固い表情をした青年。顔には幼さの面影が残る。

　落ち着きはらっているが、どこか高圧的。目的のためなら手段を選ばない。

　高校三年生であり、神流市支部のUGN支部長。生え抜きのUGNエージェントであり、短期間で支部長の座へと登りつめた成り上がり。

　貧しい家庭に生を受ける。当時源川家は経済的に困窮していたが、家族関係は反して良好そのものであり、両親ともに何に代えてでも華佳を産み育てることを決めていた。そして出産時の検査時、母親である源川ミオが自覚のない隠れオーヴァードであり、さらに賢者の石の適合者であることが判明、父親の源川カナタも隠れオーヴァードであることがその後の検査で分かり、UGNから保護対象、およびエージェントとなる提案を受ける。もとより養育費などの捻出にも困っていた二人は、その提案を受け、以降源川家はUGNと深い関係を結んでいくこととなる。

　出産後すぐの検査で、華佳自身オーヴァードであることが判明。源川家はUGN神流市支部と協力しながら、オーヴァードとして、また一人の息子として華佳を育てていった。バランス良く教育を受けて育ち、中学生になるころには、人並み以上に豊かなな感性と平均的なUGNチルドレン相応の実力を持つまでになった。この頃に、同じ支部で同じくらいの年齢であるPC④と出会っている。

　そして、中学2年生の中頃。FH《ヤルダバオート》が神流市支部を襲撃する事件が発生。目的は今尚不明ながら、当時の神流市支部は防衛にあたって、戦力の過半を喪失する損害を被った。その中には、当時の支部長、並びに源川夫妻も含まれていた。
　喪失した戦力を補填するため、それまでエージェントなのか民間人なのか曖昧な立ち位置にいた華佳をエージェントとして起用するも、それだけで空いた穴は埋めがたく、神流市におけるUGNの影響力は下がることとなった。

　エージェントとして起用されて以降、華佳は手段を問わず、実力と実績を求めていった。訓練に今まで以上に打ち込み、デモンズシードの移植手術まで受け、任務をひたすらにこなし続けた。そして数年が経ち、華佳が高校生になる頃。神流市支部はいまだ先の事件の損害から立ち直れておらず、支部長の座に付けるだけの人材も補充できなかった事から、華佳を支部長として任命。以後も任務をこなし続け、現在へと至る。

　事件発生当時、華佳は中学校に居た。学校に教師として潜入していたエージェントから事件の報を受け、神流市支部へ急行したが既に交戦は始まっており、戦場と化していた。
　襲い来る弾雨から身を守り、多少の怪我を負いながらも両親と合流した直後、"信仰を喰らうもの"依枝神蔭と遭遇、そのまま交戦が開始。
　1対3という数的優位を得ていたが、華佳へと放たれた攻撃をミオが庇い重症を負ったことをきっかけに戦況は瓦解。二人を逃がすためカナタが殿を務め、ミオと華佳は支部から脱出しようと試みたが、脱出直前で神蔭に追いつかれ、二人共々トドメを刺され、崩壊する支部の瓦礫に埋もれた。
　しかし、戦闘が終わった後。気が付けば華佳だけが、廃墟と化した神流支部の瓦礫の上に立っていた。なぜ華佳だけが生きていたのかは、華佳自身にその瞬間の記憶がない事、証言する人も記録もないことから、未だ不明となっている。