Ｎ市の裏通りに居を構える、白髪の占い師。少なくとも３０年以上は住んでいる。
姿形がいつの頃からか変わらないため、方々で気味悪がられて各地を転々としてきた。
Ｎ市に来てＵＧＮからの接触を受けたことで自分の存在がどういった物であるかを知り、
それ以来、他に比べ理解のあるＮ市に住み付いている。
それ故にＵＧＮには恩義を感じており、旗下には入らないものの出来得る限りで協力している状態。

古代種についての知識を得た今では、色々と折り合いを着けて日々を過ごしており、
厭世的ではなく割と積極的に世間に関わっている。
住居こそ裏路地にあるものの表通りを着物で出歩くことに躊躇いはないし、
容姿の割に歳を食った口調も、個性だと直すつもりはない。
事情を知る者から"お婆ちゃん"と呼ばれるのが好きだったりする。

数十年をＮ市で過ごしていれば、時の移り変わりも見えると言うもの。
しかしその中でも"桜の主"はどっしりと構え、花を付けなくなっても未だその姿を示し
自分にも安らぎと、幾何かの寂寥を齎してくれる。
だからこそ、その周囲で厄介事が起きるのであればなんとかしたいと思うし、
要請在らば若者たちと協力して事に当るのも、郁子なるかなと言うものだ。