代々UGNに仕える名家「仲村家」の娘。物心ついたころには既にオーヴァードに覚醒しており，UGNチルドレンとして幼少期から戦闘の訓練や勉学を叩き込まれた。幼少期の英才教育と彼女自身の才能もあってか、ほかのチルドレンより圧倒的に高い実力を有する。UGN内で行われたオーヴァードの実力試験では他のチルドレンを寄せ付けないどころか並のエージェントでも歯が立たないレベルのスコアをたたき出し，その圧倒的なスコアと実力から「SSS(クラススリーエス)」と呼ばれるようになる。彼女が携えている妖刀「立華」は代々「仲村家」で受け継がれているものであり，この妖刀を扱えるだけの実力と精神があると判断されたときに、これを受け継ぐことで襲名する決まりとなっている。彼女は歴代最年少の10歳で襲名し、この妖刀の所有者となった。しかし、彼女自身は生まれや家のことを特に気にしておらず、あまり深く考えていない。UGNチルドレンとして数々の任務をこなしており、かつてある事件を単身で解決に導いたことからUGN内で一目置かれるようになる。「笹倉和葉の監視役」に任命されたのも彼女の実力を見込んでの判断であり、彼への抑止力の意味合いが強い。

「仲村家」の一子相伝の妖刀で代々「仲村家」の頭領が腰に携える。「仲村ゆり」が「かなで」と呼んで大切にしている彼女の愛刀。かつてこの刀が抜かれた戦場が、暫く経つと白く美しい蓮の花で埋め尽くされたという伝説がある。「仲村ゆり」がこの刀を受け継いたことを境に、彼女が一人のときにのみ謎の白髪の少女が現れるようになる。彼女の正体は妖刀に宿る意志の思念体であり、妖刀の所有者は常に少女を視認することができ、所有者以外の人間は妖刀に触れている間、例外的に少女を視認することができる。それ以外の人間には少女を視認できず、少女の声も聞こえない。「仲村ゆり」は少女と接するうちに彼女を「かなで」と呼び、慕うようになる。

「仲村ゆり」は生まれながら天才であった。幼少期のころから他のチルドレンを寄せ付けないほどの実力があった。また、表社会でも「仲村家」は良家として知られているため、彼女に近づく存在は少なく、友といえる存在がいなかった。それゆえに彼女は常に一人であった。彼女自身はあまり生まれや家のことは気にしておらず、普通の人のように過ごしたかったが、そうは言っても周りの人は気にするものである。彼女が妖刀「立華」を受け継いだのちのある日、彼女がいつも通り一人縁側で黄昏ていると謎の白髪の少女が話しかけてきた。
「何をしているの？」少女は問う。
「別に何も……」彼女は答える。このとき彼女はあまりの孤独さに少しやさぐれていたのかもしれない
「そう」と言い、少女は彼女の隣に腰をかける。
(なにコイツ……)そう思ったがなんとなく拒絶する気にもなれなかったためそのままにしていた。気づけば少女はいなくなっておりその日はそれっきりその少女と会うことはなかった。またある日、彼女が黄昏ていると同じように少女が現れ、同じようなやり取りをする。そんな日を何回か繰り返した。ある日
「あなた誰なの」彼女は少女に問う。数刻の沈黙の後、少女は
「私は……あなたのそばにいる人。いつもあなたを見ていた。あなたが訓練を頑張っていること、あなたが仕事をこなしていること……あなたが他の人とうまくいかなくて一人寂しく黄昏ていたこと。全部見てた……」少女は優しい声で答える。言っていることは不気味であるのに、彼女は不思議と嫌悪感を感じなかった。それどころか少女とはいつも近くで過ごしていたような気がしていた。そして彼女は直感的に察した。
「もしかしてあなた――」彼女は少女に問おうとしたがそれを少女は遮るように
「私は、あなたのことが見てられなくなったただの世話焼き。そしてあなたの友達よ。」少女は彼女にそう答える。
『友達』という言葉が彼女にはとても嬉しく感じ、涙をこぼした。それは彼女が願っても手に入らなかったものだから。少女はそっと彼女を抱き寄せる。その日、彼女はその少女の胸の中で泣いていた。ひとしきり泣いたのち彼女は少女に名前を問う。少女は
「あなたの好きな呼び方でいいわよ」と答える。
彼女は悩んだ末に
「かなで……」と呼んだ。
「いい名前ね」と少女は笑顔で答える。
以来彼女は淀んでいた気がなくなり、元気を取り戻した。そして彼女の携える妖刀を「かなで」と呼ぶようになった。周りの証言によると時折、彼女しかいないはずなのに彼女が誰かと会話する声が聞こえるという。卓越したUGNチルドレンは人間関係やプレッシャーなどから精神的に不安定になりやすいが、彼女の精神が安定しているのは「かなで」という存在がいるためかもしれない。

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