はじめに宇宙には一粒の種子があった。

神が種を蒔き、種子が芽吹くと宇宙に星が生まれた。
茎が伸びると星に『活発でスポーツ万能、目元が少しキリッとしていてちょっとおバカで社交的な歳下の貧乳女の子』、一(はじめ)が生まれ
蕾が膨らむと『お淑やかで成績優秀、内申はほぼオール5にも係らず体育だけはへろへろのちょっと内気な歳上の巨乳女の子』、白(はく)が生まれた。

少女、一(はじめ)は白(はく)に憧れを持った。己に出来ないことは多く、またそのどれもを易々とこなしてみせる白に尊敬の念を抱いた。
方や少女、白は一を羨んだ。明確に欠点を持ちながらも明るく直向きで、何より和を重んずる。万物に愛される一を、白もまた愛した。
互いは、次第に惹かれあった。蕾は花開いたのである。

人々は
「美しい」「助かる」「尊い」「丁度切らしてた」「俺が…守護らねばッ！」「無理」「直視したら目ェ灼けた」「ハァ〜↑ありがたや〜ありがたや」「女の子は女の子同士で恋愛すべきだと思うの」
などと口々にした。神はよしとした。

これを見て人々は神の与え賜うた視覚の恵みとして名を冠した。
「一が白に輪り合いて百と也す」…白一輪百合也。

───百合の誕生である。
これが、第一日目の出来事である。

※現代注釈
現代の百合の花が主に白を基調とし、花の単位が「輪」となったのは、これ故とされている。

来るならしゃあねぇ。ぶっ殺す。

俺ぁ一体…何をやってんだ…。何を、やってたんだ。