前述した[蟲毒の儀]において、同輩であったのが、肥後深貴であり、生き残った彼女とはセルリーダーとなる為に別の道を歩みはしたものの、戦友として認識しており、彼女の指揮に合わせて、存分に腕を振るった経験を有している。今でも時折連絡は取っており、戦友として腹を割って話せる仲として他者の中では気安い関係を構築。

　時折勧誘もあるが、祝の目的の為にも今は断っており、時間や場所が合えば食事や娯楽を楽しむ程度の関係性。

　リエゾンロードの一人であり、銀髪の20代後半程の外見の女性。何時も白衣に丸眼鏡、白衣の下にはゴシック調の服でまとめた微笑みを常に浮かべる女性であり、FH内での運営には殆ど口を出さないが、EXレネゲイドや遺産に対して異常な執着を見せる女性であり、その力もFH内でも随一と言える程の実力者。袁家のご令嬢であり、中国での資産家の直系であり、同時に袁家自体が、FHへの資金援助を行う為に、一家の力のあるオーヴァードが当主となると同時に、"蒐集家"の称号を代々継いでいる。

　彼女の目的はEXレネゲイドや遺産の蒐集であり、袁家には元々過剰な蒐集癖を持つ人物が多く輩出され、その飽くなき欲望こそが、リエゾンロードに選ばれる由縁となっている。同時に人工の遺産や人工のEXレネゲイドの作成にも注力しており、あらゆる財宝を求め、その力を独占する事に糸目が無い為、彼女に集まるエージェントやチルドレンはそれに関係した人材ばかりなのだ。

　彼女が率いてるクランには戦闘や略奪を目的とする[戦闘クラン：蚩尤(しゆう)]、遺産やEXレネゲイドの捜索・発見を行う[諜報クラン：饕餮(とうてつ)]を有しており、これらを用いて各地の物品を蒐集させているのだ。

　祝は元々は神職の家の出であり、幼い頃から神社が遊び場であり、慣れ親しんでいた。しかし、神社に保管していた神器は遺産とすら言える程の力を有するEXレネゲイドの物品を有しており、それが[諜報クラン：饕餮]の目に止まる事で、襲撃が発生。その際、保管されていた巨大な木剣へと適合し、それによって強制的にオーヴァードへと覚醒される事で、彼等の蒐集対象となったのだった。

　未だ研究途中ではあるものの、木剣は日本神話における須佐之男命の一側面である木の神である部分が、顕在化し生まれた遺産級のEXレネゲイドとされ、誠仁が元々有していたレネゲイドと混ざり合う形で適合し、膨大な雷の力を有している。膨大な雷は誠仁自身がこの武器を正しく認識していない為に、制御し切れてはおらず、最大出力による力を放つと、身を危険に浸してしまうのは、それが原因と推測されている。

　目的は家族を探す事、諜報クラン：饕餮の来訪時、自身を守ろうとした両親を殺された誠仁であったが、その際、姉である[祝 祭(まつり)]は保管していた蔵の地下に隠れており、FH内での長年の情報収集においても、祝 祭の名前は確認出来ず、消息は不明となっている。何処かに消えた姉を探す為に、FHのネットワークや権限を利用しながら、今でも姉：祭の影を探し求めている。