【コードネーム】陰陽魚(こんとん)
【種族】レネゲイドビーイング
【能力】対極にある力の発生、万物の生成消滅

星の一器官たる生命の樹、原初よりその根に息付く星の癌。
十つ存在する言われる腫瘍の一つ、無神論(バチカル)
その起源は地球に繁栄する生命の集合意識の一つであり、総合して"クリフォト"と呼ばれる悪の勢力もしくは不均衡な諸力を表す概念。
顕現する際に、中国の陰陽思想や四凶の"渾沌"の概念を取り込んだとされている。

"陰"、"中庸"、"陽"の三形態を持つ。
これらの均衡は天秤の様であり、周囲にいる人間の集団意識によって傾きが左右される。
中庸が天秤の均衡を保った状態であれば、陰と陽は天秤の傾きを示す。
行き過ぎた秩序、非道によって本人の意思とは関係なく、白と黒のように極端な思想を持つ別人としてジャームと成る。
要は近しい人物の集合意識が不安定になると現れる災害のような存在である。
形態の維持はレネゲイドビーイング本人の精神成長により制御範囲が拡大すると思われる。
人類に危害を加えることは中庸時の意志に反するものであり、本人も力の制御に協力的なことからUGNと連携し安定化を図っている。

過去、同じ性質を持つと思わしきレネゲイドビーイングが複数回発生し、討伐されていることが古代中国の資料によって明らかになっている。
その性質は輪廻の獣に近しく、レネゲイドビーイングとして転生を繰り返していると思われる。
顕現のたびに多くの被害を出していた様だが、その最後は必ず人の手によって命を落としたとされている。
現在発生している人格に過去の記憶は無く、記録でのみ当時の状況を理解しているようだ。

厄災クラスの危険分子を孕んではいるが、力の制御が可能となればUGNにとって大きな利益をもたらすだろう。
本人が最も畏怖していることは、過去の無神論(バチカル)と同じ末路を辿る事である。
人との関わりによって精神性は変容。"心"を得たことによりどのように成長するかは今だ計り知れない。
しかし彼の成長は神頼みすることではない。
精神が成熟し、倫理と自我、人を想う心が形を成すまで誠実に、気長に付き合っていくことが必要である。