容姿・経歴・その他メモ

彼の世界は狭かった。敷かれたレール、求められる在り方。彼の未来は定められていた。
彼がもう少し大人であれば、現実を知っていれば、飲み込んだうえで自分の在り方を求められる度量があれば。もしくは、ただ無知であったなら。
彼は大人ではなく、荒波に屈する負け犬でもなく、在り方を求める意味も知らなかった。そして、彼は賢しらだった。
だからこそ、彼は選んだ。家に対する反発を。求められることに否を突き付け、自らの道を選び取る。
幸い、彼には素質があったから。その素質こそが、家が求めて彼を定めた原因であったのは皮肉であるが。
彼の反発はいまだに続き、そして彼はまだ、自分の道を知らずにいる。
瀬場素君。彼の家になぞらえた伝説にあやかって名をつけられ、その素質から伝説の彼に成ることを求められた男。




男の道はいまだ無明。伝説の先祖『セバスチャン』の陰は、彼をいまだに覆っていた———

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