容姿・経歴・その他メモ

オレンジ色のショートヘアと機械化された両腕が特徴的な高校生。
記憶のほぼない幼い頃オーヴァード関連の事故に巻き込まれ両親と両腕を喪うもオーヴァードに覚醒し一命を取り留める。
事故後はUGNチルドレン育成施設にて育った。

UGNチルドレンとしての任務中に侵蝕率が急上昇し暴走、ともに任務に当たっていた僚友を取り込んでしまい一時塞ぎ込んでいた時期がある。現在は気持ちの整理ができたのかUGNでの任務、学校生活両方に精力的に活動している。

過去の経験の割には明るく社交的な性格、ちょっと熱くなるのが早かったりはする。UGNチルドレンの後輩達やクラスメイトの面倒もよく見ている。ただ自分自身には自罰的かつ諦観的。
成績は良好な方、ただし水泳だけは見学に留めている。最近は細胞組織学や解剖学の本を読んでいる姿をよく見られている。
趣味は機械いじり、壊れた家電を直したり、義手の強化にも生かされている。なお機械をいじる時は必ず白衣を羽織る。
好物はハンバーガー。食べやすく、包装紙があるから手の汚れも気にしなくていいとのこと。


戦闘スタイルはブラックドッグのシンドロームで強化されたサイバーアームでのステゴロ。
体内電流が活性化するとエグザイルのシンドロームも発現、腕部を伸ばして予想外の一撃を見舞ったりサイバーアームをより凶悪な構造に改造して強襲できるようになる。
なおエグザイルシンドローム発現中に誰かに話しかけるような独り言をしている。



これ以上何かを失わないように、少しでも失ったものを取り戻せるように。
何かを掴み取れるまで彼女は拳を握りしめる。

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当たり前だと気づいた時には思っていた。両親がいないのも。施設で育ったのも。変な能力が使えるのも。両腕が機械なのも。
きっと当たり前のように組織に使われてそのまま死んでいくのだろうと漠然と考えていた。
そんなある日、特に気にしたこともなかったチルドレンの一人から声をかけられる。

「なんだかつまらなさそうな顔してるわね。私、笠音優奈って言うの。あなたの名前を教えて？」
「…光道遊子、そんじゃ。」そう言ってその場を去る。ブラックドッグのエフェクトでさっさとどっかにいこう。
しかし身体が何かに掴まれる。驚いて後ろを振り返れば肩を掴む人の手、規格外に伸びた腕、その遥か後ろで笑う少女。
「ふふ、驚いたみたいね。せっかくなんだしお話しましょ？」
やっかいな奴に目をつけられたなと心の中で呟いた。

半ば強制的に始まったガールズトーク。ずけずけと人の事を聞きにくる彼女に辟易しながらテキトーな返答を返す、そしたら彼女もペラペラ自分の事を聞かれてもいないのに話し出す。どうやら彼女も色々ワケがあって此処にいるようだ、もっともUGNチルドレンは皆そうだろうが。
さんざん喋り散らした彼女は満足げに立ち上がる、やれやれようやく終わりかと思っていたら彼女は満面の笑みでこう告げた。
「私たち、お友達になりましょ？きっと楽しくなるわ！」
とてつもなくやっかいな奴に目をつけられたなと心の中で呟いた。


それから彼女は事あるごとにあたしをついて回った。最初は撒こうとも考えたけどありとあらゆる方法でこちらに寄ってくる彼女に遂に根負けした。鍵をかけて個室に籠っても鍵いらずの歩みで侵入されてはもうどうしようもない。
「やっとお話の続きができるわね！今日はあなたのシンドロームについて教えてちょうだい？」

彼女との会話はいつしか日常の一部になっていった。
「今日のご飯はなにかしらね？あなたは何がいい？」「食べやすければ何でもいいよ。」「ちゃんと食事は楽しまないと勿体ないわよ？そうだ！私が腕もう一本生やしてあなたにあーんしてあげる！」頭にきたのでデコピンをかましてやった。「痛い！」

「あなたはよく義手を改造してるわね、今日はどうするの？」「マジックアームでも仕込んでみようかな。どっかの誰かさんみたいに遠くの標的も狙えるようにね。」「お揃いだなんて嬉しいわ！」

「今回はペアでの任務ですって！勿論私と組むわよね？」「他に組める人も思いつかないし優奈と組むよ。」「そうよね！…って今私のこと名前で呼んでくれた？！もっかい呼んで！？」「呼び方なんて何でもいいでしょ！」

気づいたらこの日常を当たり前に楽しんでいる自分がいた。



“機械腕”と“奇怪腕”のコンビとして任務に参加していたある日、彼女達を惨劇が襲う。
「テロ行為を行ったFH制圧後の後処理か、戦闘でもないなら楽な任務だね。」「そうね…あら、これは何かしら？」
物陰を覗きこんでいた優奈が何かを見つける。彼女のそばに行きそれを見ようと近づいた時カチリと何かが作動する音が確かに聞こえた。反射的に彼女を抱き庇いながら強烈な爆風に吹き飛ばされた。

「イてて…。大丈夫？優奈。」「ええ、私は平気、って遊子あなた酷い怪我よ！」「オーヴァードだしこのくらいすぐ治…」

ドクン。心臓が高鳴る、自分が内側から壊されるような激痛。
まさか。残った意識で彼女に告げる。「優奈…離れて…」

全てを破壊したくなる衝動の中、「困っているお友達をたすけなきゃね」そんな声が聞こえたような気がする。



あれあたしまだ生きてる。目が覚めた時に思ったことはそれだった。すぐに医者がやってくる。優奈は無事だろうか。
「暴走したのにジャーム化せずに戻れるのは奇跡です。ですが…。」「何かあったんですか？」「落ち着いて聞いてください。あなたのご友人の笠音優奈さんは死亡しました…。」

何を言っているんだ。どうせ優奈のことだ、驚かせようとしているだけだろう。すぐに顔を出すに違いない。

しかし手渡されたタグには見覚えのある名前。「残されていた遺留品はこれだけです。恐らく彼女があなたの暴走を最小限に食い止めるために犠牲になったのかと…。」


あたしはたった一人の友人を失った。自分の手で。あたしが殺した。

その後はあんまりよく覚えていない、医者がシンドロームが二つになっているとか言ってた気がするけどどうでもよかった。
退院後すぐに部屋に戻った。もしかしたら全部ウソで優奈が待っているんじゃないか、そんな期待をこめてドアを開ける。
真っ暗な部屋が出迎えてくれた。
抑えていた涙が溢れ出した。


もう何日も一日中部屋の隅でうずくまっている、時々誰かが置いていった食事を少しだけ食べる。こんな役立たずは近いうちに処分されるだろう、そう思っていたし早くそうして欲しかった。そうすれば優奈に会いに行ける。

ちょっと！せっかく人が助けたのに雑に死のうとしないでちょうだい！

幻聴まで聞こえてきた、いよいよ死が近いのかもしれない。

「幻聴なんかじゃないわ！私の話を聞きなさい！」

うるさいなぁ！優奈の声で優奈みたいなこと言わないでよ！

「もう頭にきたわ！さっさと目を覚ましなさい、遊子！」
自分の意志に反して動く腕。ちょっとまて、あたしの腕はそんなに伸びないぞ。しかしどんどん伸びる腕はUターンしてあたしに強烈なデコピンを叩き込んだ。「痛い！」

「ゆ、優奈！？」「そうよ！暴走したあなたに取り込まれたけど意識は残っているしエフェクトだって動かせるわ！」
優奈が生きている、あたしがそうあって欲しいと思い込んでいるだけかも知れないけど今はそれでも良かった。
「元気になったみたいね、じゃあ私は寝るから話したくなったりしたら身体に電気流して起こしなさい。」

こうしちゃいられない、自分に出来ることをやらなければ。急いで部屋を飛び出す。
目下の目標は優奈に身体を用意してやろう。


「困っているお友達をたすけなきゃね！」

履歴

world end juvenile　（2022/06/05）
UGNチルドレンの任務で“リベレーターズ”に潜入する。UGNエージェントの朝霧薫、十応武刃、オリヴィア・オルデとともに“リベレーターズ”リーダー桐生嚆矢の計画を阻止するため協力して任務にあたった。
任務中に出会ったチルドレン、白金明日香に自身の身体の秘密を知られたり自由奔放な他メンバーに若干振り回されてはいたもののミサイル着弾を阻止するのに成功した。

クランブル・デイズ　（2022/06/16）
矢神秀人の追跡調査中にバス爆発事故に遭遇、そこでオーヴァードに覚醒した空木世界を保護した。支部長・朝霧薫の指示の下空木世界の通う高校に転校生として潜入調査にあたった。世界の同級生の綾瀬真花がFHに誘拐されたためこれを追跡、FHのエージェント、春日恭二と矢神秀人と交戦になるもこれを撃破。真花の解放に成功した。

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