現実世界での年齢は15。
普段着はスーツ、物心ついた頃にはUGNにチルドレンとして所属していた。
感情なんて戦場じゃ必要ない、むしろ鈍らせるものだから捨てろと言われてきたせいか無表情がデフォ。
楽しいとか言葉でしか知らなかったけど、｢恐怖｣だけは良く知っていた。

実の親は知らなくて育ての親と呼べる人は教官だったし、ましてや兄弟なんて。同期や先輩はそれなりにいたけれど。
だから“普通”を知ってるイリーガル達やエージェント達の言う｢家族｣や｢兄弟｣｢友達｣ってものに憧れてた。

｢家族｣ってどんなものだろう。｢兄弟｣ってどんなものだろう。｢友達｣って？彼らが大切にしているものだからきっと素敵なものに違いない。

“普通”というものがあると知ってから何故だか胸の辺りがぽっかりと空いたような気がしている。
この感情は一体何なのだろう。
寂しいという感情とは知らずにいた時にコードネームではなく｢夏鈴｣という名前をつけてくれた先輩がいた。

それは単なる遊びだったけど不思議と満たされた。
それから擬似だけど兄と妹として仲良くしていた。
が、間もなく｢兄｣と慕っていた人は任務に行ったまま帰ってこなかった。

再びぽっかりと空いたような感覚。そこを狙われてしまった。

月虹町での姿は知りたかったもの全部を知って手に入れたらという願望が反映されたもの。