一人称:アタシ　二人称:アンタ、名前
　赤い派手なヒーローコスチュームを身に纏った、長髪を結えた女性。数年前からヒーローとして活動しており、それなりに活躍している。
　自身の声にレネゲイドを乗せた遠距離攻撃を得意としており、自身の血と普段から持ち歩いている愛用のマイク『｜鮮血の杖《ロッドオブローズ》』によりその威力を増している。また腰の装飾には常に愛用の短刀『｜紅塗《べにと》』が隠されており、近づいて攻撃をしてきた相手を突き刺す。
　非常に好戦的かつ粗暴、我が強い性格で、他人を揶揄ったりすることもしばしば。普段は状況にもよるが、基本指示が無い限り他のヒーローやサイキック、ノーマルとつるむ事はない。だがそれは自身の声でヴィラン以外が傷つかないようにという彼女なりの配慮。イージーエフェクト《生命治癒》で怪我を治すこともある。
　“ミスター51位”ディアボロスとは何かと縁があり、「恩のある腐れ縁だよ」と語る。会う度ヒーローランキング外なのを揶揄っているが、信用しており協力的。また「ヒーローネームと渾名は知ってるけど本名知らないんだよね」という理由で「｜Mister《ミスター》」と呼んでいる
　またヒーロー活動の傍シンガーとしても活動しており、CDも出している。女性にしては低めの声で、感情を乗せたシャウトが人気。
「アタシはヒーローさ。…あぁ呼び名？“鮮血の戦姫”だよ。ま、好きに呼びな。アンタを助ける事は変わんないから。」
「アタシのシャウトに酔いしれな、オーディエンス！」
「あっはははは！この戦いも終幕だ！さぁさぁアタシとラストダンスを踊ってくれよ！」

　古くから遺産を継承してきた華枯園一族の分家生まれで、格闘家の両親から生まれ自身も格闘家になるべく育てられていた。だが第一次レネゲイドウォーの際にヴィランのマッドサイエンティストに誘拐されてしまい、投薬や実験によりオーヴァードに覚醒してしまう。
　その後数ヶ月実験体として扱われたが、隙を見てそのヴィランを殺害。金目の物や珍しい物を持持ち研究所を抜け出す事に成功する。どうにか家に戻るも、混乱の最中死亡したと誤認されておりすでに葬式が挙げられ、死亡届も受理されてしまっていた。その時親に会うも制御出来ていなかったレネゲイドにより傷つけてしまい、それを恐れその場から逃げ出した。
　親戚の住所もわからず、家に居場所もない上にレネゲイドに関する知識も無く、制御出来ていなかったレネゲイドが常時声に含まれてしまい、その意識が無くとも相手を傷つけてしまう。身分証明書も頼れる人も何も無く、誰かを助けるというヒーロー活動も合わないだろうと感じた彼女は、生きる為にマスクを被りヴィラン“ペインボイス”と名乗り、レネゲイドの力を使いながら喧嘩や窃盗などを行い過ごしていた。仲の良いヴィランも出来始めてきたある時、ヒーローであるディアボロスに倒される。
　連行班が来るまで縛られ監視されるだけで暇だったのもあり、ふとディアボロスに「何故ヒーローとして動けるのか」と聞いた所、「ヒーローランキングに入るため」と真面目に返され爆笑。そして「自身の持つヴィラン関係の情報全てを吐く代わりに自身をヒーローにする」という取引を持ちかける。その取引は承諾され、洗いざらい全て語ることとなる。
　そして連行された後、未成年であったことや諸々の事情を汲まれUGNの保護下に入り、レネゲイドやオーヴァード、エフェクトについての教育を施される。認定テストが甘くなって居た事と取引の事もあり、無事ライセンスを取得しヒーローになった。
　その際新しく戸籍を取得しており、名を変えた。死亡届を撤回することも可能だと言われたが、「あの二人にアタシはもう要らないだろうから」と断り、全くの別人として生きることを決めた。
　また情報を吐いたにも関わらず自身を慕ってくれるヴィランも少なからずおり、時折情報を貰う。そうするしかない理由があってヴィランになった者を多く見てきたため、そう言ったヴィランを更生させる支援を行っている。

　《カスタマイズ：ネームド》《カスタマイズ:デコ》
　薔薇やフリルで飾り付けられたレトロマイク。普段は片手で持てるサイズだが、伸縮可能なスタンドを伸ばすと地面に立てられる。
　持ち手の上の方に棘がついており、そこから血を吸わせ、それを粒子状にして周囲にばら撒く。それにより声に乗せたレネゲイドの威力を増幅させる効果がある。RCによる攻撃時にはこのマイクに声を発し、レネゲイドと粒子状の血で敵を切り裂く。

《カスタマイズ:デコ》《カスタマイズ:ネームド》
　黒い布の巻かれた鞘に収められた古ぼけた短刀。愛用しているうちに刃が紅色に染まっていた。ヴィランになったばかりの頃、とあるヴィランから研究所から持ち出していた備品と交換を持ちかけられ、了承し手にした品。
　交換してくれたヴィランとはそれなりに仲が良く、何かと構われていた。ヒーローになる事を伝えた際も軽蔑や攻撃もなく送り出された。今は協力者、という関係にある。

　赤いノースリーブで膝上までの長さのドレス。裾には白いフリル、スカートにはチェックの飾り布、腰には黒い薔薇の留め具付きのリボンが巻かれている。赤いヒールには膝下までの赤いクロスストラップがついており、脱げないよう固定されている。
　シンガーとして目立つ服、かつ動き易さを求めた結果のコスチューム。

　耳のピアスについたドックタグ。片方は自宅へ、片方は自分へ。死んでも残るであろうそれは、確かな拠り所になっている。