こんな顔じゃ、どこにも出れない。
こんな性格じゃ誰にも愛されない。
いずれ唯鈴ちゃんもあたしの前からいなくなる。
だって私は、劣等種だから。

あんなに苛烈に自分を好きで居られるなんて、
あの人みたいな心が少しでもあれば、
きっとあたしももうちょっと･･･。

色んな物を塗りたくり、
隠してきた全てが晒される。
魔法少女になんて、なりたくなかった。

みな平等にどうでもいい。
大切なのは唯鈴ちゃんだけ。
あの子の誇るお姉ちゃんでいるの。
それだけがあたしの生きる意味だから

服の見た目なんてどうでもいい。
派手で、目を惹いて、あたしの印象が残らないようなものならなんでも。

傷付いた醜い顔を隠すために厚い化粧はやめられない。
素顔のままじゃどこにも出れない。
部屋から出ずに鏡を見るだけ。
鏡よ鏡、いつまであの子の目標で居続けなきゃいけないの？

部活なんて入れる訳ない。
化粧が落ちたら、死んでしまう。
だから使うの、言い訳に。

唯鈴ちゃんと遊ぶ、その時だけはちゃんと笑えてるかな。
笑えているつもり、笑えていないといけないから。

これがあたしの望んだ力。
あの王妃の様に、邪魔者を消し去る力。
毒林檎なんて生ぬるい、潰して、流して、消し去ってみせる。
鏡よ、鏡、邪魔者は押し寄せる波で流してしまいなさい。