・昇華：メトロノームについて
針のテンポを任意に変更させることで、彼女自身の速度を加速、減速させることができる。
ただし、その針が一生のうちに刻む回数は変わらない。
また、加速に伴い密度を増した情報は、彼女の魂（うつわ）を軋ませ、少しづつ壊していく。

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彼女自身にとって、時の流速は変化するものであり、一定のスケールを持たない。
昇華に目覚めて間もない頃、自分の都合の良いように能力を乱用した結果、時間間隔が狂ってしまっている。
周囲からはおっとりした性格に見えているが、実際は世界との帳尻合わせのため、意図的に針のテンポを落として生活していることによる。
（通常時からメトロノームがゆったりしたテンポなのはそのため）

戦闘時などで能力を使用した場合は、これ以上世界とのズレが広がらないよう、帳尻合わせのために使用した時間相応の「虚無（自分の時間を引き伸ばし、何もできない時間）」を過ごしている。
また、後遺症として常に時差ボケのような症状に悩まされている。

主観的時間停止に近い超加速も可能ではあるが、帳尻合わせに無限の「虚無」を過ごす必要があるため、奥の手中の奥の手。やりたくない。
また本人がひ弱なため、肉体的にも精神的にも急激に体力を失う。
ついでに肌も弱いので、屋外だと常人よりも多くの日光に晒されることで肌が焼けて真っ赤になる。

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彼女はかつての能力乱用によって情報のオーバーフローを起こしており、記憶に欠落や混線を起こしている。
そのため、家族や友人の顔や名前の記憶も虫食いになっており、その場の空気で話を合わせている。
次第にそのストレスに耐えられなくなり、人里離れた場所で生活している。

性格自体は穏やかで人付き合いも好きだった。
昔は歌うことが好きだったが、今は昇華の針の音に邪魔されてリズムを取ることが出来なくなり、断念した。
今は「その時、その瞬間」を切り取り、留めておく写真に魅力を感じ、生業としている。

彼女自身のスペックは高くなく、肉体学力精神力どれを取っても中の中〜下。
ただ、一生懸命な努力家だった。

みだりに能力を使えなくなった今、残りの『時間』をどう使うか、如何に使うべきかを考えながら生活している。