容姿・経歴・その他メモ

髪

白

瞳

黒

肌

透き通るよう

　享保七年、西暦で言えば1722年だったか。ある下級武士の屋敷、その倉に妙なものが浮いているのを、女中が発見した。
　それは鎧のようだがよく分からない。駆け付けた主人がおそるおそる手を差し出すと、突然一枚の紙が空中に現れる。そこには達筆な字でこう書いてあった。
「拝啓
　私はカガリビ・リョウ。966年後に生まれる、君たちの子孫だ。
　本来なら直接出向くのが筋だろうが、我々の技術にも限界はある。紙面越しの無礼をお許しいただきたい。

　我々は今を――君たちにとっては未来だが――変えるために、過去を覗き込み、日常が決定的に崩壊する特異点を探した。その結果、2030年、およそ308年後にとある事件が起こる。それを機に、天変地異を起こす怪異が国中を跋扈しはじめた。毎日開催される百鬼夜行を想像してくれればいい。このままでは統治は乱れ、国は終わる。
その兵器は2005年に生まれる篝火礼に宛てて開発した逸品だ。彼以外に起動できるものはいないし、彼以外に運命を変えられる人間もいないことが分かっている。
そこで君たちへ依頼をしたい。そこにある決戦兵器と下に落ちている紙を秘匿・保存してほしい。この時間遡行装置は1000年単位でしか遡行ができない。この兵器を2030年時点で篝火礼が保持していなかった場合、僕たちの未来と全く同じ破滅が世を包むだろう。
　篝火礼はモルフェウス/ブラックドッグ/ソラリスのトライブリードだ。そうだな。UGN当たりに戦闘訓練を頼むといい。

　そして重要なデータだが、事件の中心人物は熱と光を操る、篝火礼と親しい人物のはずだ。もしサラマンダー/エンジェルハイロゥの知り合いがいたら、有無を言わせず殺してくれ

　未来を頼んだ」
　
　8年前の2015年、篝火家には2人の子どもがいた。
　兄の篝火礼（かがりび　れい）。
　妹の篝火永遠（かがりび　とわ）。
　2人は仲睦まじく育っていた。兄の礼はオーヴァードとして覚醒しており、モルフェウス/ブラックドッグ/ソラリスと兵器の起動に申し分ない人間だった。永遠は兄を応援しており、礼も使命に燃えていた。妹が覚醒するまでは。
　永遠は予言にあるサラマンダー/エンジェルハイロゥのクロスブリード。殺害対象だ。

　そして2023年。
　篝火礼18歳。もはや中にはなにも残っていない。似合わないスーツで煙草をくわえ、昨日を嘆いて明日を嗤う。
　予言が憎い、UGNが憎い、自分が憎い。戦争も平和もみんなクソ食らえだ。
　それでも彼はUGNに籍を置いている。それは罰か、救いか。
「英雄は九時五時って決めてるんです。ごめんなさい」

セッション履歴