容姿・経歴・その他メモ

UGN江東区統括支部所属のUGNチルドレンにして、カフェ「りらすふぃあ・あんてぃ～く」のホールスタッフアルバイト兼迷惑客対応係(敵対勢力殲滅エージェント)。
偽神の心臓(ファルスハーツ)から離反してUGNに保護されていたレネゲイド研究者を父に持ち、幼少期からUGNの関連施設で育った。
父親の『邪神因子克服超人誕生計画(プロジェクト・チャイルドフッズエンド)』の実験体として生まれ落ちた火狩は、その力を世界を守るために、人々を守るために使うよう教えられてきた。
自分を愛してくれる両親と、力について学べるUGNでの生活、この時代でのオーヴァードにとって最高の環境に生まれた彼女は、いつか自分が世界を救うのだと信じていた。
そしてその希望は、あっさりと砕かれることになる。
偽神の心臓の最高戦力、“亡霊(マスターレイス)”の位階を授けられた理外の魔術師、日下部仁。
突如として現れた生きた災害に、彼女の全てはすり潰された。
世界を守るための力は、大切な家族すら守れなかった。
世界を救うための力は、砂粒ほどの命も掬えはしなかった。
唯一人生き残ってしまった敗残の守護者はしかし、そこで折れることはしなかった。

“亡霊(マスターレイス)”襲撃の唯一の生存者であった火狩はその後、徹底的に自分を鍛え直した。
鉄火場に身を置き、死線をくぐり抜け、最凶の魔術師を今度こそ打ち倒すために、今度こそ守れるように、両親の仇を討てるように。
そんな彼女が霧谷 雄吾の命で江東区統括支部へと移動になったのが、今から2年前のことだ。

大切な人を亡くし、生き残ってしまった自分への悪感情に押しつぶされそうになり、どうしようもなく自分を傷つけてしまう。
霧谷がそんな火狩を江東区統括支部に送ったのはきっと、同じ痛みを知る彼であればその傷を癒やすことができると、そう判断したのだろう。
2年たった今、火狩は年相応の笑みを浮かべて日常を過ごしている。
過去の傷は消えない、無念も怒りも憎しみも、彼女の中に生きている。
けれども火狩は、それだけが全てではないことをもう知っている。
自分の心との付き合い方を教えてくれた彼のお陰で、少しわがままだけれど普通の女子高生をやれている。
カフェ「りらすふぃあ・あんてぃ～く」のホールでは、今日も彼女の元気な声が響いている。

「“店長”！私、今日はオムライスの気分ですわ！」

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