“昏くとも輝く星”星羅 かざね
プレイヤー:暖ゴロ
「……輝きは彼方。それでも、穢れた手でも、星に手を伸ばしていいと……今なら、わかるよ」
- 年齢
- 16
- 性別
- 女
- 星座
- 双子座
- 身長
- 151㎝
- 体重
- 内緒
- 血液型
- A型
- ワークス
- 高校生/UGNイリーガル
- カヴァー
- 高校生
- ブリード
- クロスブリード
- シンドローム
- オルクス
- エンジェルハィロゥ
- HP最大値
- 24
- 常備化ポイント
- 4
- 財産ポイント
- 4
- 行動値
- 10
- 戦闘移動
- 15
- 全力移動
- 30
経験点
- 消費
- +72
- 未使用
- 0
ライフパス
出自 | ……お姉ちゃんは、いるけど。 | |
---|---|---|
姉妹 | ||
経験 | あえて言うならボクの存在すべてがそうだった。今は……どうかな。 | |
汚点 | ||
邂逅 | やっと見つけられた、ってことでいいのかな。 | |
居場所 | ||
覚醒 | 侵蝕値 | それは妖精王の囁き。 |
命令 | 15 | |
衝動 | 侵蝕値 | 自己嫌悪は消えないけれど、それでも前に進んでるよ。 |
嫌悪 | 15 | |
侵蝕率基本値 | 30 |
能力値
肉体 | 1 | 感覚 | 4 | 精神 | 2 | 社会 | 2 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
シンドローム | 0+0 | シンドローム | 1+3 | シンドローム | 1+1 | シンドローム | 2+0 |
ワークス | 1 | ワークス | ワークス | ワークス | |||
成長 | 成長 | 成長 | 成長 | ||||
その他修正 | その他修正 | その他修正 | その他修正 | ||||
白兵 | 射撃 | 4 | RC | 2 | 交渉 | ||
回避 | 1 | 知覚 | 1 | 意志 | 調達 | ||
芸術:演技 | 2 | 知識:鵬月凪 | 2 | 情報:噂話 | 1 |
ロイス
関係 | 名前 | 感情(Posi/Nega) | 属性 | 状態 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|
Dロイス | 純愛 | ― | 【通常効果】シーンに登場しているキャラクターひとりが受けるHPダメージの算出後に使用。そのHPダメージを10D点軽減。自身の侵蝕率+2D。1シナリオに1回のみ使用可。【強化効果】この効果をREC対象に使用した場合、そのHPダメージを0にする。 | ||||
姉妹 | 星羅らいな | 憧憬 | / | 厭気 | ……いっそあそこまで素直に生きられたら。 | ||
黒歴史 | 過去の自分 | 慈愛 | / | 恥辱 | よくもまああれだけうじうじしてたよね。 | ||
REC/シナリオ | 鵬月凪 | 庇護 | / | 不安 | ボクの星。輝けるもの。本当は手を伸ばすことすら許されない、ボクの罪。 | ||
― | |||||||
― | |||||||
― |
エフェクト
種別 | 名称 | LV | タイミング | 技能 | 難易度 | 対象 | 射程 | 侵蝕値 | 制限 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
リザレクト | 1 | オートアクション | ― | 自動成功 | 自身 | 至近 | 効果参照 | ― | |
(Lv)D点HP回復、侵蝕値上昇 | |||||||||
ワーディング | 1 | オートアクション | ― | 自動成功 | シーン | 視界 | 0 | ― | |
非オーヴァードをエキストラ化 | |||||||||
コンセントレイト:エンジェルハィロゥ | 3 | メジャーアクション | シンドローム | ― | ― | ― | 2 | ― | |
組み合わせた判定のC値を-LV(下限値7)。 | |||||||||
妖精の手 | 3 | オートアクション | ― | 自動成功 | 単体 | 視界 | 4 | ― | |
対象が判定のダイスを振った直後に使用。対象の判定のダイス目のひとつを10に変更する。判定中でも使用可能。1回の判定中に1回、1シナリオにLV回使用可能。 | |||||||||
妖精の輪 | 1 | オートアクション | ― | 自動成功 | 自身 | 至近 | 4 | リミット | |
前提条件:《妖精の手》。《妖精の手》と同時に使用。その判定中にもう1回だけ《妖精の手》を使用可能になる。1回の判定中に1回、1シナリオにLV回使用可能。 | |||||||||
ピンポイントレーザー | 1 | メジャーアクション | シンドローム | 対決 | ― | ― | 2 | ― | |
組み合わせた攻撃で装甲無視。ただし攻撃力-[5-LV](最高0)。 | |||||||||
小さな塵 | 1 | メジャーアクション | 〈射撃〉 | 対決 | ― | 武器 | 2 | ― | |
組み合わせた攻撃の攻撃力+[LV×2]。 | |||||||||
レーザーファン | 1 | メジャーアクション | シンドローム | 対決 | ― | ― | 3 | ― | |
組み合わせた攻撃の範囲を範囲(選択)に変更。同エンゲージ不可になる。1シナリオにLV回使用可。 | |||||||||
光の銃 | 5 | セットアッププロセス | ― | 自動成功 | 自身 | 至近 | 4 | ― | |
煌影/昏星を作成する。 |
コンボ
煌めきの影・双星
- 組み合わせ
- 《コンセントレイト:エンジェルハィロゥ》+《小さな塵》+《ピンポイントレーザー》+《レーザーファン》
- タイミング
- メジャーアクション
- 技能
- 射撃
- 難易度
- 対決
- 対象
- 範囲(選択)
- 射程
- 武器
- 侵蝕値
- 10
- 条件
- ダイス
- C値
- 達成値修正
- 攻撃力
- ダイス
- 100%未満
- 4+侵蝕B
- 7
- 4+3
- 22+2D
- 100%以上
- 4+侵蝕B
- 7
- 4+3
- 29+2D
- 4+侵蝕B
装甲無視の射撃攻撃。
武器 | 常備化 | 経験点 | 種別 | 技能 | 命中 | 攻撃力 | ガード 値 | 射程 | 解説 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
煌影/昏星 | 射撃 | 〈射撃〉 | 0 | 24(28) | 0 | 視界 | 《光の銃》で作成。 かつて使っていた"ラピッドファイア"と違い、二丁拳銃である。 |
一般アイテム | 常備化 | 経験点 | 種別 | 技能 | 解説 |
---|---|---|---|---|---|
サイドリール | 15 | その他 | 自身がエフェクトを組み合わせて行う「種別:射撃」の武器による攻撃の達成値+3、ダメージ+1D。"リーサルシャイン""ストレンジフェイズ"と同時取得不可。 | ||
ドーンブリンガー | 20 | 一般 | 《光の銃》で製作する武器の攻撃力を[LV×4+4]に変更。ただし《光の銃》の侵蝕値+2。 | ||
Rエンハンサー | 10 | エンブレム/一般 | 自身の行うエフェクトを組み合わせた攻撃の攻撃力+1D。ただしその侵蝕値合計に+1。 |
経験点計算
能力値 | 技能 | エフェクト | アイテム | メモリー | 使用総計 | 未使用/合計 |
---|---|---|---|---|---|---|
0 | 12 | 145 | 45 | 0 | 202 | 0/202 |
侵蝕率効果表
現在侵蝕率:
容姿・経歴・その他メモ
「くだらない横恋慕……それも同性相手の気持ちであんなことをしでかした最低のクズに、今更彼女の隣にいる資格なんてない。
……ないのに、あいつは……一度は彼を殺したはずのボクのことすら、日常の一部だなんて言ってのけた。
……彼の言葉を裏切る訳には行かない。ボクの身勝手で去ることは許されない。
……けれど、何もかも忘れた彼女のそばで、全てを知ったまま"ニチジョウ"をやるなんて、これほど重い手錠はないよ。それですら、ボクの罪には足りないほどだけど」
────"昏くとも輝く星"星羅かざね、独り夜空を見上げ
超ざっくり言うと
クソ拗らせボクっ娘。非常に面倒くさい女。PLは百合中毒者だが、かざねは自分が好きになったのが同性なことに思い悩んだ挙句爆発して盛大にやらかした。
サンプルセリフ
「……ボクは決して、星に手が届かない。1度きり手を伸ばして、それからずっと……後悔してる。なんて、こんなのもくだらない自己陶酔だ。馬鹿馬鹿しい。」
「ボクだって日常が好きだった。彼女の少し近くで、他愛のない話をして……ボクの想いに気づきもしない彼女を、それでも、恨みたいわけじゃなかった。けれど……それを少し疎んでしまって、自ら全部ぶち壊しにして……あいつに作り直してもらった日常は、こんなに息苦しい。」
「……なんだよ、じっと見て。ボクが本を読んでるのがそんなにおかしい?……え、座り方?スカート?……あっヤバ。…………違うんだよ、制服以外でほぼスカート履かないものだからつい…………いい?キミは何も見なかった、そういうことで」
「……は、ははは!悪いけれど、それは叶わない。もしそれでも望むなら……ボクたちを倒してみせなよ。返り討ちにしてやるからさぁ!(ロストボーイ事件当時、ほぼ虚勢とヤケクソで悪役をやっている)」
「クソ、クソ、クソ、クソ……!ボクは、ボクはどうすれば……どうしたところで、ボクの頭に浮かぶ選択肢じゃ全部失敗だったっていうのか!?なあ…………誰か教えてよ、誰か助けてよ………………なんて、加害者が言えることじゃないよな、はは。……なんで、家で一人きりの時すらこんな予防線張ってるんだろ、ボク。誰からの追及に怯えてるんだろうな……ははは…………」
人物
一人称:ボク
二人称:キミ、おまえ
浦河高校一年生。演劇部所属。そして、FHエージェント。
とは言っても、初めに起こした"ロストボーイ事件"以降はろくに活動していない。というより、"マスターオーベロン"が現地調達した人員なのでその失踪後は宙ぶらりんの地位となり、ただ籍を置いているだけのような状態。
"マスターオーベロン"より与えられた連絡用端末、武器を収納するグレイボックス、そしてその中に収めた"ラピッドファイア"だけが彼女がFHであることを示している。
UGNによる監視は全面的に受け入れており、無抵抗。
かつて起こした事件に対する強い後悔、切札陽翔への恩義と恨みのないまぜになった感情、そして鵬月凪への純粋でありながら屈折した恋心などに苛まれているためどこか虚ろで自罰的、極度の自己嫌悪が人の形を取ったような人物。
自分を無価値で、誰にも顧みられることない「モブ」と例える癖がある。
好きなものは演じることと鵬月凪。嫌いなものは自分と孤独、あと忘れられること。
好物はチョコレート、嫌いな食べ物は生魚。趣味は演劇鑑賞、読書。
容姿
紫の癖っ毛、赤い目。髪は短く、時折毛先をいじる癖がある。
背は少し低め。胸は特段大きくはないが、小さくはない、他が全体的に貧相なので相対的に少し大きめに見えるかも。
制服はスカートだが、私服にはスカートがひとつもない。別に嫌いというわけでもなくもとは何枚か持っていたのだが、恋に悩み悩んだ挙句全部捨ててしまった。
性格
無気力でダウナー、厭世的。自己嫌悪の塊。
元からそういう感じではあったのだが、事件後その傾向が増し、利発ではないが陰気でもないという程度からかなり陰気寄りになった。
社交性が全くないわけではないが、高くはない。卒業後に誰の思い出にも残らないタイプ。
小学校も中学校も卒業と同時にみんなと一気に疎遠になり、続いた縁がない。(ここについては他PCとの関係を詰める段階で変える可能性あり)
家族との関係も冷え切っているためいつも孤独を感じていて、他者とのつながりに飢えている。しかしどうにも不器用なので現状を変えられずにいた。
孤独ゆえか独り言が多く、そのほとんどが自己言及。
自分のことが大嫌いな一方自分のことばかり考えている。
こういった性格はほぼ独りで考え込みすぎたにより構成されたもので、誰にも相談せず、誰にも気づかれず密かに歪んでいった。「いっそのこと酷い目に遭った経験があればこの歪んだ性格に言い訳がつくのに」とも思っている。なお、ロストボーイ事件についてはかざねは加害者であり、むしろ性格が歪み切った末に発生したものであるため性格が歪んだ原因ではない。罪を犯したことで自己嫌悪が加速したのは事実だが。
孤独の原因を自分の中に求めてしまったこと、およびそんな冷たい心に降り注いだ恋がよりによって同性相手であったことから独りで悩み続けていた。
相談相手もおらず、1人で考え込んだ末に自分の恋心を「間違っているけど、捨てられないもの」と定義した。……その想いだけなら、決してただの間違いではなかったはずなのに。
一方で同性への恋という「普通じゃない」特徴に自己陶酔している節もある。星羅かざねは、"自分じゃない誰かを演じる"ことのほかに趣味を持たなかったがゆえに、ずっと何者かになりたかった。同性愛者という"特徴"は、歪にそれを満たした。
誰にも相談しなかったことも、心のどこかでこの特徴を知られたくない、矯正されたくない、という我儘があったのかもしれない。
家庭環境
父、母、そして年の離れた姉との四人暮らし。だが、両親は仕事が忙しくあまり家にいない。
両親としては成人した姉がいるから大丈夫と思ってこの勤務形態を続けているが、当の姉は彼氏の家に入り浸り半同棲状態なのでこっちもほぼ家にいない。つまり実質的にかざねのひとり暮らし。
両親も姉も異性愛者で、同性愛についての考えを持っているかすら不明だったのでかざねにとっては相談相手なりえなかった。
……かざねの方から聞かない限り、そういうことに対する個人の意見など引き出せないような気もするが。しかし、それでも……繋がりが薄くとも家族と呼べる人達に、自分のことを否定されるのが怖かったのだ。
かざねの家族に対する感情
両親
「正直、あんまり……何とも思ってない。小さい頃はそれなりに構ってもらった記憶もあるけど、中学辺りからは……多分お姉ちゃんが成人したのを機に仕事増やしたんだろうね。ボクはまだ学生で、暮らしのことはほぼ親頼りだから文句を言うつもりもないけど……」
姉
「……家にいないのはこの際いい。どうせいたとして頼りになる人じゃないし。けど、たまに彼氏と喧嘩するとクソ酔っ払った状態でうちに帰ってきて大暴れするのやめて欲しい。相手も後処理も全部ボクに丸投げして、ひとしきり暴れたらすっきりして仲直りしに出ていくし……ただ、最初の彼氏とずっと続いてるみたいだし、そういうところだけは少し……羨ましい。ボクも"普通"に、男の子が好きになれたら……ああなれたのかな。…………いや、違うか。所詮ボクは意気地なしの愚図だから、お姉ちゃんみたいにはなれないよね」
戦闘
領域操作を利用した空間移動で瞬時に距離を取り、射撃する戦法を得意とする。
姿を消す瞬間と再出現の瞬間に星が瞬くような光が発生するが、これはサイドリール因子によるもの。
銃からは彼女のレネゲイドに反応して光線が放たれるが、その色は限りなく黒に近い濃紺。光というより闇に見えるそれは、夜の空に似ている。
かざねに銃の心得などもちろんないが、FHからの手ほどきと独学により実用レベルに達している。……ロストボーイ事件以降一度も使っていないが。
なお、銃は非使用時は"グレイボックス"に秘匿している。これは掌サイズの立方体で、かざねはこれを肌身離さず持っている。もちろん使う気などまったくないが、うっかり他人の手に渡ったりすることを恐れているからだ。
事件後は一度もグレイボックスから出していない。また、固有の愛称など当然つけておらず単に銃、あるいは手渡された時に聞いた"ラピッドファイア"とだけ呼んでいる。
星羅かざねは、ごく僅かながら剣による殺陣の心得がある。
にも関わらず、"マスターオーベロン"から与えられる武器に銃を選んだ。
これは、鵬月凪を洗脳し作戦に組み込むことを知っていたから……彼女の横で、彼女から少し習っただけの剣を振るう自信がなかったのかもしれない。
あるいは、あくまで白兵戦闘は凪ひとりで十分と判断し、それを補佐する立場を望んだのかもしれない。
……もしくは、凪を洗脳し手駒とするという、最大の冒涜を行うにも拘らず──「自分の中にある彼女との思い出」である自身の剣術知識は、悪事に使って穢したくなかった、というのも有り得る。
星羅かざねは自己嫌悪に満ちていながら、どこまでも自分本位で相手を見ないという人格的欠陥を抱えているからだ。
コードネーム:輝かざるもの
星羅かざねは、はじめからわかっていた。こんなことは間違っていると。
そして、かざねは自分の悪事がうまくいくと初めから思っていなかった。
だから、こんな後ろ向きなコードネームを名乗ったのだ。
星を名に持ち、サイドリール因子を発現させたにも拘らず星のような輝きと程遠い自分への皮肉でもあったかもしれないし、星のように輝く誰かの影であろうとしたのかもしれない。光が必ず影を落とすなら、せめてそれは無価値な自分に落ちるべきだと感じているのだ。
経歴
平凡な家庭に生まれる。幼少期は、奔放すぎる姉に振り回されながらもこの頃は親も面倒を見ていたのである程度健全に育っていた。
小学校の学芸会で悪党の軍人を演じ、高評価を得たことから演劇にこだわるようになっていく。
気の弱さ故あまりクラスメイトと関われず、そのことをなんとなく親にも言いにくかった。どこに行っても平気で人の輪の中心に行き着く姉と自分を比べては惨めな気持ちになるという悪癖ができた。
そのまま惰性で中学に進学し、そこで出会ってしまった。鵬月凪に。
きっかけは中一の文化祭。やはりクラスにはなじめないながらも、唯一の趣味であり特技と言えた演劇がクラスの出し物に選ばれたので張り切っていた。
得た役は剣士。殺陣の指導役として選ばれた鵬月凪と準備期間中何度も接することになった。
そのうち、だんだんと練習中以外にも彼女を目で追うようになっていく。
彼女は人気者だったから、文化祭という大義名分を失った後はコミュニケーション能力に欠けるかざねはほとんど彼女と話せなかった。
それでも何とはなしに視線を向け続け……それが、恋なんだと気づいた。
初恋。
中学生のかざねの頭に、同性を好きになるという思考はなかった。恋愛は異性間でするものだと、当然に思っていた。
だから、これはおかしいことなんだと思った。父は母と結婚したし、姉は幼馴染の彼氏がいる。誰も、同性とも恋愛が可能なんて言わなかった。
元々卑屈な方だったが、ここで自分を異常者と思いこんだことでそれはさらに加速した。校内でもろくに人と話さなくなり、凪にストーカーめいた視線を送りながらも一人煩悶してばかりだった。
ちょうどその頃姉が成人し、それを機に両親はかざねを姉に任せ仕事を増やした。
一方姉は親がいなくなったのをいいことに彼氏の家に通い詰め、とうとうかざねは家でもひとりぼっちになった。
ひとりでいるとろくなことを考えない。ずっと、大嫌いな自分のことばかりを考えてはより自分を嫌いになる生活を続けていた。
考え続けた末に、私服のスカートを全部捨てた。
一人称をボクにしたのもこの頃。自分を男性と定義しようとしていた。
しかし、一年ほど考え込み……結局かざねは自分は女子である、という認識に落ち着いた。
ようは、一時期自分をトランスだと思い込もうとしていたが実際にはシスジェンダー女性の同性愛者であった、ということ。あんまり掘ると現実の色々にぶち当たりそうなので裏設定程度の認識で。
結局スカートを買い戻すことはなかったし一人称は癖になって戻らなかったが、高校制服のスカートは躊躇いなく着る。なんかごちゃついていて面倒だが、案外そんなもんである。
そんなグチャグチャの思考に溺れているうちに、鵬月凪は交通事故に遭った。
重傷を負い、後遺症で二度と武の道に進めなくなり打ちひしがれる彼女に、かざねは何もできなかった。遠巻きに眺めていたモブに過ぎない自分。文化祭の時の関わりを覚えているかすら怪しい相手。自分が支えようなんて思うことがおこがましいと思っていた。
何をするにも自分なんかが、と思って何もせず、その実ただ臆病なだけのことに言い訳を舗装しただけ。
そのくせ、彼女と同じ高校に入ろうと努力することだけはできた。どうせ同じ高校に入っても話しかけることすらできないくせに。
浦河高校に進学したかざねは、また鵬月凪を遠巻きに眺めストーキングまがいのことをする生活に入った。
傍から見ればただ気持ち悪くて無意味なだけだが、それでもかざねにとってはそれこそが日常だった。それで満足していれば、よかったのに。
ここからロストボーイ事件に至る経緯、また事件中の動向については、PC1やPC3のPLおよびGMと相談しつつ考えていきたい。
個人的には凪ちゃんが事件前から切札くんと仲良かった場合、かざねが凪ちゃんを取られる(お前のものでもなんでもないのに)と思って焦ったところにマスターオーベロンがやってきたパターンを考えています。
事件後、切札陽翔の懇願により(ジャーム化していなかったこともあってか)生存したかざね。
しかし待っていたのはUGNによる監視のもとの生活。あまり鵬月凪に関わると止められるし、何よりも息苦しい。
そして、「せめて盛大に振られて終わりにしたい」という覚悟も含んでいたはずのロストボーイ事件の記憶は全て鵬月凪から消されていた。
残ったのはただ自分がとうとう正真正銘の悪党に成り下がったこと、人を殺したこと、殺したはずの男に救われたこと。
分不相応を求めた報いだと思った。自分の恋はやっぱり間違っていて、だからこんなことになったのだと思った。実際は相手の性別とか関係なく手段と"マスターオーベロン"に乗せられたこと自体が問題なのだが。
それ以降、星羅かざねは一切鵬月凪に関わっていない。クラスメイトとしての最低限の交流はあるし、目で追う癖も治っていないが、同じ中学だったと思えないほどに距離を取っている。
逃げるように演劇に没頭しながら、日常でも何も知らない凪のために「無害なクラスメイトのモブ」を演じる。本音と演技の区別が段々とつかなくなってきて、自我をすり減らしながら……それを誰にも言わず、言えず、言う相手の心当たりすらなく。
罪を償っている気分に浸りながら、何もせず生きている。
本当は死んでしまいたかったが、自分すら日常の一部であり欠かすことはできないと言い張った切札陽翔の顔がよぎり、どうしてもできなかった。
自己嫌悪まみれで、自分本位で、臆病で、恋焦がれて、穢れていて、しかし善良でないわけでもない自意識の怪物。答えはまだ見えない。
フレーバー技能
芸術:演技
星羅かざねは自分が大嫌いだが演技力だけは自信があり、演劇部でもその点は評価されている(平時の陰気さが部全体のノリとあまり合ってないので、演技時以外はちょっと浮いている。)
その根源は小学校の学芸会、「かわいそうなぞう」で軍人を演じた時に高評価を得た成功体験から来ている。
そしてその後孤独に苛まれ自己嫌悪に陥るようになったことで、「自分でないものになれる気がする」とさらにのめり込んでいった。演技をしていない時の自分をモブと呼ぶのもこのあたりから来ている。
得意な役柄は悪役。
ロストボーイ事件でも、言葉の多くは本音だったものの普段思っても言わないことを意図的に言い、過度に自分を悪党に見せようとする演技が働いていた。
今は全てを知ったまま、日常を維持するために「輝かざるもの」が「星羅かざね」を演じているともいえる。
知識:鵬月凪
星羅かざねは、話しかける度胸もないのにずっと鵬月凪のことを見ていた。
まともに会話出来たのは文化祭準備の1ヶ月のみ、それ以後はまるでダメ。
ごくわずかなクラスメイト同士としての交流以上のことは何も出来ずにいた。
だが、一方でずっと見てきたため異様に詳しい。
高校進学以前から読書が好きであることに勘づいていたり、本人が自覚する前から切札陽翔への好意に気づいてしまったり。
帰り道に遠巻きについていったことも複数回あり、単純にストーカーでもある。
余談
実はごく最近、書店で見かけた小説から百合という言葉を知った。
それから少しずつ同性愛という概念の存在に気づきつつあるが、自分の恋は特別であって欲しい欲望ゆえにそのことから目を背けようとしている。
恋が叶うにしろ振られるにしろそこから新しい恋を見つけるにせよ、まずそこに向き合うことが第一歩になるだろう。特別でなくてもいいのだと、無理になろうとせずとも自分は唯一の存在なのだと知ること。
あと、恋心に自分の人生すべてを預け切ってしまわないこと。
それが成った時、このどうしようもない女も少しは前を向ける……のかもしれない。
PLからのコメント
……重くなりすぎましたね。どうしよう。もしPLの皆様やGM的に持て余す重さだったらナーフしますのでお気軽にお問い合わせください。
あとうちよそ絡み関係でも何かありましたらご連絡ください。解釈違いが一番怖い。特に凪ちゃん。
重ね重ね言いますが、あくまでPLは超百合好きです。
かざねの"同性に恋するなんておかしい"はかざねの主観で、実際は全然そんなことないと思うよ。俺は。うん。まあ凪ちゃんは切札くんが好きだし諦めたほうがいいのは事実だけど。
ところでこいつ、この後幸せになれるの……?無理じゃない?
PL自身の性格の中で特にダメなところを煮詰めて、ボクッ娘美少女のガワを被せてギリギリお出しできるマイルドさに収めた怪物、どうにかしてやってください。
イメージソング
PC2:「"日溜まり"へ届かなかった者」
◆推奨ワークス/カヴァー:/カヴァー:FHエージェント または 高校生・不良学生等/高校生
▼シナリオロイス PC①
推奨感情 P:庇護 /N:不安
キミは約三ヶ月前にFHに誘われ、覚醒した高校生だ。
想い人の PC①を狙って起こした事件はクラスメイトの少年に阻まれ、キミの望みはそこで潰えた。
それからはFHとしての活動をするでもなく、これまでと同じ教室で燻り続けている。
キミを倒した少年がジャームに襲われ、「PC①を頼む」と言い残して姿を消したその日までは。
🔻 ガイドライン
・所謂「前作ライバル」ポジションであり、回想シーンではNPCのような立場で敗北ロールプレイが求められる場面があります。
・切札陽翔や PC③、そして記憶を失った PC①に対しては拒否感や隔意があっても問題がありません。
説得に使えるシーンもあるため、ある程度なら協力を拒むこともできます。
・「しばらく前までは普通の高校生だった」という前提で作られているHOのため、FHチルドレンワークスやチルドレンエンブレムの採用は相応の理由付けをお願いします。
(FH専用アイテムの取得については制限を設ける意図はありません)
セッション履歴
No. | 日付 | タイトル | 経験点 | GM | 参加者 |
---|---|---|---|---|---|
フルスクラッチ作成 | 39 | ||||
1 | 2024/04 | 秘黙のフェアラート | 33 | あめふり | 麻婆豆腐そうりぃと(敬称略) |