小さい頃の彼はとにかく病弱で、病院にいることの方が多く運動に強い憧れを持っていた。ある日、体力作りの為に軽いスポーツを始める事になった彼は、偶然出会った日本人の男性からサッカーを教わった。ルドヴィコはその人物を「カントク」と呼んで慕い、カントクもルドヴィコを家族や弟子のように扱った。

そんなある日のことだった。ルドヴィコの病状が悪化し、心臓を移植しなければならなくなった。必死でドナーを探したところ、手遅れになるギリギリで適合する心臓が見つかり彼は生き延びた。その報告をカントクにしようと会いに行った時、彼は愕然とした。手術の少し前、彼は交通事故に遭って亡くなっていたのだ。そしてそのまま、彼の心臓はルドヴィコに移植されていた。カントクの死が彼の命を救ったのだった。

ルドヴィコはショックでその場に崩れ落ちた。
その時だった。心臓から透明に輝く花が開花し始めたのは。