ゆとシートⅡ for DX3rd - ゆと工公式鯖

神威 慈 - ゆとシートⅡ for DX3rd - ゆと工公式鯖

和光同塵(ピースフル・ホープ)神威 慈(カムイ チカ)

プレイヤー:シロ

あの……無理だけは、しないでくださいね……」

年齢
16
性別
星座
乙女座
身長
153
体重
45
血液型
O型
ワークス
UGNチルドレンA
カヴァー
高校生
ブリード
クロスブリード
シンドローム
オルクス
ソラリス
HP最大値
24
常備化ポイント
10
財産ポイント
10
行動値
4
戦闘移動
9
全力移動
18

経験点

消費
+70
未使用
0
フルスクラッチ作成

ライフパス

出自 神威の血脈。
名家の生まれ
経験 幼い頃に家にやって来た子猫を安楽死させるために初めて力を行使した。
トラウマ
邂逅 神威寺院を訪れた不思議な少女。
友人
覚醒 侵蝕値
生誕 17
衝動 侵蝕値
恐怖 17
侵蝕率基本値34

能力値

肉体1 感覚1 精神2 社会5
シンドローム0+0 シンドローム1+0 シンドローム1+1 シンドローム2+3
ワークス1 ワークス ワークス ワークス
成長0 成長 成長 成長
その他修正 その他修正 その他修正 その他修正
白兵2 射撃 RC1 交渉
回避1 知覚 意志 調達
情報:UGN1

ロイス

関係 名前 感情(Posi/Nega) 属性 状態
Dロイス 起源種 神威の血脈
友人 トリス 友情 恐怖 UGNに招いてくれた仲間(自PC兼NPC)
同僚 チャリム 友情 不安 UGNの先輩。謎の着ぐるみ。(PL:Rita)
同僚 クライム・ウェヌス 誠意 恐怖 「しゅ、宗教の話は分からないので……」
同僚 空閑 京次郎 信頼 恐怖 「任務中、お世話になりっぱなしですみません……」
お友達 初世雪歩 友情 不安 「新しいお友達です。少し雰囲気がトリスちゃんに似てる気が……。とっても優しい子です」
同僚 帯鉤 不遣 尊敬 不安 「本部エージェントとのことなので、真面目で厳しい方と身構えてしまいましたが、優しく面倒見のいい素敵な人でした。戦いの中でも頼りになりますし、とても尊敬できる方です」

エフェクト

種別名称LVタイミング技能難易度対象射程侵蝕値制限
リザレクト 1 オートアクション 自動成功 自身 至近 効果参照
(Lv)D点HP回復、侵蝕値上昇
ワーディング 1 オートアクション 自動成功 シーン 視界 0
非オーヴァードをエキストラ化
妖精の手 2 オートアクション 自動成功 単体 視界 4
1シナリオLv回。判定中1回。ダイスの値を10に変更。判定中ならどこでも適用化。クリティカルになるので振り足しが発生。
タブレット 2 オートアクション 自動成功 自身 至近 2
自身がソラリスのエフェクトを使用する直前に使用。そのエフェクトの射程を「射程:視界」に変更する。組合わせて使用している場合は、その全てを変更する。1シーンLV回。
アクセル 2 セットアッププロセス 自動成功 単体 視界 1
ラウンド中、行動値を+【LV*2】
要の陣形(MAX) 3 メジャーアクション シンドローム 自動成功 3体 3
1シナリオLv回。対象を3体に変更する。
癒しの水 2 メジャーアクション 〈RC〉 自動成功 視界 2
対象のHPを【LvD+精神】回復
導きの華 4 メジャーアクション <RC><交渉> 自動成功 単体 視界 4
対象が次に行うメジャーアクションの達成値をLv*2。購入判定には使用不可。
戦乙女の導き(MAX) 3 メジャーアクション 〈RC〉 自動成功 単体 至近 2
対象が次に行うメジャーアクションのダイスを+LV個。それが攻撃の場合、攻撃力を+5。
狂戦士(MAX) 3 メジャーアクション 〈RC〉 自動成功 単体 視界 5 80%
対象が次に行う判定のC値を-1(下限6)し、ダイスを【LV*2】D追加。
オーバードーズ 1 メジャーアクション
リアクション
シンドローム 4 100%
1シナリオLv回。このエフェクトと組み合わせたエフェクト全てのレベルを+2する。
ポイズンフォッグ 0
力の霊水(MAX) 0
光り射す場所(MAX) 0 メジャーアクション RC/交渉 自動成功 単体 視界 2 リミット
導きの華と組合せ。次の判定の達成値を+5。
夢の雫(HR) 0 オートアクション 自動成功 単体 視界 3 リミット
1ラウンド1回。対象の判定直後にその判定の達成値を+【Lv*2】する。
ウインドライダー(カッティングエッジ)

コンボ

アクセル

組み合わせ
タイミング
セットアッププロセス
技能
難易度
自動成功
対象
単体
射程
視界
侵蝕値
1
条件
ダイス
C値
達成値修正
攻撃力

侵蝕率管理用

妖精の手

組み合わせ
タイミング
オートアクション
技能
難易度
自動成功
対象
単体
射程
視界
侵蝕値
4
条件
ダイス
C値
達成値修正
攻撃力

侵蝕率管理用

一念三千(いちねんさんぜん)

組み合わせ
(要の陣形癒しの水タブレット)導きの華戦乙女の導き
タイミング
メジャーアクション
技能
難易度
対象
射程
侵蝕値
6
条件
ダイス
C値
達成値修正
攻撃力
80未満
3
8
5
80~
4
10
5
100~
5
12
5
150~
6
14
5
200~
7
16
5

ダイスを振らずに使用可能 (カッコ内:2+3+2)
タブレット使用で射程を視界に変更。
ダイス数と判定固定値を増加させ、おまけで攻撃力を+5。。
増加するダイスの数と固定値は右に記載。

冥加(みょうが)

組み合わせ
(要の陣形癒しの水タブレット)導きの華戦乙女の導き狂戦士
タイミング
メジャーアクション
技能
難易度
対象
射程
侵蝕値
11
条件
ダイス
C値
達成値修正
攻撃力
80~
12
-1
10
5
100~
15
-1
12
5
150~
18
-1
14
5
200~
21
-1
16
5

一念三千に狂戦士を追加(カッコ内:2+3+2)

和光同塵(わこうどうじん)

組み合わせ
(要の陣形癒しの水タブレット)導きの華戦乙女の導き狂戦士オーバードーズ
タイミング
メジャーアクション
技能
難易度
対象
射程
侵蝕値
15
条件
ダイス
C値
達成値修正
攻撃力
100~
21
-1
16
5
150~
24
-1
18
5
200~
27
-1
20
5

全部乗せ(カッコ内:2+3+2)
侵蝕率を加味しても4回までが限界

経験点計算

能力値 技能 エフェクト アイテム メモリー 使用総計 未使用/合計
0 0 200 0 0 200 0/200
侵蝕率効果表

現在侵蝕率:

容姿・経歴・その他メモ

履歴

幼少期のトラウマ


――神威家は代々(かんなぎ)の家系である。
――その力は人々を御仏(みほとけ)の元へ導くためのものである。
我が家では幼少期からこの話を刷り込まれるように聞かされ続ける。
仏教の教え……に近いものなのだろうけれど、正直なところ私は宗教のお話は近寄りがたくて苦手だ。

このカも『間連った使い方をしてはいけない』とだけ両親から教えられてきたけれど、
正直私はこの力が悲しいものだという思い出しがないのが現実で、進んで使う気にはなれない。
まるで心に刺さった棘がいつまでも抜けずに残っているような感覚だ。

幼い頃、物心ついた時には既に私の中に力は宿っていた。
そして、その力の使い方も何となくだが日常の中で分かり始めていた。
何故なら、同じ力を持つ私には、巫のやっていることが見えてしまっていたから。

先代、おじいちゃんとおばあちゃんの代ではおじいちゃんが、
私の両親が務める当代ではお母さんがこの巫の力を操っていた。

―― 一言で言ってしまえば、神威の異能は人を安楽死をせるために使われているものだ。

死期が近い寝たきりとなってしまった人、今の幸せな状態でボケずに眠るように旅立ちたい人、
そう言った老人たちが神威の力を借りにやってくる。

私のことを可愛がってくれた近所のおじいちゃんとおばあちゃんも、
『十分生きたし寂しい思いをすることなく旅立たせてほしい』と2人で幸せそうに旅立って行った。

――私はこの光景を見るのがとても悲しかった。
――亡くなったおじいちゃんとおばあちゃんを前にして涙が止まらなかった。

(ちか)は優しい子だね。
お母さんも最初はこの力がとても悲しいものだって思っていたけれど、
いつからか役目のためと割り切ってこの力を使うようになってしまった。
でも、本当は慈の反応が正しいの。慈は優しい慈のままでいてね』

泣きじゃくる私にお母さんは優しくそう言ってくれた。

幸いなことに私には兄がいる。
同じようにカを受け継いでいた兄は、
小さい頃から神威の役目は絶やしてはいけない大切なものと理解していた。

そして、目の前の現実を受け入れるだけの器量もあった。
神威の家督は少なくとも当代で途切れることがない。
それだけで私の心はずいぶんと軽くなった。

しかし、私の力は私の人生とは切っても切れない呪いのようなものだ。
それを子供ながらに痛感してから、私はこの能力が嫌いになってしまった。

神威の家には人に慣れた動物が集まってくる。
この力がそうさせているのか分からないが、
神威の人間が動物に懐かれることはあっても、嫌われている姿は見たことがない。

それは私にとっても例外ではなく、同時に、この力にトラウマを持つきっかけを生んでしまうことになった。

その日、いつものように外に出ると、庭に子猫がやってきているのが見えた。
病気になってしまったのか、あるいはどこかで怪我をしてしまったのか、
非常に弱っている様子で今にも死んでしまいそうだった。

可哀そうに思った私は咄嗟に『元気になれ』と思って力を使ってしまった。
それを目撃していたのは兄だった。

『慈、神威の力を治療に使ってはダメだ。これはいじわるで言っているんじゃない。
この子猫は一時的に死ぬのを先延ばしにしているだけで、この子の病気や怪我の苦しみはその間もずっと続くんだ。
――力を使ったからには責任を持たないといけない。
辛いかもしれないけれど、少し様子を見て回復する見込みがないのであれば、慈の手で安らかに旅立たせてあげるんだ』

私は泣きながら首を横に振ることしかできなかった。
確かに力を使った直後は子猫はとても元気になったように見えた。
しかし、すぐにまたぐったりした様子を見せるようになり、
家の中で暖めてあげても苦しそうに呼吸をするだけで目を開けることはしなかった。

両親と兄が悲しそうな顔をしながら見つめる中で、私は泣きながら子猫を旅立たせた。
――ごめんなさい! ごめんなさい! ごめんなさい!
子猫の亡骸を前に、私はただただ泣き叫びながら謝罪の言葉を叫び続けた。
……それ以降、私は力を使っていない。

少女との出会い


それから年月が経ち、私は高校生になった。
神威のお仕事を直接手伝うことは無かったけれど、
休日は寺院のお掃除や巫女さんのお仕事くらいは手伝わせて欲しいと家族にお願いして境内にいることが多い。
そんな経緯もあり、今日も今日とて竹箒片手に落ち葉をかき集めている。
秋も深まり山の景色は紅色に染まってきた。
綺麗な紅葉の景色に目を奪われていると、ふと視界の端に人影が映る。

年は私と同じくらい……もしかしたらもう少し幼いかもしれないが、
1人の女の子がいつの間にか境内にやってきていた。
どこかボーッとした様子で同じように紅葉の景色を眺めている。
紅葉と同じく朱に染まった髪がとてもきれいな女の子だった。
顔立ちを見るに外国人っぽいけれど…………どうしよう。
「め、めいあいへるぷゆ~?」
「…………?
Well,I have a question.
I think, you wear the Japanese traditional clothing.
But,you speak...English?
By any chance, can a foreigner become a miko?」
「わ、えっと、そそそその、あい、きゃんと、すぴーく、いんぐりっしゅ!
あ、あいむじゃぱにーず! お、おーけー?」
――失礼しました。
拙いものではありましたが英語と思しき言語で話しかけられたため、
英語圏の方と判断してしまいました」
「いたって普通の日本人らしい顔だと思うんですけど……え、そもそも普通に日本語喋れるんですか?」
「はい。私は博士に日本国内で不自由なく生活できるよう一頻り日本語の手解きを受けておりますので」
「ハカセ?」
「それでは改めて質問なのですが、こちらでお守りのようなものを販売してはいないでしょうか?」
「えっと……ちなみに欲しいご利益とかを伺っても良いですか?」
「ご利益ですか?
……困惑。私はとりあえずお守りを買ってきて欲しいと博士にお使いを頼まれただけで、
そこまで詳細な情報は受け取っておりません」
「それは……私もちょっと困っちゃいますね……。そのハカセさんに連絡は取れないんですか?」
「通信手段は博士より携帯を義務付けられているため所持しております。
しかし、何もしていないのに気づいたら動かなくなってしまったため連絡を取る術がありません」
そう言ってスマホを取り出し何やら操作をしようとするが、確かに電源が入らない。
――と思いきや、画面に電池切れを示す表示が数秒映し出された。
「あの……それ壊れてるんじゃなくて充電が切れてるだけじゃ……」
――質問です。あなたはこの状態から対象端末を復旧させることが可能なのですか?」
「できるも何も充電ケーブル刺して充電すれば良いだけですよ?」
何というか……今時スマホの扱い方を知らない子が同年代にいるとは驚きだ。
しかしながら、この子をこのまま放っておくのも可哀そうだ。
「ハカセさんに連絡が取れないと解決しないみたいですし、良かったらうちで休んでいきませんか?
使ってるケーブルが同じみたいですから、私の充電器を貸してあげますよ」
――承諾します。どうかよろしくお願い致します」
彼女が恭しく頭を下げたところで、寺院の中から肌がざわつく感覚が空気を伝ってやってきた。
――ああ、まただ。
寺院に向き直り、手を合わせて黙祷を捧げる。
今日もまた、見知った誰かが旅立ってしまった。
その現実に、胸の中の棘が暴れまわる様に胸が苦しくなる。
「ごめんなさい、それじゃいきまわああああああああああ!?」
気持ちを切り替えて少女を案内しようと振り返ると、
先ほどまでとは打って変わり、少女は警戒するように鋭い目で周囲をしきりに見渡していた。
どこにしまえる場所があったのかは分からないが、その手にはいつの間にか竪琴とも取れるような形状をした弓を持っている。
「そ、そそそそんな物騒なものどこから持ってきたの!?」
――回答の優先度を下位に設定。現在その質問には答えられません。
周囲にて能力の使用を認識。臨戦態勢に移行します」

――今、能力の使用って言った……?

「もしかして、あなたは巫の力を感じ取れるんですか?」
――回答。巫とやらの力は存じ上げません
60秒前、オーヴァードによる能力の行使が確認されました。
あなたは速やかにこの場から避難することを推奨致します」
「……きっとそれ、私の家族が力を使ったのを感じ取ったのではないでしょうか?」
――質問です。
この周辺を通る時、時折オーヴァドの微弱なワーディングを感じることがありました。
今感じたのはそれに類するものでしたが、定期的に能力の行使をしているのですか?」
「おーばーど?っていうのとわーでぃんぐ?っていうのはよく分かりませんが、
それがこの寺院がここにある理由ですから……とにかく寺院の中に危険はないと思うので安心してください」

それから10秒ほど少女は警戒を解かなかったが、
納得するだけの何かが見つかったようで警戒を解いてくれた。

――ワーディングの継続的な展開は確認できません。
肯定します。この場所に危険は認められません。
では、ジュウデンキというものをお借りしてもよろしいですか?」

それからスマホの充電ができるまで、この少女と話をしてお互いの自己紹介と簡単な神威寺院の説明をした。
彼女の名前は"トリス"というらしい。
やはり顔立ちの通り外国人だったみたいなので、日本語で意思疎通ができて本当に良かったと思う。
博士さんとも連絡が取れると、どうやら迷子防止のためにお守りにGPSを入れてトリスさんに持たせたかったようだ。
ご利益は何でも良いみたいだったけれど……お守りにGPS?

「それにしても博士さんって名字じゃなくて本当に博士だったんですね」
「……? 博士は博士ですが?」
「あー、うん、そうだね」
「慈、感謝します。今日はとても助かりました。
……よろしければ質問への回答を願います」
「質問?」
「あなたはどうしてオーヴァードの力を使わないのですか?」
「えっと、トリスさんの言うオーヴァードっていうのは私が言う巫の力のことだよね」
「肯定します」
「だったら、私は使わないのではなく使えないんです」
「能力の扱いになれていないのですか?」
「ううん、力の使い方はよく分かってる。
でも、私はこの力に悲しい思い出しか持っていないから、この力は使わないように生きてきた。
私はこの力を使って、使った相手が苦しむところを見たくない。
誰かの笑顔を守るためなら、私はこの力を使わない方が良いんです」
――回答の入力を確認しました。
では、改めてお願いがあります。私にあなたの能力を使用してください」
「え!?」
「神威の歴史をご教示いただき、能力におおよその推測を立てることができました。
心配はご無用です。あなたの力が私を傷つける確率は0%です」
「で、でも……」
「お願いします」
「………………分かりました」
あの時の子猫と違い、相手は健康な人間だ。
確かにトリスさんの言う通り、きっと苦痛を感じるようなことはないだろう。
『体が良くなりますように』と気休め程度の願いを込めつつ、力を使うと彼女は驚きに目を見開いていた。
――驚愕。平時に増して視界がクリアに見えます。
遠方の狙撃可能距離を上方修正、最低でも100mのアウトレンジ拡張を見込めます」
「体は何ともないですか?」
「肯定。むしろ普段より調子が良いです」
「そっか……良かった……」
「慈、あなたに提案があります。
あなたの力を私たちに貸していただけませんか?」
「貸す、というのは?」

私の質問に対し、トリスさんは自身の身の上を話してくれた。
とある組織に追われていること、そんな自分と博士をとある別組織が匿ってくれたこと。
そして、その組織が神威家とは全く異なる力の使い方をするオーヴァードたちから日夜街を守ってくれていること。

「UGNは一枚岩でない点が玉に瑕ですが、この説明で80%全体の的を射ていると補足します。
あなたの力があれば、任務で命を落とすエージェントの割合を一定数減少させることができる。
何より私もあなたのような優しい人間になら安心して背中を預けられます」
――私の力を、誰かを救うために使う……」
そんな世界があるとは露知らず私たちは生きてきた。
私は神威としては落ちこぼれも良いところだろう。
優しい家族に助けられてはいるが、使命から目を背け、今もずっと逃げ続けている。
トリスさんの言葉を聞いた今でも、他人に能力を使うのに心の棘がずきずきと疼く。
でも、神威とは違った方法で誰かを助けられるのなら――
私の力を命を奪うことではなく、救うことに使えるのなら――

――分かりました。
正直、何が何やら分かっていない部分は多いですけど、でも私はここで立ち止まっちゃいけない気がするんです。
神威はこれまでこの地の人々に形はどうであれ救いの手を差し伸べてきました。
私も……神威の人間として、ううん、新しい神威の第一歩としてこの力を使えるようになりたい」

人を苦しみから解放するにも手段は1つだけではないはずだ。
神威は人を旅立たせることで救いをもたらしてきた一族だ。
それは既に死期が近いことを悟った人を相手にしたもの。
今苦しみの渦中にいる人たちには手を差し伸べることができない。
だったら、その役割は、どれだけ怖くても私がやってみたい。
私1人ではできないとしても、同じ境遇の人たちがいるのなら、きっと……。

「承諾に感謝いたします。
それでは、UGNの支部に向かいましょう。それと――

トリスさんは改まってこちらに向き直り、再度口を開いた。

――博士は同じ力を持つ友には名前を明かしても良いと教えてくれました。
慈、あなたには当該個体のコードネームと博士からいただいた名前をお伝えします。
非実在の円卓(フェイルノート) ID code: Tristan(トリスタン)。それが私の本来の名前です」

1つの任務を終えて(鋼鉄の流星通過後エピソード ※ネタバレなく書いたつもりです)

「トリスさん、これ良かったらどうぞ」
「……慈、これは何ですか? 見たところクマを模した置物のようですが」
「この前任務で行ってきた海外のお土産です。
お守りらしいんですけど、クマのぬいぐるみになってたから部屋にも置けると思って」
「これがぬいぐるみというものですか。実物は初めて見ました」
「ぬ、ぬいぐるみも見たことがないんですね……」
トリスさんと交流を持つようになって彼女の身の上を色々と聞かせてもらえるようになり、分かったことがいくつかあった。
まず、彼女はレネゲイドビーイングと呼ばれる人間とは異なる存在であること。
そして、生まれてからまだ間もなく、一般的な知識が乏しいということ。
スマホの充電を知らなかったことも今だったら納得できる。
機械に疎いという話ではなく、そもそも直感的な知識がないのだから仕方がない。
――質問です。慈、任務中に何か心的ストレスを受ける要因がありましたか?」
「……え?」
「あなたは何か悩みがあると水平方向から視線を45度程度下げる癖があります。
これまでの会話の中でもその癖が3度ほど確認できました。
誤りであれば訂正を求めます」
「……いえ、間違ってないですよ。よく見てるんですね」
「博士と慈は私の数少ない心を許せる人物です。
加えて、大切な相手であれば機微を観察し、歩調を合わせる必要があると博士から教えを受けています」
「そうですか……実はその海外での任務でとても重大な選択を迫られたんです。
結局、その時は一緒に行動していたエージェントの方が責を負うような形になってしまって……。
この力を使う時は、やっぱり命に対しての選択を迫られる運命にあるんだなって思ってしまったんです」
「……それは私にも責任があります。
慈をこちらの世界に引き込んでしまったのは私です。
辛い思いをさせてしまったのであれば、それも私の責任です」
「いえ、トリスさんの責任ではないですよ。
私は自分の意思で、この力を誰かを救うために使いたいと考えて、UGNに所属することを決意したのですから。
ただ、その覚悟がまだまだ足りていなかったんだなって。
……トリスさん、私、もっと強くなりたい。
強い力が欲しいんじゃなくて、精神的に、色んな物事を受け止められるように強くなりたいです」
――慈ならきっと強くなれます。
その優しい心はあなたを支える強い芯でもあります。
だからどうか、慈は慈らしく、真っ直ぐ進み続けてください」
――うん、ありがとう!」

温泉旅行?のお土産(UGN慰安旅行記 ~湯けむり温泉郷 編~ ※ネタバレなく書いたつもりです)


「いつもいただいているばかりで申し訳ありません」
「ううん。私が渡したくて買ってきただけだから」

いつものように任務明けにトリスと慈の2人は雑談をしていた。
少し違うのは、神威家にトリスが招かれているという点だろう。
彼女たちの傍らにはG温泉で買ってきたお土産の姿がある。

「これが温泉饅頭、というものですか?」
「お饅頭を食べるのは初めてですか?」
「はい。興味深いです」
「温かいお茶と一緒に食べるのがちょうどいいんですよ」
「では――いただきます」

『パクッ』と饅頭の半分程度を口に含んだトリスは、少し驚いたように目を開き、そっとお茶を手に取って一口啜る。

「これは……とてもおいしいです。このような頭が痺れる甘さは初めてです」
「喜んでもらえて良かったです。それと、これは入浴剤になるので御家に持ち帰って博士さんと使ってください」
「入浴剤……これを浴槽に入れるのですか?」
「はい。私が行ってきた温泉がどのようなものだったのか体験できますよ。本当なら一緒に行きたかったんですけどね……」
――質問です。その温泉に他に行く機会はないのですか?」
「え?」
「行きたいと思えば行動に移せばよいと思います。慰安旅行だけが全てではないでしょう。私も慈とそのような機会を持って、より親睦を深めたい」
――ふふっ、そうですね。じゃあ、次のお休みはどうですか?」
「博士に提案します」

2人の間にはゆったりとした時間が流れていく。
この時間は温泉で過ごしていた時間よりも、さらにまったりしたものとなっていった。

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