レネゲイドの力で生み出した画材や材料で描いたものや造形したものを実体化、具現化させることのできる能力を持つ。彼女の作品の噂はこの能力から来ている。

例えばハサミが欲しい特にハサミの絵を描くと、実際にそのハサミの絵が実物として具現化するといった具合。料理なんかもいけるらしい。
他には動物を描いたりぬいぐるみや彫刻などを作ると実際に生き物として実体化したり動いたりする。ただし、作品が濡れたり汚れたり壊れたりするとこの能力は解けてしまう。彼女のアトリエでは彼女の作った動く作品達が助手としてたくさん生活している。それぞれ個性があり、性格も違うらしい。

戦闘時には、腕につけている茨をあしらったブレスレットをパレットにし、茨のトゲから流れる血を使い自らの対抗種の力の宿る血液を混ぜた絵の具を作り出す。そして自らの持つ絵筆でその絵の具を使い絵を描き、それを実体化させて攻撃を行う。

この能力から具現画家(インカーネーション)のCNで呼ばれている。

性格は基本ダウナー。だが作品作りの時は割とハイになっている。クールに見えるが実は結構感情表現大きめ。
どうせ早死にするなら好き勝手生きたいと考えているため、縛られることは嫌いで、基本人の話は聞かず、自分の価値観を大事にして生きている。しかしその実色々なことを諦めていて、自分にはまともに生きられないと強く思っている。
生きる希望も自己肯定感も足りていないのでよく希死念慮に駆られており、そういった際はだいたい自傷行為に走るか市販薬などのオーバードーズでハイになっている。希死念慮でなくとも精神的に落ち込むことがあればそのような行動をとる。
そのくせ自分のことを大事にしてくれたり優しさをくれる人間に対してはかなり重めの感情を抱いたりする。しかし素直になれる性格ではないので表向きはウザがることが多い。
虚勢や見栄を張って悪ぶりがちな面がある。

自身の力を使い、敵の命を奪うようなことに関して、人はいつか死ぬのだからその時を与えたのが自分なだけ。自分だっていつか死ぬのだからそれは平等で、何か罪悪感なんて湧くわけもないと考えていて、わりと退廃的な精神構造をしている。

昔からN市に住んでいる。幼い頃から病弱だったため、ずっと病院での入院生活をしていた。両親や病院の色んな人にに迷惑をかけているという意識があり暗い性格だった。小学校の高学年の頃からは自分はなんの役にも立たないのにどうして生きているのかと考えるようになり自傷行為をするようになった。
学校もろくに通えていなかったので友達もいなかったが、唯一隣の友達が家に住む幼馴染の桜井若歌だった。若歌はよくお見舞いに来てくれ、色んな話をしてくれた。調子のいい時は一緒に中庭で散歩したりもして、彼女と一緒にいるのは幸せな時間だった。
しかし、中学生に上がってすぐの頃、若歌は事故により亡くなってしまった。そのショックは大きく、急激に体調が悪化し死の淵を彷徨う自体になった。助かるためには手術が必要となったが、運の悪いことに当時彼女を担当していた医師はFHのエージェントだった。
FHエージェントはどうせ死ぬなら有効活用しようと考えた。そして彼女の両親には手術をしたが助からなかったと嘘を伝え、偽の死体を用意し、彼女を実験体として利用した。その実験の結果、彼女はオーヴァードに覚醒した。さらに運の悪いことに、彼女にやどったレネゲイドは、対抗種と呼ばれる特別なものだった。そのためさらに様々な実験が重ねられた。
実験の苦しさから死にたいと思ってもレネゲイドの力のせいで半端に回復するため死ぬこともできずに日々を過ごし半年ほどたった頃UGNによって保護された。保護された当時の彼女はほとんど死にかけていたが、UGNの治療により一命を取り留めた。
社会的には死亡しているため家族にはもう会えず、仲の良かった幼馴染ももうおらず、信頼していた医者には裏切られたという経験から自暴自棄になり、悩んだ結果前述のよう死ぬまでに好き勝手生きることにした。

現在は作品を売ったお金とUGNへの協力金で生活している。UGNに協力するのはは生活のためが大きいが、ほんのちょっぴり人のためになりたという気持ちがあったりもする。

また、社会的には死亡している人間のため、別の姓を名乗っている。榊という苗字は、彼女の作品を買ってくれているある人物が貸してくれたもので、本来の苗字は更木(ざらき)。