覚醒時に強力な霊感を開花させており、霊と対話ができるほか、亡霊たちの怨嗟を自身の力に換えることができる。また、クァチル・ウタウス由来の"風化"の術式(エフェクト)を有する灰色の靄を作り出せる。これは自分に対しても有害に作用するため、ゴーグルとガスマスクで吸入を防いでいる。

優秀な医師であった両親のもとで満たされた幼少期を過ごす。しかし、両親が祖先の遺した魔導書を発見した日からその生活は一変。取り憑かれたように禁断の知識を求めはじめた彼らは、やがて死者蘇生の外法に手を出す。結果、蘇った死者たちによって家族や使用人は全滅、ヘレナも襲われかけたところでオーヴァードへと覚醒する。
風化の能力で周囲の全てを塵にしたヘレナの前に残されたのは、邪法によって縛り付けられた、そしてこの事件で犠牲になった人々の亡魂の集合体だった。
その後、霊たちに取り憑かれたまま行く先々で霊現象を引き起こしつつ親戚の家や施設を転々としていたところをロザリアに拾われた。

『魔女さま。魔女さまなら、パパを、ママを……みんなを、助けてあげられる？』
「私は、彼らの顔を見てやれる。声を聞いてやれる。手を伸ばしてやれる。これは、私にしかできないことだ。……私が、やるべきことなんだ」

メイガスで死霊術を研究しているのは、己に取り憑いた魂たちを救うため。人としての在り方を歪められ摩耗した彼らの魂を修繕し、尊厳と正しい最期を与えることがヘレナの目的である。

1d10 (1:重圧、2、3:硬直、4、5:邪毒3、6、7:放心、8、9暴走、10:憎悪)
★ⅩⅠ：正義　<生と死の逆転>　戦闘不能となった時に使用する。戦闘不能を回復し、HPを最大値まで回復する。使用後、侵蝕率を[最大HP÷10]だけ上昇させる。

「その名前で呼ぶな。私は自らの行いを、正義などと思ったことはない」
魂とは、記憶や感情という"情報"の集合体である。亡霊とはそれら情報の残滓であり、怨霊が人間に害をもたらす等の生前とかけ離れた挙動をとるのはこれらが破損し、不具合を起こしているため。ヘレナの行う魂の修繕とは、亡霊との対話や生前の執着を晴らす、怨念を発散させるなどの行動を経て、この欠損を埋めるものである。理論があるわけではなく、経験的観点からくる解決手法であるため効率は良くない。ヘレナが魔術と医術を修めようとしているのは、これの理論体系を確立させるため。ちなみに修繕が済んだ魂は生前の姿を取り戻し、消える。そこからどこに行くのかはヘレナも知らない。