容姿・経歴・その他メモ

「はは、ぼかぁ“モードレット”さ、よろしく！……なんでコードネームが「反逆者」の名前かって？そりゃ単純な話さ。昔ぼかぁFHにいたのさ！まぁ、あんな息苦しいところ嫌になってたから燃やしてきちゃったんだけど！」

一見すると底抜けに明るい性格。いつも気取って、茶化し、それでいて礼儀はしっかりしているというそこそこ典型的な英国紳士である。本人が紳士というほど落ち着いているかというとそうではないのだが。普段はスーツに身を包みつつ町をふらついているようで、たまに顔を見かけることがある。

本人の言の通り昔FHのセルにいたこと、そこを滅ぼしたがためにUGNに認められ加入を許可されたことなどは事実のようだが、それ以上のことは彼も口をつぐむ。

FHのとある研究用セルに生まれる。親は知らない。名前もなく、識別番号によって呼ばれる生活だった。
彼以外にも子供はいた。兄弟のような扱いだったが、見た目も髪の色もばらばらだった。きっとセルに所属するジャームが集めてきたものだったのだろう。
彼らには共通点があった。皆レネゲイドの力を使えたのだ。特に彼はその中でも抜きんでた力を持っていた。炎や熱を扱うという点では兄弟たちは愚か若い構成員すら凌ぐものだったという。
しかし彼はその力をむやみに振るわなかった。なぜか、その行いが間違ったものであるように思えるのだ。彼はよく反抗し、そのたびに独房で謹慎を命じられた。だがそれだけで済んだのも彼の才能が故だろう。
座学の中で、UGNの存在を知った。自分たちの邪魔をする悪者だと教えられたが、彼にはそれが良いことのように思えた。彼は密かにUGNに憧れ始めた。

14歳のある日、初めて彼に指令が下された。「とある少女を攫ってこい」というものだった。ターゲットの名はエレイン・ランカスター。彼の力量を見込んで、彼一人で成し遂げろということだった。
彼は当然のごとく「嫌だ」と言った。何故彼女を攫う必要があるのか、そもそも攫って何をするつもりなのか。彼には最初彼女の名と所在地しか知らされていなかったが、言い争っているうちに彼女がUGNの関係者だと知る。それならますますお断りだと彼が言うと、彼に対して排除の判断が下された。作戦まで知ったうえで逃げられでもしたら全てが台無しだからだ。それに対して彼は激情を持って応戦した。仲間を燃やし、兄弟を燃やし、子供を燃やし、大人を燃やし……

気が付けば、セルの建物ごと燃えていた。何事かと駆け付けたUGNのエージェントたちを見ると、「はは、すごいでしょ！僕がやったんですよ、これ！はは……」と言ったのを最後に気を失った。


その後、目を覚ました後に「自分にUGNとの敵対の意思はないこと、むしろ入れてほしいと思っている」「もう金輪際FHなんかには入りたくない」「自分の正しいと思うことがしたい」など話し、その結果としてUGNのエージェントとして(監視付きだったが)なることができた。

それから10年近く経ち、すでにそのことを知っているエージェントも少なくなっている。

彼の名前“カイン・リチニス”は彼自身が付けたもの。兄弟殺しのカインの名と、英国紳士でありたいという願いからリチニス(スイセンノウ)の花言葉「誠実」「名誉」をもとに決めたという。

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