“洛叉の哄/流離う風焔 ”エリク・ヴァントゥール
プレイヤー:スナップ
- 年齢
- 30代前半
- 性別
- 男
- 星座
- 不明
- 身長
- 186cm
- 体重
- 61kg?
- 血液型
- 不明
- ワークス
- FHマーシナリーC
- カヴァー
- 便利屋
- ブリード
- クロスブリード
- シンドローム
- ノイマン
- ウロボロス
- HP最大値
- 30
- 常備化ポイント
- 6
- 財産ポイント
- 2
- 行動値
- 10
- 戦闘移動
- 15
- 全力移動
- 30
経験点
- 消費
- +64
- 未使用
- 0
ライフパス
| 出自 | かつて東欧に存在した独裁政権が産み落とした“落とし子”の一人。あるいは、過去に取り残された少年兵の影法師。 | |
|---|---|---|
| 天涯孤独 | ||
| 経験 | 誰も赦してはならない。赦す権利など与えるものか。 | |
| 汚点 | ||
| 欲望 | 忘れるな。お前が取り零したものを。 | |
| 保持 | ||
| 覚醒 | 侵蝕値 | 生か、死か。選ぶ権利が与えられたのは、果たして恵まれていたことになるんだろうか? |
| 命令 | 15 | |
| 衝動 | 侵蝕値 | 未だに聴こえる音がある。決して止まない音がある。幾たび焼き潰そうとも潰えることのない衝動。 |
| 殺戮 | 18 | |
| その他の修正 | 8 | 原初の赤(+3)、原初の紫(+4)、イージーフェイカー(+1) |
| 侵蝕率基本値 | 41 | |
能力値
| 肉体 | 1 | 感覚 | 1 | 精神 | 8 | 社会 | 3 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| シンドローム | 0+1 | シンドローム | 0+1 | シンドローム | 3+2 | シンドローム | 1+0 |
| ワークス | ワークス | ワークス | 1 | ワークス | |||
| 成長 | 成長 | 成長 | 成長 | ||||
| その他修正 | 0 | その他修正 | 0 | その他修正 | 2 | その他修正 | 2 |
| 白兵 | 射撃 | RC | 1 | 交渉 | |||
| 回避 | 知覚 | 1 | 意志 | 1 | 調達 | ||
| 知識:レネゲイド | 2 | 情報:FH | 2 |
ロイス
| 関係 | 名前 | 感情(Posi/Nega) | 属性 | 状態 | |||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Dロイス | 遺産継承者:謀略の牢獄 | ― | 絶えず“喜劇”を映す瞳。そうあれかしと望んだもの。 | ||||
| シナリオ | "星星之火"李云雀 | 好奇心 | / | 隔意 | ハハハ。お前の最期が楽しみだよ、センセ。 | ||
| 固定 | “マスターマインド” 天船巴 | 感服 | / | 侮蔑 | 己で何を成そうって気もない臆病者め。お前にゃリエゾンロードはまだ早いよ。 | ||
| PC間ロイス | “結い紐”紫峰雪乃梅 | 感服 | / | 悔悟 | ……お前さんなら、怪物にはならないさ。 | ||
| ジヴード | 懐旧 | / | 不信感 | 何かを変えたいんだろう。足掻き方は教えてやる。 | |||
| “冽剣”翠簾野夕南 | 感服 | / | 敵愾心 | 契約者よ、お前の喜劇を見届けよう | |||
| “輪廻”サラ | 遺志 | / | 悔悟 | 人の役を獲ってくれるなよ? 怪物役は埋まってるぜ、可愛い後輩くん。 | |||
エフェクト
| 種別 | 名称 | LV | タイミング | 技能 | 難易度 | 対象 | 射程 | 侵蝕値 | 制限 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| リザレクト | オートアクション | ― | 自動成功 | 自身 | 至近 | 効果参照 | ― | ||
| (LV)D点HP回復、侵蝕値上昇 | |||||||||
| ワーディング | オートアクション | ― | 自動成功 | シーン | 視界 | ― | ― | ||
| 非オーヴァードをエキストラ化 | |||||||||
| コンセントレイト:ウロボロス | 3 | メジャーアクション | シンドローム | ― | ― | ― | 2 | ― | |
| C値 -[Lv](下限値7) | |||||||||
| 無形の影 | 1 | メジャーアクション | 効果参照 | ― | ― | ― | 4 | ― | |
| あらゆる技巧・事象を擬似的に再演する暴力装置の本懐。 あらゆる判定を【精神】で代替できる 1回/R | |||||||||
| 原初の赤:ブレインハック | 1 | メジャーアクション | 〈白兵〉〈射撃〉 | 対決 | 単体 | 至近 | 10+1 | ― | |
| 組み合わせた攻撃が命中したとき、対象にBS【憎悪】を付与する 憎悪の対象はシーン内から任意に選択する 1回/Scene | |||||||||
| 原初の紫:ミスディレクション | 2 | オートアクション | ― | 自動成功 | 単体 | 視界 | 5+1 | ― | |
| 判定の直前に宣言 〈対象:範囲〉、または〈対象:範囲(選択)〉の攻撃を〈対象:単体〉へ変更する [Lv]回/S | |||||||||
| 道化の出し物 | 1 | オートアクション | ― | 自動成功 | 自身 | 至近 | 1 | ― | |
| エフェクトによって発生する事象を捻じ曲げる (データ的な変更はなし) | |||||||||
| 領域封鎖 | 1 | メジャーアクション | ― | 自動成功 | 自身 | 至近 | ― | ― | |
| 空間を歪ませ、認めたもの以外が侵入できない領域を構築する 必要ならば〈RC〉で判定 | |||||||||
| プロファイリング | 1 | メジャーアクション | ― | 自動成功 | 自身 | 至近 | ― | ― | |
| ほんのわずかな情報から真実を導き出す 必要ならば〈知識:〉で判定 | |||||||||
| イージーフェイカー:万能薬 | 1 | メジャーアクション | ― | 自動成功 | 自身 | 至近 | ― | ― | |
| あらゆる病や毒に対する薬を生成する エフェクトによる病気や毒、バッドステータスには対応できない 必要ならば〈RC〉で判定 | |||||||||
コンボ
思考統御:骸の炯眼
- 組み合わせ
- コンセントレイト:ウロボロス[Lv3] + 無形の影
- タイミング
- メジャーアクション
- 技能
- 解説参照
- 難易度
- 効果参照
- 対象
- ―
- 射程
- ―
- 侵蝕値
- 6
- 条件
- ダイス
- C値
- 達成値修正
- 攻撃力
- ダイス
- 100%未満
- 7
- 7
- 100%以上
- 10
- 7
- 7
あらゆる判定を【精神】で代替できる。
在りし日に誇り、永久に喪われた技巧の一時的な再演。
右眼の視神経を通して全身の神経にレネゲイドで構築した無数の針を突き刺し、自らの思うがまま強引に肉体を稼働させる。
肉体・精神ともに莫大な負荷を伴うため長時間の維持は困難であり、短時間に連続して行使することはできない。
思考統御:骸の舞踏
- 組み合わせ
- コンセントレイト:ウロボロス[Lv3] + 無形の影 + 道化の出し物
- タイミング
- メジャーアクション
- 技能
- 解説参照
- 難易度
- 対決
- 対象
- ―
- 射程
- 至近/50m
- 侵蝕値
- 7
- 条件
- ダイス
- C値
- 達成値修正
- 攻撃力
- ダイス
- 100%未満
- 7
- 7
- 4
- 12
- 100%以上
- 10
- 7
- 4
- 12
- 100%未満【怨念の呪石】
- 7
- 7
- 11
- 19+2D
- 100%以上【怨念の呪石】
- 10
- 7
- 11
- 19+2D
- 7
〈白兵〉〈射撃〉のどちらでも判定できる
対象がオーヴァードであるとき、ダメージ+5D
在りし日に“黒い風妖”の名で畏れられた、空さえも切り裂く剣舞の再演。
旋風を思わせる高速のステップと織り交ぜられた無数のフェイントにより、瞬く間に敵の死角へ入り急所を突く。
研ぎ澄まされた技巧はいまや見る影もないが、かつては眼前の敵にさえ姿を捉えられず、瞬間移動と錯覚させるほどの鋭さを伴ったという。
| 武器 | 常備化 | 経験点 | 種別 | 技能 | 命中 | 攻撃力 | ガード 値 | 射程 | 解説 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 天罡禍秤 | 15 | エンブレム 白兵 射撃 | 〈白兵〉〈射撃〉 | 0 | 12 | 4 | 至近/50m | 両手持ち この武器による攻撃時、達成値+4 翼を携えた黄金の龍のモチーフが刀身に刻まれた黒色の双剣。 大元は一振りの双刃剣を象っていたという。 【雷将神器】 | |
| カスタマイズ:ヒストリー | 0 | カスタマイズ | ― | ─ | ─ | ─ | ─ | ||
| グレネードランチャー | 射撃 | 〈射撃〉 | -2 | 9 | - | 30m | 両手持ち/至近不可 マイナーアクションで使用 そのメインプロセスの間、この武器による攻撃を「対象:範囲」へ変更する[1回/S] |
| 防具 | 常備化 | 経験点 | 種別 | 行動 | ドッジ | 装甲値 | 解説 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 鎖帷子 | 防具 | -1 | -1 | 8 |
| 一般アイテム | 常備化 | 経験点 | 種別 | 技能 | 解説 |
|---|---|---|---|---|---|
| エーペックスソルジャー | 20 | エンブレム/一般 | ― | 伝説的なFHマーシナリーであることを示すエンブレム。能力値+4(一項目につき+2まで) 今際の浅瀬に哄う影。人が生に帳を下すとき、その訪れを告げるかのように傍に顕れると畏れ囁かれる者。 悪逆を喰らう大逆。心のまま、数多の血を振り撒いてきた怪物の証明。 | |
| バラウールの宝雫 | 0 | その他 | ― | クロドヴァから採掘された、極めて純度の高いレネゲイドを核とする極彩色の宝石。 | |
| 〈効果〉 | 20 | セットアップに使用することで【暴走】 この暴走を受けているとき、ダメージ+2D 使用後に侵蝕値+3、1回/シーン (【怨念の呪石】相当品) ───────── バッドステータスを受けているとき、攻撃+7、達成値+7、行動値+7/全判定-1D (【謀略の牢獄】相当品) | |||
| アナザーフェイス | 5 | エンブレム/一般 | FHの協力者とそうでない自分、ふたつの顔を持つことを表すエンブレム。 「フリーランス」のエンブレムひとつを取得する(経験点は個別に計算) | ||
| スレイヤーの証 | 30 | エンブレム/一般 | 裏社会においてオーヴァード、とりわけジャーム狩りを得意とするハンターとして有名であることを示す証。 対象がオーヴァードであるとき、ダメージ+3D | ||
| キルリーダー | 15 | エンブレム/一般 | 対象がオーヴァードであるとき、ダメージ+2D | ||
| マルチエフェクター | 5 | 一般 | 指定:オルクス 自分の取得しているシンドローム以外のシンドロームからひとつ選択する。選択したシンドロームのイージーエフェクトを取得できる。 後に“X10インテグレイト”へと応用される技術のプロトタイプ。 一定の制限を設けることにより、複数のシンドロームを同時に制御する負荷を低減する。 | ||
| ウェポンケース | 1 | 一般 | いつでも使用可能。選択した武器を装備できる。 〈対象:雷将神器〉 | ||
| 予備弾倉 | 2 | 使い捨て | マイナーアクションで使用。 装備している対象アイテムひとつの使用回数を回復する。 【対象:PDW、アンチマテリアルライフル、ARライフル、グレネードランチャー、大型擲弾砲、火炎放射器】 | ||
| 要人への貸し | 1 | コネ | 〈情報:〉 | 任意の情報判定 +3D 1回/S 【レアアイテム】 |
経験点計算
| 能力値 | 技能 | エフェクト | アイテム | メモリー | 使用総計 | 未使用| 0
| 1
| 83
| 110
| 0
| 194
| 0/194
| |
|---|
侵蝕率効果表
現在侵蝕率:
ステータス
どうせ生きてるんなら、存分に愉しまなくっちゃウソだろう。
/嗚呼そうとも、そいつが血反吐と汚泥に塗れていてもだ。
何せ、先人に温ねりゃあ「人生はロングショットで見れば喜劇」らしい。
/そしてこうとも言う。「終わり良ければ全て良し」───
どんなに惨い悲劇でも、最後に笑えりゃハッピーエンドさ。
/──任せな。アンタの結末、俺が“喜劇”に変えてやる。
- 髪
- 白髪混じりのバサついた黒
- 瞳
- 翡翠色の左眼と、眼帯で隠された右眼
- 好きなもの
- 歴史探究、本を片手に飲むコーヒー、“悪党”
- 苦手なもの
- 熱帯雨林、映画鑑賞、"子供"
- 一人称
- 俺/稀に私
- 二人称
- お前さん、アンタ/稀に君、嬢ちゃん
- 三人称
- 基本的には呼び捨て/稀に◯◯殿、◯◯女史など
立場や敬意の多寡によって呼称は多少変える。基本的にはどこか気取った風でもあるこの調子。
本名とコードネームの呼び分けは気分で変わるが、どちらかといえば前者を用いる傾向にある。 - アライメント
- 混沌・中庸
概要/経歴
今際の浅瀬に哄う影。
誰かが嘆きの声を挙げるとき、ソイツを誰かが嗤うなら。
奴らがすべてを砕き割る。幾千の哄笑を引連れて。
───東欧地域、FH構成員の間で流布する噂話
主にヨーロッパ・アフリカの紛争地域(不安定の弧)周辺で活動する、自称“笑顔を配るなんでも屋”。
経歴不詳、年齢不詳の神出鬼没。世界を飄々と吹き抜ける風を帯び、その軌跡に熱波を運び込む。目指す行先は誰も知らない掴みどころのない黒衣の男。
分かっているのは東欧出身のオーヴァードであるということと、オルクス/ノイマンのクロスブリードらしいことぐらいの謎多きオーヴァード。特定の組織には属さないフリーランスの旅人として身一つで世界中を転々としている。
彼は旅先で出逢う人々との一期一会を大切にしており、立ち寄った集落のお悩みを訊いて“なんでも”ひとつだけ解決することを趣味を兼ねた生業としている。
請ける依頼の内容は猫探しから荷物運びの用心棒、ジャーム退治に至るまで実に様々。ある日は道案内の礼として井戸を掘り、ある日は情報を対価に遊撃隊へ加わり、翌る日は一食一飯の恩義に応えるために地域を牛耳る犯罪組織へひとり殴り込む。
“なんでも”の言葉通り仕事を選びはしないが、彼にはただ一つだけ依頼を請けるための条件がある。
それは「すべてを逐えたとき、皆が笑顔になれること」。
この条件を満たさない依頼はどれだけ金を積まれようが「気分がノらないから」と一切請けず、条件さえ満たしていれば報酬が二束三文の玩具だろうが容易く命を懸ける。
UGNからはその自由奔放さゆえ「要注意人物」と認識されているが、民間人を積極的に危害する行動は取らないため、本格的な追跡は行われていない。また、依頼内容によってはUGNと協力関係を結ぶこともある。
活動エリアが広域であることも手伝って“流離う風焔”の名はそこそこ知れ渡っており、金銭や権威では縛れないその気紛れな在り方はしばしば暴風に准えられて語られる。特にFHを含む裏社会では「最も安価な用心棒」として警戒の対象になっている。
彼はクロドヴァ国内/アレイヘム市街地の何処かに仮拠点を構えており、気に入った依頼者や協力者には連絡先が書かれた名刺を手渡すという。
名刺の連絡先に電話をして、彼が指定するアレイヘム市街のカフェでコーヒーを一杯奢れば、無条件で依頼を請けてくれるそうだ。
───というのが、“流離う風焔”としての彼の顔。
名刺を受け取ってなおも生き残った、ごく限られた者たちだけがその真名を知ることになる。
御伽話
旧い時代、まだ守護者を名乗った者たちが裏切者に名前を変えるより以前。超人たちの認識が幼かった十数年前の黎明期、東欧地域にはこんな噂が広まっていた。
「オーヴァードを手当たり次第に殺戮する、黒い風妖が戦場を這い回っている。
そいつは力を振う度に、用いる異能が全く変わる。道理を嘲笑うかのように、酷薄な哄笑を掻き立てながら───」
辛うじて生き延びた僅か数人の新参たちが戦線から持ち帰った情報は様々な憶測を呼んだ。しかし、あまりに常軌を逸したその内容は、半ば与太話の類として扱われた。
調査も行われたものの該当するようなジャームの痕跡は見つからず、現地の戦士たちには「レネゲイドによる幻惑と極限状態の恐慌が生み出した譫妄の類」と看做され、公的には「FHに雇われたオーヴァードの傭兵集団による活動」と結論付けられた。
やがて戦士たちも戦禍の中で姿を消し、傭兵たちの雇い主と目されたFHセル――『招魂祭』セルも実験中の事故により壊滅した。
こうして噂の出処も歴史の彼方へと消え去った頃、焦げついた影法師のように、行方知れずの怪物にまつわる御伽話だけが東欧の地に遺された。
洛叉の哄───数多の異能を自在に繰る、たった一人の妖精兵団。
“洛叉の哄”の逸話は東欧地域のFHでは「知る人ぞ知る御伽話」として語り継がれていた。しかし近年、都築京香やベータレネゲイドをはじめとするシンドロームに縛られない特異事例の観測、さらにウロボロスシンドロームの発見と拡散により、「御伽話の怪物」の実在が確度の高い情報として再び語り種となっている。
焦げついた御伽話には、いまも火種を継ぐ者がいる。その再燃と共に、御伽噺にはある一節が付け加えられた。
曰く、“法外な利息”を代償に「物語を喜劇で終わらせる」ことを怪物は誓約するのだと。
誰が付け加えた一節なのか、それを知る者は誰もいない。
ただひとつ確かなことは、御伽噺に一節が加えられた頃を境目に、正体不明のオーヴァードによるFHセル殲滅の報告が有意に増えたことだけだ。
“洛叉の哄”───守護者たちの黎明期にのみ足跡を残した、御伽話の世界の住人。この伝説の正体こそ、エリクである。
妄執に、悲嘆に、あるいは絶望に───抗う意志を抱きながらも力を持たない弱者たち。 声も声も涸れ果てた彼らの前に顕れ、組織や時勢を問わず、御伽噺の怪物はひとつの契約を持ちかける。
“笑うことを忘れるな”───その難題を成し遂げることを条件に、怪物は地に暴虐を降り注ぎ、喰らうべきを打ち砕く。
これらの『仕事』は公には、不特定多数の未登録オーヴァードによるものとされ、便宜的に伝説の戦争請負人“洛叉の哄”の仕業として記録されている。この伝説が実在することを知る者はごく一握りに限られる。
正体を知りながらもなお彼を求める声があるならば、彼は喜び勇んで力を貸すだろう。
悪逆を殺す大逆。
幾星霜を経て磨かれた、暴力装置としての伝説を。
人物
「風は吹き抜ける場所で在り方を変える。
お前さんの見たいものが見られることを願うよ。」
口を開けば露悪的、かつ冷笑的なケのある皮肉屋。露骨に子供を嫌って避けたがり、利いた風な物言いで人を揶揄い論う、陰湿体質のロクデナシ。「殺し」がナチュラルに行動の選択肢に含まれている節があり、戦場の理屈で生きている危険人物。
しかし一方で、他人に対して妙に親身さを覗かせることもある。求められれば弱きを助け、強きを挫き、碌な見返りも求めずに死地へ身を投げ出すことすら厭わない。カラリとした気の良い一面を持つ。
ロマンチストでありながら合理主義者、思慮深いかと思えば短絡的。お人好しで冷血漢、楽天家でありながら厭世的。人を人とも思わないヒューマニスト。
一見相反する特性を持ちながら、それらはひとつの欲望のもとに矛盾なく結びついている。
その欲望は、「物語の結末が喜劇で終わる」こと。
彼が“流離う風焔”としての契約を安価で請ける背景には、「受け取る額以上の働きを期待するな」という暗示が込められている。即ち、「結末が喜劇になるならば刃はお前に向けられる」という警告である。
彼の言う『喜劇』が指すものが何なのか……それを知るのはエリク自身だけである。彼は『喜劇』を成し遂げた者にのみ、自らの名刺を渡すという。
いずれにせよ、社会秩序を素面で無視し、手段を選ばずに自らの欲望を貫く我を持つ存在。
FHの理念とは思想的に親和性が高いが、より表面的な部分で欲望の形が噛み合いにくい。対してUGNの理念とは矛盾するが、根本の欲望そのものは整合しやすい。故に彼は属する場所を定めずに組織を渡り歩く。
戦闘能力
分類上はノイマン/ウロボロスのクロスブリード。
ただし、このうちウロボロス───厳密にはウロボロスと分類される力は遺産に由来するものであり、“輪廻の獣》や“プロジェクト・インフィニティコード”に端を発するものとは明確に性質を異にする。
光子操作、魔眼調律、電子誘導、操血創生、獣身狂化、万形変転、神速波動、物質創造、思考肥大、領域掌握、熱量移動、化薬幻術───
遺産が吸収した他者のレネゲイド因子を模倣・支配することに長け、これらを絶えず自在に組み換え続けることにより無数の戦型の行使を可能とする。
長期的な調整と莫大な負荷を強いるものの、レネゲイド因子に外科的な調整を施すことにより、シンドロームさえも偽装して能力傾向を全く異なるものに換装することも可能。遊撃戦、機動戦、陣地戦、制圧戦、諜報戦……それぞれ必要に応じて特化した形態を持ち、それぞれが表向きには別個のオーヴァードとして認識されている。
“流離う風焔”はその中のひとつであり、エリクの原初の戦型に最も近い姿とされる。
オーレリオにおいては少数精鋭でのゲリラ戦を想定し、隘路における戦闘で高い汎用性を発揮する構成を選択。広域戦闘や面制圧能力はフルスペックから大幅に抑制される一方、ありとあらゆる状況への即応力を重視し、自己防衛力を除外して対オーヴァード戦の殺傷力を担保したピーキーな能力設定となっている。
“洛叉の哄”が伝説の怪物足りうる所以は無双を誇る戦闘能力ではなく、無双を誇る超人ですら到達し得ない領域を侵す「完成された兵器」としての万能性にある。
ただしその代償は大きく、長年に渡り遺産を酷使し続けたことで身体機能は年々劣化の一途を辿っている。現在、エリクは神経にレネゲイドの棘を刺すことで無理矢理稼働させている。
遺産『バラウルの宝雫』
- TYPE
- 謀略の牢獄
賢者の石(変質) - MODEL
- ルーマニア伝承の古竜バラウル
かつてクロドヴァ国境付近の鉱山で採掘された、極めて純度の高いレネゲイド因子が閉じ込められた極彩色の宝石。
ダキウムが発見されるより遥か以前に偶然採掘されたものであり、「身につけた者に未知の魔術を授ける呪われた宝石」として古くから知られていた曰く付きの遺産である。
ルーマニア伝承においては「古き竜バラウルの落とし物」あるいは「古竜の唾液が凝結した宝石」と呼ばれ、多くの力を求める者たちがこれを巡って争い、所有者の死を以て受け継がれ続けてきた。
その性質は賢者の石と酷似しているが、太古に吸収したEXレネゲイドの影響で変質しており、現在は半ば暴走状態にある。本来「宿った相手の記憶や人格を吸収・蓄積する」という賢者の石の性質は、周辺のレネゲイド因子を見境なく吸収し続ける強欲な遺産へと変質してしまった。
この遺産の契約者は宝石に他者のレネゲイド因子を取り込ませ続けなければ、やがては自身のレネゲイド因子ごと精神を引き摺り込まれる。
吸収されたレネゲイドは宿した記憶や意識の残滓ごと宝石の内に封じられ、契約者の求めに応じてそれらを契約者に貸し与える。
永い年月を経た宝石は契約者に万能の力を授けるが、契約者は力を使い続けるほどに封じ込められた残留思念や感情に侵され、彼我の境界は曖昧になり、やがては人格に致命的な異常を来す。
かつて存在したFHでも屈指の大規模セル……通称「ファントムセル」は、特殊な古代種を触媒とし、レネゲイドの進化を追求する計画を推進していた。
彼らはX島での主実験以外にも複数のアプローチからの実験を同時並行で進め、その中の一環として、他者のレネゲイドを無差別に吸収する変質した賢者の石に注目。次世代への入口を叩きうるものと判断した。
この変質した賢者の石に関する予備実験は、東欧地域に位置する下部組織セル、“招魂祭”が担当していた。“招魂祭”はこの実験を進めた結果、小国アロタニアから“調達”した浮浪児のエリクに適合性を見出し、宝石は彼の右眼窩に癒着する形で埋め込まれることとなった。
古ぼけた手帳
最初のページ
「死と同じように避けられないものがある。それは生きることだ。」
手記:オーレリオ
DeMilitarized Zone
Trailer
オーレリオへようこそ──。
かつての戦いを生き抜いた"メディエーター"が欲したのは、
もう一度あの地獄を見ても構わないと望む者だけだ。
今度こそ、公国を蝕む革命家を根絶やしにする。
テロ組織『デミウルゴス』の壊滅によって終焉を迎えたオーレリオの内戦。
オーヴァード、ならびにレネゲイド兵器も投入されたことにより、数多くの悲劇が生み出された。
アラブの春の煽りを受けた国家ではあったが、新首相メセド・ハム・アジュニの手によって徐々に民主主義への道を進み始めていた。
だが、亡霊はまだ生きていた。
「我々『ティマイオス』は、オーレリオ公国の転覆を宣言する」
党首であり、UGNによってコードネーム"ジハード"と名付けられた存在による演説が行われた。
民主革命という唯一守られていた芯でさえも放棄した、オーレリオ公国に対するテロ宣言。
この地にとどまり、監視活動を続けていた"冷血卿"は、これ幸いにと再び武力招集を行った。
「殺せ。
殺し尽くせ。
春という名の殺戮を齎す、血塗れの集団を根絶やしにせよ」
各々の目的を持って降り立ったのは少数精鋭で構築されたチーム、『グラウコス』。
目標はこの地に潜む『ティマイオス』の抹殺。
……そして、あの日の悲劇に終焉を。
ダブルクロス The 3rd Edition
『DeMilitarized Zone』
ダブルクロス。
──それは、裏切りを意味する言葉。
- PC4④
- パンドラの箱
初期ロイス:"星星之火"李云雀(リ・ユンチュエ) 推奨感情 P:好奇心/N:隔意
推奨カヴァー/ワークス 任意/任意
キミはフリーで動いているオーヴァードだ。
そのキミに、UGN中国広東支部支部長にして考古学者である"李云雀"より、依頼が下る。
彼女の依頼は、オーレリオ公国の領土内にかつて存在したとされる一族にして、
かつての内戦の引き金となった"賢者の石の鉱脈"を守っていたとされる"石守り"の調査、その護衛だ。
オーレリオ政府も正確には把握出来ておらず、侵攻を指揮したマスターマインドでさえついぞ見つけられなかったとされる賢者の石の鉱脈を守ってきたとされる彼ら。
各国政府の介入による事後処理の際、強い興味を抱いた李云雀が調査したところ、その場所をある程度絞ることが出来たのだという。
『ティマイオス』によるテロ活動が本格化する前に調査をしたいという彼女たっての希望で、キミは現地入りすることになる──。
- NPC
- "星星之火" 李云雀
シンドローム サラマンダー/モルフェウス 年齢:27
UGN中華人民共和国属、広東支部支部長。
コードネームの由来は火種だけで敵対者を焼き尽くす戦いぶりと、その偏執的な知識欲の二つから取られている。
現代社会に憂いている類の変人でもあり、特に戦火によって焼き尽くされる文化財、消えゆく者たちの調査保全に勤しんでいる。
自他ともに認める変人であり、自覚している通り、自分はあくまで学者であり研究者だから、モノを使う立場にはいないと公言しているほど。
古代を知ることで今を解き明かし、解き明かされぬものを知ることで、自分以外の誰かがそれを有効活用するだろうし──同時に、自分が先に見つけてしまえば、今の可能性を広げられると信じている。
そのためには手段は問わず、中国の独裁的、かつ閉鎖的な状況故にUGNの機能が行き届いていないことを利用し、犯罪者らと手を組んでいることも少なくない。
いい意味でも悪い意味でも、自分が解明しきってしまったものに対しては無責任。
セッション履歴
| No. | 日付 | タイトル | 経験点 | GM | 参加者 |
|---|---|---|---|---|---|
| フルスクラッチ作成 | 64 |