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「私、キター!! さぁて、タイマン張らせてもらうわよ!」
「ちっちゃい言うな!! まだこれから伸びるの!!」
「友達の為に体を張るのは、私にとっては当たり前なの。ヒーローだからとかじゃなくて……それが私の原点だから。
だから、フォーカスポイント・ゼロ(定めるはあの背中)。略してフォーゼ!」
宇月(うづき)宙花(そらか)はヒーローを目指す少女である。
数年前、まだUGNが立ち上がったばかりの頃に現れたヒーローと言う存在に心を奪われ、女の子ながらに男の子と混ざってヒーローごっこで遊ぶ活発な少女となった。趣味は特撮や人助け。後は日常生活の写真を撮ること(ディケイドは関係ない)。
ご近所でも有名な元気娘であり、人懐っこい性格なので自分から「こんにちはー!!」「おばちゃん大丈夫? そこまでお荷物持つよー!」等と人に話しかける事が多く、それもあってご近所では「あの子はいつも元気ねー」と言われていた。
そのご近所さんの中でも(あくまで宙花視点で)特に仲が良かったのが、近所の働いてない、白いバイクに乗った婦警さん。彼女をお姉さんお姉さんお姉さーん!! と、お姉さんを友達のように扱い仲良くしていた。
お姉さんもヒーローが好きだったので意気投合して二人は結構仲良く日々を過ごしていた。
お姉さん「それはそれとして宙花ちゃんは本当に元気だねぇ(オブラート3層ぐらいに包んだ表現)」
将来はヒーローになってみたいなー! かっこいいから!! なんて子供ながらの漠然とした将来を語っており、当時学校がUGNの指示の元おこなったヒーロー(レネゲイド)適正チェックにも嬉々として参加。
結果、適正……なし! 現実は無情である。当時の宙花はそれはもう泣いたし拗ねたし、お姉さんにも当たっちゃった。しょうがねぇーだろ子供なんだから。
そんな彼女の人生には今までで二つの転機があった。
まず一つ目の転機は数年前にとあるヴィランによってもたらされた災害に巻き込まれた事。
迫り来るヴィラン。今だ来ないヒーロー。もはやここまでか──その時、宙花を助けたのは、いつも宙花とよく話している白バイの……オーヴァードですらない、ノーマルのお姉さんだった。
結果、宙花も無事に助かった。というか宙花の活躍もあってお姉さんも大怪我したが奇跡的に生き残った。具体的に何したか決まってないけど、なんか子供ながらに機転きかせたとかそんなの。後で詰める。
その時に見たお姉さんの背中──そこで、宙花の中にあった漠然としたヒーローの姿が、一つに定まった。
力があるからとか、かっこいいからとか、強いからとかじゃない。お姉さんみたいに誰かを助けて、守るヒーローになりたい。
そうした明確な目標を手に、夢に歩みを進めた。
そして二つ目の転機はつい最近の事。
相も変わらずレネゲイドが発症する気配は微塵もないがお姉さんみたいなヒーローになるためにちっちゃい体を鍛えつつ、今自分にやれる事を精一杯やる!! をモットーに日々を生きていた。
17歳になったし、まずはお姉さんみたいにバイクに乗るー! と免許をとり、お小遣いを貯めて買ったスクーターを乗り回していたある日、たまたま、見てしまった。
ヴィランに襲われるクラスメイト、加賀美恭介の姿は──考えるまでもなく、体は動いていた。具体的に言うとバイクアタック。哀れ新品のスクーターはおしゃかになったが悔いはない。
けれどまぁ普通に考えてかなうはずがない。それでもバイクアタックで多少の時間を稼げたので恭介と共に逃亡するが逃げ切れるわけがなかった。
徐々に追い詰められる二人もはやこれまでか────その時だ、傍らに落ちていた謎のベルト。
体が勝手に動く。使い方が、わかる。
ベルトを手に持った彼女は──その言葉を叫んだ。
「──変身ッ!!」
体が熱を帯びる。細胞の一つ一つが作り替えられる──いや、眠っていた物が目覚めるような感覚。次の瞬間には──コスチュームが変わっていた!!
「えっ、ちょ!? なにこれ!? コスプレ!? 動き……やすい見た目してるけど!? ……と、とにかく!! なにがなんだかわかんないけど……!! 今、やれる精一杯をやるだけ!!」
オーヴァードへと覚醒し、ヴィランを撃破した宙花はその後、UGNの登録ヒーローになった。
そしてその時に助けた恭介と共に仮面ライダー部を作り(部長なら作ったんかな)、ご近所を守るヒーローとして活躍している。
性格は基本的に明るく元気(すぎる)。コミュ力が高く、人懐っこいので知らない人でも平気で話しかけるし仲良くなったか? となったらすぐに友達認定してくるし、友達相手にはだいぶ甘える面がある。
感性としては男の子に寄ってるのでプラモやフィギュアでブンドドして遊ぶのが好き。上記に書いた通り写真を撮るのが趣味の一つなのでよくライダー部の皆の写真をパシャったりしてる。皆で遊ぼう!! とか恭介とイベント考えたりしてるのが日常風景。
背が小さいのがコンプレックスなので成長期がんばれ〜と思いながら牛乳を飲んでる。
仮面ライダー部の立ち位置としては部長であり。皆を引っ張るリーダー……ではあるが、上記に書いた通り友達相手には甘えるので、これは無理ー! 助けてー!! となると仮面ライダー部の皆を頼りにする。ライダー部の面々にもしょうがないなーみたいな感じで面倒見られてるとか、頼りなるけど手のかかる所は手のかかるリーダーとかそんな感じのイメージ。
多分一番付き合いが長い恭介相手に部の活動実績について書くやつと任せて、Web担当として蓮奈にSNS任せてて、その横で楓や航となんか遊んでるイメージ。この辺りは卓中か月曜日の会話で詰める。
多分宙花は「5人居るから……ほら、決めポーズとかよくない!? 先生は後ろで腕組んで司令官みたいな感じで!!」とか皆に言って、皆がポーズって……ってなってる時に航が横で画像みたいなポーズとっていいじゃんいいじゃん!! パシャっ!! してるかもしれない。
仮面ライダー部での主な活動内容は、ジャームと戦う以外にも普段はボランティアだったり、なんか仮面ライダー部のブログとかにお悩み相談フォームを置いて、皆の悩みの聞いたりとかそんなイメージ(Rewriteのオカ研とかそんな感じの活動)。
町を盛り上げて行こうぜ! という恭介のスタンスには賛同してるが、それはそれとしてこういう所で人助けをしたい。って感じでそういうささやかな活動もやってる。
恭介以外の仮面ライダー部の面々との出会いもそうした人助けの過程で出会って仲間にして行ったとかそういうのを想定している。
普段からそんな感じの子&ちっちゃい子が頑張ってるなーって感じで学校内やご近所では人気があり、それもあってヒーローとしての人気は新米ながらとても高い。商店街とか歩いていると「これ持っていきなー」と近所のおっちゃんおばちゃんから色々渡される。花屋のミサさん、肉屋のカツさん、大工の源さんとか大体そういう人ら。
仮面ライダー部の冷蔵庫は常にパンパンであり最近は部費で冷蔵庫をねだろうかと思ってる。
ヒーローとしての活動理念は「友達や皆を守る」「最後はハッピーエンドで終わる事」である。
宙花曰く、これは全部お姉さんから教えてもらったとの事であり、宙花は今日もその教えを胸にヒーロー活動をしている。インタビューの時とかにもよく
「私が一番尊敬しててかっこいいと思ってるヒーローはお姉さんです!!!」
「お姉さんの写真はあるけど、絶対出すなって言われてるから……代わりにこれ! 子供の頃、紙粘土で作ったお姉さんのフィギュア!! 我ながら再現度高いと思う!!」目を覆いたくなるようなオブジェを持ちながら。
「タイマン張らせてもらう。これもお姉さんが私を守る時にヴィランに言い放って言葉なの! だからこれはオリジナルじゃないんです。お姉さーん! 見てるー? 使わせてもらってるねー!」
と語っている。誰なんだよお姉さん。あのオブジェ通りならヤベェ奴だろ。と周りはザワつくがその正体は誰も知らない。
……まぁどっかの警察署でそのインタビューを見た、まだギリお姉さんと呼べる年齢の女性がコーヒーを噴き出したりしてるらしいがまぁ瑣末な事である。
ヒーローネームは「フォーカスポイント・ゼロ」
これは自分のヒーローとしての原点はいつだってあの時のお姉さんの背中だから、「フォーカスポイント・ゼロ(定めるはあの背中)」との事。
でもそのまんまだと長いので「フォーゼ」と略されて本人もそう名乗る事が多い。
ソーラードライバー(仮)
宙花がいつの間にか持っていた謎のドライバー。形状としてはフォーゼのなでしこドライバーに近い。
スイッチを差し込む所があり、そこにスイッチを差し込むことにより様々な力を使う事ができるのだ!!!
原理としては敵の情報を分析、解析して、敵と同じ力をソーラードライバー用のスイッチとして作成(作成方法は宙花がその場で解析して作るか遠くで解析してる仮面ライダー部の人が作って届けに来るかのどっちか)し、そのスイッチを差し込む事で使う事ができる。
ただ色々あってあまり使えない。具体的にはシナリオ1回しか使えない。
名前の由来は名前ないけどどーするー? 宙花のだからソラカドライバー……あっ、ソーラードライバーとかいんじゃね!! って理由。
以下、読みたい人用SS
幼少期宙花の当時の日課は、近所の仕事をしていないヒーローオタクの婦警さん(白バイ隊員)をからかいに行くことであった。
「あ! またサボってるー! パトロールとか行かないのー?」
「いやいや、今は休憩時間だって。だからね、僕がこうして休み時間にスマホでテレビを見てようが誰も文句を言わないのさ」
「……」(◉ω◉)ジトー
「その目はやめなさいって。しょうがないなぁ〜……ほら、テレビでヒーロー特集やってるからそれでも見てなさい。君の好きなパラディンが出てるよ」
「わーい!! やっぱりヒーローはかっこいい!!」
「チョロいなぁ……まぁ、そうだね。やっぱりヒーローは、かっこいいよ」
そんなこんなで宙花との日々をまぁそれなりに楽しんでいたお姉さんはある日、夕暮れの公園の片隅でうずくまってる宙花を見つけた。
「やぁ、もう門限過ぎてるんじゃなかい? 宙花ちゃんは門限を破るような悪い子だったのかい?」
「……宙花ヒーローになれないなら悪い子になるもん」
「パラディンのフィギュア握りしめて言われてもなぁ……しかもそれ、今日出たばっかのDXパラディン人形じゃないか。ボタン押したら喋るんだよね」
「これで我慢しなさいってお父さんが買ってくれた。こんなのいらない」
「んー…………とりあえず、そうだね、隣座るね」
「やだ」
「ん、ありがとう」
「……」(◉ω◉)
「その目はやめなさいって。
……まぁ、理由は大体察するよ。適正なかったんだろ? お疲れ。残念だったね」
「……なんで知ってるの」
「いや君、昨日散々『明日は検査あるんだー!! ふっふーん!!』って言ってたし、その様子なら察しはつくよ」
「……むー」
「まー、そーだねぇ……あんまり気を落とさないで。ほら、お姉さんもヒーローにはなれなかったけど、こうして毎日のほほんと生きてるんだから」
「……お姉さんは諦めたからそういうんでしょ! そんなの、かっこ悪い!!」
「アハハ、手厳しいなぁ……うん、そうだね。確かに僕は……こうやって慰めるのは役不足かもしれない。
……ちょっと難しいかもしれないけど、そうだね。一つ昔話をしよう」
「ある所に、ヒーローに憧れる子が居た。でもその子はヒーローみたいな力を操る才能が無かったんだ。
……そこで諦めてりゃよかったんだけど、その子は残念ながらそれで納得しなくてね。僕だってヒーローになれる! なーんて無茶しまくってさ。そりゃ周りから心配されたし、友達にも止められたよ。あなたはそんな危険な事はしないでって。
……でも、それでも止まらなかったんだ。その子はその時、なんで誰も僕の事をわかってくれないんだ! って思ってたからね。今考えたら、余裕がなかったん……だろうなぁ」
「……その子、ヒーローになれたの?」
「いーや? ヒーローになるどころか……とんだ大失敗をやらかしたよ。
……詳細は伏せるけど、その子はね、友達を助ける事が出来なかったんだ。笑っちゃうよね、ヒーローになって誰かを助けたい。なんて言ってたクセに、身近な友達を助ける事ができなかったなんて。
……あぁ、本当に、笑っちゃうよ。反吐が出る」
「……お姉さん?」
「……その子にとってヒーローってのはね、知らない誰かも、家族も、友人も、全部ひっくるめて助けて守れる、『特別な力』を持った人だったんだ。
……でもその一件でその子は思い知ったよ。力があるとかないとか、それは世間が決めたヒーローの定義だ。
……友達を守れないような奴は、例え力があったとしてもヒーローなんかになれなかった。ってね。
だからその子は……ヒーローになれなかった。
……でも、今は人を守る仕事をしてるみたいでね。毎日それなりに楽しくやってるみたいだよ」
「…………こーかいは、ないの?」
「うん。それは意外とないんだ。友人を助けられなかった事に後悔は勿論ある。けれど……あの子、案外今の仕事が気に入ってるみたいなんだ
最初は楽しくもなんともなかったんだって。けどさ……近所の元気印の子が遊びに来るようになって、状況が変わったんだよね」
「……ふーん? どうなったの、その子。宙花気になる」
「お、いつもの調子が出てきた。
……まぁ話を戻すけど、元気娘が遊びに来るようになって、最初はまぁ、めんどかったみたいだよ。仕事に対するやる気もなかったし、そもそも昔の自分を見てるみたいでさ。
でも、その娘は毎日毎日遊びに来る。そのおかげで……この町の人とも関わる事が増えたんだよ。『あの子元気だから毎日大変ねー』って」
「……そっから、かな。元気娘を通して町の人らとも仲良くなって……今の仕事も、そこまで悪くないなって思い始めたの。
……あー、クソ、恥ずかしくなってきた。ダメだな、やっぱこういう語りは向いてないや。終わり! この話は終わりね!」
「えー!? そこまで話しておいてー?!」
「おーわーりー!! とにかく! 僕が何を言いたいかと言うと、そりゃ確かにヴィランと戦うには力が必要だ。
でもそれだけがヒーローの条件じゃない。ヒーローってのは……他人も、身近な誰かも、助けられる人の事を言うんだと僕は思うんだ。
……どーかな? 僕の言ってる意味、わかる?」
「……あんまり、わかんない」
「そっかー。ごめんね、難しい話をしちゃってさ」
「……でも、お姉さんが宙花を慰めてくれてるのは、わかるよ。
……お姉さん。かっこ悪いなんて言っちゃって、ごめんなさい」
「……もー、子供がそういう気を回すんじゃないよ。ほれ、いつもみたいに元気でいてくれ。じゃないと僕の調子も狂う。
……そーだね、宙花ちゃん。君に特別な力を操る才能はなくても、君の生き方はヒーローだと思うよ。だって、『友達』を助ける事は出来たんだからね」
「……それって?」
「さてはて? なんだろうね? ……さっ、皆心配してるから早く帰ろう? お説教は一緒に聞いてあげるからさ」
『大丈夫だ。ここからはもう、誰も死なせない』
「お人形の声で誤魔化すんじゃないよ。ほら、帰るよー」
「はぁーい……」
丸く収まりかけたその時だ。
町内に響く爆発音────それは、宙花の最初の転機。ヴィランによる災害の幕開けであった。
「────いいかい宙花ちゃん。君は……早く逃げるんだ。できるよね?」
「お、お姉さんは!? だって、あんな、ヴィランが……! お姉さんも一緒に逃げよう! ヒーローが……ヒーローが来てくれるよ……!! だから!!」
「うん。ヒーローは来る。必ず来る。でもね、僕はここに残らなきゃいけないんだ。僕はヒーローじゃないけど────皆を守るおまわりさんだぜ? ちょっとばかし、いい格好させておくれよ」
「ダメ!! だって、だって……!」
「……そうだな。言い方を変えよう。
宙花ちゃん、僕はね、最初は全部、嫌だった。毎日毎日遊び来る君も、君につられて、話しかけてくる町の人達も、不貞腐れてた僕にとっては、煩わしかった。
……でもね? それも……そんな日々も悪くないって、今の僕は思ってるんだ。
ミサさんも、カツさんも、源さんも、そして…宙花ちゃんも、僕にとっては……『友達』なんだ」
「お願いだよ宙花ちゃん。今度こそ僕に、『友達』を守らせてくれ」
「でも……でも……!! ……う、うぅ……!! わかっ……た……わかったよ……でも、でも!! 約束!! ぜったい! ぜったい帰ってきて!! 約束を破るのは、いけないこと、だから……!!」
「──うん、約束だ。絶対に帰るよ。
……さ、もう行くんだ。時間が無い。いいかい? 絶対に振り返るんじゃないよ。これも約束だ」
「……ッ!!!」
「──やぁ悪党(ヴィラン)。待たせたね。こっから先は僕が相手だ」
「ハッ!! たかがノーマルが、俺様の前に立ち塞がるってか!!」
「──いいや、違うね」
「あ?」
「今、この時だけ……僕はあの子達を守る『ヒーロー』だ!!
────こいよ!! 悪党(ヴィラン)!! タイマン、張らせてもらうぜ!!」
「放して!! はーなーしーてー!!」
「やめろ宙花!! お前が行った所でなんになる!! 残念だが、諦め────」
「──そんなの!!! ヒーローじゃない!!!」
「お姉さんは!! お姉さんは友達なんだ!!! お姉さんは、友達を、皆を守るために残ったの!! だったら……だったら!!」
『──君の生き方はヒーローだと思うよ。だって、『友達』を助ける事は出来たんだからね』
「──ここで『友達』を助けられないなら!! 私は!! ヒーローなんかじゃないんだ!!」
「────まさか生きて帰ってこれるなんてなぁ。いやー、死ぬかと思った。これがハッピーエンドってやつ?」
「お姉さん何か言ったー?」
「いんやなにも。……しかし何回も言うけどさ、ほんとーに無茶はやめてね。お互い奇跡的に生き残ったけど、普通なら死んでるからね???」
「『友達』を助けられない人は、ヒーローになれない。言ったのはお姉さんだからね!」
「うぐっ……余計な事言ったかなぁ……とーにーかーく、無茶はダメ! オーケー?」
「ふんふーん♪」
「ダメだ聞いてねぇ。
……てかさ、さっきからなにやってんのさ」
「これはねー! 紙粘土でお姉さん作ってるの!!」
「え!? その肉みたいなオブジェが僕!?」
「後は、もくひょーリスト!」
「いやその肉のオブジェの方が気になるんだけど……まぁいいや。目標リストってなんだい? 早寝早起きとか?」
「うん! まず1つ目! 『友達や皆を守れるヒーローになる!!』そして2つ目が──『最後は皆ハッピーエンド!!』」
「うーん……なんとも宙花ちゃんらしいなぁ……」
「これ、ぜーんぶ私が憧れるヒーローが教えてくれた事だよ」
「……パラディンそんな事言ってたっけ?」
「違う。お姉さんだよ!」
「──はいぃ?」
「私も、お姉さんみたいに友達や皆を守れて、強い相手と戦っても生きて帰ってきて──最後はこうやって、笑ってハッピーエンドにする!! そんな、お姉さんみたいなヒーローに、私は絶対なる!!」
「いやねぇ、僕はヒーローじゃ──」
「友達を守れないような奴は、例え力があったとしてもヒーローなんかになれなかった。
だったら、宙花や皆を守ってくれたお姉さんは、ヒーローなんだよ!!」
「──……ほーんと、余計な事言ったかな。」
「ふっふーん!! こいよ!! 悪党(ヴィラン)!! タイマン、張らせてもらうぜ!!」
「あっ!? ちょ、聞いてたなー!?」
そうやって、全部終わって、和やかな時間が過ぎていく────宇月宙花の原点は、いつだって、あの時見たお姉さんの背中だ。