスター。

物心ついたころから、関わった人間や動物の命を奪うことが頭によぎる"性質"だった。
嫌なことがされたわけでも嫌いだからでもなく、美味しいものを見た時に涎が出るように、夜になった眠くなるように、此岸にとってはその衝動が当たり前のことだった。
他人に対しては自制心で押さえたり、少々どんくさい面もあったため、人はおろか動物に対しても無益な殺生をすることなく生きてきたが、そんな自分の性質を不安に思った此岸は教会に足を運んだ。
相談を受けた神父は『人にはそれぞれ原罪というものがある、君の場合はその性質だ』『様々な人の原罪を見ながら、自分自身を見つめなおしてみれば衝動が落ち着くかもしれない』と話を受け、数年前からシスターとして教会に通うようになった。

この衝動を起こさない数少ない相手は、生まれた時からずっと一緒にいる双子の姉である彼岸。そしてたまに礼拝にくる新見 空だ。
教会に来た新見と何気ない会話をしたとき、普段なら起こる殺戮の衝動が起きなかったことを不思議に思い、以来気にかけている。
衝動を起こさなかった理由が、本能的に『殺すことができない相手だと察したから』なのか『人の枠を外れた者だと認識してしまったから』なのか……いずれにせよ、当時はまだそんな事情もわからないただのシスターと礼拝者の関係だった。


ある日、教会のある市から遺跡が見つかる。
『もしかしたら、我々の宗教に関わる遺跡かもしれない。調査団が入る前に様子を見てきてほしい』と神父から言われ、遺跡にやってくるが……

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