景代結歌を名乗る彼女の正体は、妹の景代初音の肉体に姉の結歌の魂が定着した結果混線した存在。
　実際に五年前にFHの手にかかって死亡したのは姉の結歌だった。
　先にオーヴァードとして力を使いこなしていたのも結歌である。
　たった一人の姉を失った彼女は悲しみのショックでモルフェウスシンドロームに覚醒。
　現実を拒絶し、レネゲイドの力で姉の錬成を試みたが不完全な形となり失敗してしまう。
　その代償に初音の精神はレネゲイドの侵蝕に耐えきれずに発狂、ジャーム化同然の状態となった上に
　錬成された結歌の魂は入るべき肉体を見失って初音の肉体に定着してしまった。

　初音の肉体に結歌の魂が定着したことにより重度の記憶の混線が発生し、
　初音から見た結歌と結歌から見た初音をうまく区別することができなくなってしまっている。
　結果として一連の事件の経緯を彼女は一切記憶していない。

　初音によって錬成された結歌の魂は正確には初音の認識によって"再現"されたレネゲイドビーイングである。
　死亡した本物の景代結歌の魂そのものではない。
　妹の形見を通して降霊を行っていると思い込んでいた結歌だったが、
　実際には結歌の人格を眠らせて、発狂した初音の人格を表層に出しているに過ぎない。

〇景代家と『景代結歌』
　景代家は「景代神社」を代々守り続けていた一族だ。
　独自の体質と技術を駆使した術式を、厳しい修行を経て子孫へと伝えてきた。
　
　修業期間中の後継者は"御神体"が祀られた"開かずの間"のある神殿に独りで住むことが義務付けられ
　家族以外の外界と接触することを禁じられていた。
　景代家の次期継承者、一人娘の景代初音も例外ではない。
　彼女は多感な時期に経験した孤独を乗り越えるため、自分にしか見えないともだちを作り出した。
　時に励まし合いながら日々を過ごしていた初音だったが、
　彼女はある日好奇心から"開かずの間"を開き"御神体"を直接目にしてしまう。
　
　『大切な双子の姉』がそこにいた。
　
　景代神社に祀られていた"御神体"とは、"模倣"または"複写"の能力を持つEXレネゲイドだったのだ。
　遠い昔に地球に飛来した外宇宙存在を"開かずの間"に閉じ込めて以降、
　そのレネゲイドウィルスの影響を受けてオーヴァードとして覚醒したものが一族に伝わる力の正体だった。
　
　"開かずの間"が開かれたとき、数百年ぶりに出会った人間である初音の姿を"模倣"したソレは
　初音の中で具体化された設定に沿って『大切な双子の姉、景代結歌』となったのだ。
　
　結歌は初音の思考を観察し、彼女の願望を模倣して存在し続けた。
　それは外から見れば歪な関係であったかもしれないが、幸せな生活だった。
　
　しかしある出来事から結歌の存在が外部に露見してしまったことで、その特殊性に目を付けたFHによって襲撃されてしまう。
　景代一家は全滅。結歌もその時に殺害され、捕獲された。
　
　"模倣"を重ねていただけの彼女が何を思っていたか、知る者はいない。
　それは初音によって"再現"されただけの現在の結歌も例外ではないのだ。

ジェメッリ・フィーネ
種別：射撃　技能：<射撃>
命中：0　攻撃力：5
ガード値：0　射程：20m
必要経験点：0
REC：景代結歌
●説明
　"景代結歌"が遺したEXレネゲイドであり、かつて"ミカガミサマ"の御神体として祀られていたもの。
　景代家のレネゲイドに反応し、その姿を自在に変える特性を持つ。
　銃器に変更した場合は射出した弾丸まである程度任意にコントロールすることが可能となる。
　元来の特性である"模倣"能力が残されており、一度使用した能力を再現させることができる。

●効果
通常効果：
・この武器を使用した<射撃>判定のダイスを+2個する。
・この武器を使用した攻撃は同じエンゲージにいるキャラクターに対して行えない武器やエフェクトを使用していたとしても、同じエンゲージにいるキャラクターへ攻撃を行うことができる。
強化効果：
・この武器を使用したメインプロセスの終了時に使用できる。
　あなたが取得している《砂の加護》のそのラウンドの使用回数を+1する。
　ただし、HPを1D点失う。



ジェメッリ・ダカーポ
種別：その他　必要経験点：0
REC：景代初音
●説明
　景代初音が遺した魂の残滓。
　竜宮島で結歌に共に戦った初音の魂は、今も滅ぶことなくここにある。
　景代姉妹は独りには決してならない。
　奇跡は一度ならず、二度起こす。

●効果
通常効果：
あなたが取得している《怨念の呪石》の効果を以下のように変更する。
「セットアッププロセスに使用する。
　あなたはバッドステータスの暴走を受ける。
　そのシーンの間、暴走を受けている限りあなたが行う攻撃のダメージに+2Dする。
　既に暴走を受けている場合、あなたが行う攻撃のダメージにさらに+2Dする。
　この効果を使用したセットアッププロセスの終了時に、あなたの侵蝕率が5点上昇する。
　1シーンに1回まで使用できる。」
強化効果：
あなたがバッドステータスの暴走を受けている間、いつでも使用できる。
あなたが取得しているエフェクトひとつの使用回数を+1する。
1シナリオに1回まで使用できる。


キャンペーンEロイス
《輪廻の蛇毒（アルマ・レガトゥス）》
"輪廻の獣"によるレネゲイド毒に感染させられた。
この毒は感染者の求めに応じて力をもたらすが、その力は感染者自身を蝕んでいく。
感染者が死亡またはジャーム化した場合、その存在は新たな"輪廻の獣"へと変性してしまう。

各PCは任意のランクを設定し、そのランク以下の効果を得ることができる。
ランクはシナリオ中いつでも上げることができるが、一度上げたランクはキャンペーン中二度と下げることはできない。
このEロイスはバックトラックと経験点の計算の際、ひとつにつき2個分のEロイスとして計算する。

ランク0.（初期状態）
　効果なし

ランク1.
　・【肉体】【感覚】【精神】の能力値を+1する
　・基本侵蝕率を+5する

ランク2.
　・【肉体】【感覚】【精神】の能力値を+2する
　・自分の取得しているシンドローム以外のシンドロームから「制限:-」のエフェクトをひとつ選び、1レベルで取得する。これには経験点は必要ない。
　　ただし、エネミーエフェクトおよび「タイミング：常時」のエフェクトは取得できない。この効果で取得したエフェクトの侵蝕値を+1する。
　　また、このエフェクトは《原初の●》で取得したウロボロスシンドロームのエフェクトとして扱う。
　・基本侵蝕率を+10する