容姿・経歴・その他メモ

ジャームの処理には二種類の方法がある。
1つはその生命を終わらせること。
あまりに甚大な被害を出したジャームや、対処する上で危険を伴いジャームが該当する方法。
至ってシンプルなようではあるが、あくまでそのジャームたちの“いつか来る未来”を奪っている自覚は持たなければならない。

そしてもう1つ。凍結保存。
絶対零度の氷によって彼らを無力化することで、“いつか来る未来”を待つ方法。
彼らは自分の意志ではなく、あくまでレネゲイドに侵蝕されて欲望を増長させられただけである。
だから……彼らには帰るべき場所や、待っている人がいるのだ。
例え孤独な者であっても。

だが、それは本当に正しいことなのだろうか。
椿は考えていた。
ジャームによって甚大な被害を受けた事件は数多あれど、彼女の迷いはずっと拭われないままだ。
“いつか来る未来”が本当に来るものなのか、それはわからないだろう。
そのいつかの未来ではもう既に彼らの帰るべき場所や待っている人はいないかもしれない。
そうなったときにあるのは本当の孤独だ。

彼女は過去、名家の生まれであったが捨てられたことがある。
孤独というものを知っている。
だから、他人を孤独に貶める行為は絶対にしたくないと思った。
……それなのに、自分のいまやっていることは本当に正しいのか。

苛まれた疑問を解消することは未だできていない。

願わくば、別の手段があることを椿は望んでいる。

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