基本的にはフラットに接するが、琴線に触れた相手とは良く話すようになる。琴線に触れる対象はその対象が「譲れない何か」や「強い感情」を持っている場合が多い。
本人の興味や欲求は専らレネゲイドに注がれており、それはレネゲイドをその身に宿すオーヴァードやジャームにも注がれる。その為か本人の道徳観や倫理観は常人のそれを遥かに下回っている。
「感情や記憶がレネゲイドを活性化させる」という説を下に様々なアプローチを試みる。それは一見すると周りからは社交的に見える。
感情がない訳ではなく、普通に話すのであれば普通に受け答えが返ってくる。
しかし、非オーヴァードや見る価値のないオーヴァードなどは実験材料としか認識出来ない。

元はFHの仕向けたジャームの事件の被害者であり、オーヴァードに覚醒した影響でUGNに保護されていたが隠蔽体質に嫌気が差してFHへ所属する。
元はノイマンピュアだったが、レネゲイドに感染してからその力に取り憑かれ、自らや適当なオーヴァードを実験体に様々な実験を繰り返し続けていたところ体内のレネゲイドウィルスが変異。
ウロボロスシンドロームを発症し、クロスブリードとなった。

悪魔のウィルス『ルイン』を生み出した。
マスタールインというコードネームで呼ばれるようになった代名詞である。
並のオーヴァードであれば吸い込むだけでジャーム化し、ルイン保菌者となった者は空気中にウィルスを撒き散らし、パンデミックが発生する。
しかし耐性を持つ者であればより強くレネゲイドの恩恵を受ける事が可能となり、実際にDr.ルイン本人も自身に使用している(ウロボロスシンドローム発症のキッカケ)。
この功績によって数多の死傷者と強力なオーヴァードを生み出し、UGNへ大打撃を与えた為セルリーダーとして認められる事となった。
現在ルインウィルスは中東で流行しており、ジャーム達への対応にUGNは非常に苦しんでいる。
その上、ルインウィルスを適量投与したジャーム達を兵器として運用し定期的に投下している為、戦火は広がり続けている。

彼女の能力の真髄は『ウィルス』
数多の実験体のレネゲイドやレネゲイドビーイング達の命を磨り潰し、彼女の体内で練り上げられた「他者のレネゲイドウィルスを喰らい、自己増殖しながら周囲の細胞ごと消滅する」レネゲイドウィルスをひとたび打ち込まれたが最後、対象はもがき苦しんで死ぬ事になる。
本来のルインウィルスは此方であり、UGNエージェントを何人も屠って来た劇薬である。
現在も尚改良が進んでおり、完全な抗体を保有しているのはDr.ルインただ1人。

研究用セル『ノーホープ』。名前の由来は運び込まれた実験体が見るも無惨な様になるので、1度足を運び込んだが最後と思われており、他称がいつの間にか正式名称となった。
セルメンバー達は何かの専門職を身に付けていることが多く、それぞれが様々な研究を行う。本来纏まりようがないが、識に対して全員が恐怖と尊敬を抱いている為成り立っている。
識本人がそう言ったセルでのいざこざを嫌う(研究の邪魔になるから)というのもあるが、実際に揉めた2人が「1人」にされた所を全員が見せ付けられたのもある。
表向きは製薬会社『アイズ』という名前であり、悲惨な人体実験の成果で生まれた数世代先の医薬品を提供している。その分割高な為主に政府官僚やVIP達がこぞって買い占めており、本来行き届くべき人達には一切届いていない。
またそれら太客達から『素材』や『備品』を融通してもらうこともある。

“二人羽織(トゥーフェイス)” 堅田 大志(かただ たいし)/桂陽 翼(けいよう つばさ)
シンドローム：キュマイラ/ウロボロス
Dロイス:戦闘用人格(デュアルフェイス) 衝動:吸血
男と女の胴体を持ち、4本腕で顔が左右それぞれ違う怪物じみたオーヴァード。
識がセルを立ち上げた初期メンバーであり、そして識という人間に対しての周囲からの恐怖の象徴でもある。
UGNからは既にジャーム認定が成されており、見つけ次第即刻駆除命令が出ているが埒外の存在故に、今まで相対したエージェントは全て捕縛されたか無惨に引きちぎられている。
言語機能に不具合が出ているが、識は問題なく意思疎通が可能であり、自分達を1つにしてくれた識に感謝と敬意を抱いている。
識本人の見立てでは、互いに同化願望があったのではないかと思っている。
「わたし/俺は、しし識サマに絶taいのののっ忠誠をちかっちかいいます」

彼と彼女は元UGNエージェントかつ恋仲だった。しかし同期が次々と消費されていく現状に耐え切れずFHエージェントとなるも、正義を捨てきれない堅田と非情になり切れない桂陽の肩身は狭くなるばかりであり、等々お払い箱という形でノーホープへと押し込まれる。2人の精神は既に限界を迎えており、どうせ死ぬのなら二人一緒に死にたいと願い、セル内で戦闘騒ぎを起こす(識はこれを揉め事程度にしか認識しておらず、自ら鎮圧後施術した)。
そうして死んだかと思った2人は、永遠に共に居られるようになった。死ぬ時も必ず2人で死ぬ事が出来る。彼と彼女はその瞬間、自らの全てを識へと捧げる事にした。



“貴女の為の怪物(オンリー・フリークス)” 蛇崩 襲(じゃくずれ かさね)
シンドローム：サラマンダー/ブラックドッグ
Dロイス:永遠の炎(エターナルブレイズ) 実験体(ロストナンバー) 雷帝(サンダーロード) 衝動:飢餓
10歳程度の少女。全身に痛々しい改造痕があり、頭部には機械のツノが埋め込まれている。
セル立ち上げ初期の頃、名も知られていない頃に送られて来た死にかけの廃棄品の中の一体。識はその中の一体に目を付け、自ら手塩に掛けて改造した(ソダテタ)。その結果彼女はセルの中で最強の戦闘力を誇る怪物へと進化した。
セルメンバーへの仲間意識、特に同じく異形化したモノへは高く、母である識に対しては無邪気に愛を向けてくる。
識は何故か改造済である彼女を可愛がっており、娘の様に扱っている。
「ふふっ、おかあさん大好き！ね、次は誰を殺してくれば良いの？」

少女は元はFH内の『終焔計画』によって生み出されており、計画の水準を満たさなかった為本命への当て馬にされ、その後死にかけの状態で識の下へ送られた。
彼女はその経歴から誰からも愛される事が無かったが、それ故に愛に餓えており、人一倍敏感だった。
識は施術を行ったが、素体が優れているのを見抜き、そしてその感情の強さも感じ取り、素材としてではなく『個人』として扱い、生きる為の強さを与えた。
少女は間違いなくそれを「愛」と認識し、識も彼女への「愛情」を以て改造を施した。
故に彼女は生まれ変わらせてくれた識を母と慕うのだ。



“金庫番(ガードナー)” 兼通 賢太(かねみち けんた)
シンドローム：ソラリス/オルクス
Dロイス:記憶探索者(メモリダイバー) 衝動:妄想
見た目30代位のスーツ姿の男。後方支援を主に担当し、経理や交渉を得意とする。直接的な戦闘力は無いが、彼や彼の部下が金銭面による万全なサポートを行うことで会社運営は成されている。また、製薬会社アイズの社長に就任しており、遺憾無くその実力を発揮している。
識本人としてはやる気のある者に任せ、さっさと自らの研究に打ち込もうという腹積もりだったのだが、何を勘違いされたのか非常に就労意欲が高い。
「貴女に任されたこの大任、しっかりこなしてみせましょう」

元々は大手商社の営業マンであり、敏腕かつ将来を有望視されていた。しかしUGNが処理しきれなかったジャーム事故にて感染しオーヴァードになってしまい、その時の能力の暴走でUGNから確保対象にされてしまう。何とか逃げ惑って辿り着いた先がFHであったものの、そこでは今までの才能を全く生かせず自らの持つオーヴァードとしての力も十把一絡げ。才能なしと見出され素材として識の下へ送られる。
絶望していたが、実はこの時偶然にも識がこの時自らの代わりに会社を経営出来そうな人間を探しており、素材の中から選ばれたのが彼だった。
だからこそ、今日も彼は識の為に働くのだ。



“司令塔(コマンダー)” ドールヘッド
シンドローム：ブラムストーカー/モルフェウス/ノイマン
Dロイス：錬金術師(アルケミスト) 衝動:嫌悪
自ら実験台になる事を志願し、結果レネゲイドビーイングへと改造される。数百体の「自分自身(クローン)」を抱えている10代の様な見た目の少女。自らが司令塔となり、実働部隊や制圧部隊として行動する。主に識がセルメンバーを外に連れ出す時は彼女のクローン達である事が多い。見た目も統一されており、ガスマスクに大きな白衣を着て全身を隠している。
識としては有用なクローンであるため、今後も改良を重ねて新たなシリーズを作る予定。
「私の全てを、貴女へ捧げます」

元は別のセルのFHエージェントだったが、日々自らより先に死ぬ子供達を見て苦しみ、絶望する程度にはFHへの適性が無く、才能無しと見出されてノーホープへ送られた。当初は自己を嫌悪し続け、実験台として使い潰されようとしていたが、その過程で識に目を付けられた結果「記憶と人格を保持したままレネゲイドビーイングへ改造する」実験に使われ、本人は望み通り使い潰されたがレネゲイドビーイングへと転生した。
望みを叶えてくれたが生き残らせた識に対して何故と問いを掛けた際「自分を許せないのなら、苦しみ続けることだ。生きなければ答えは見つからない」とだけ返され、その後付き従っている。

初対面の時から強い意思を感じ取り、それに惹かれて良く話すようになった。仲良く話す事も多く、談笑なんかもする上に、彼女に頼んで『素材』の融通を頼んだり、また逆に彼女から『兵器』の融通を頼まれた際には快く貸与するほど。