容姿・経歴・その他メモ

「『みしゃさま』って知ってる？幸運の神様なんだって」

「守ってくれるんでしょ？ピンチの時に『みしゃさま』って唱えると」

「数年前屋上から落ちた生徒も、去年学校の前で車に跳ねられた生徒も、咄嗟にみしゃさま！って叫んだら、奇跡みたいに無傷で済んだんだってうちのOBの姉ちゃんが」

「運動部でも、試合前に祠に手を合わせて行くヤツいるんだよねー。なんかパフォーマンス良くなる気がするんだって」

「でも助けて貰ったら、後でお礼しないと祟られるって聞いたｗ」

「マジｗやべーカミサマかもしんないじゃんｗ」



かつて、土地神・精霊神を象徴する物として祀られていた物に、土着信仰のナラティブが概念として宿ったモノ。
しかし、その概念は、長年廃れては形骸化し、似て異なる信仰に塗り替えられてはまた廃れ、勝手な迷信が付けたされてそれがまた本来の意味を失い―――と紆余曲折変遷が繰り返された結果、祠を知る者の認識は「なんか守り神っぽいものらしい」程度までゆるゆるのぐだぐだになっている。
学園の片隅にある小さな祠には黒く塗られた小さな鳥居があり、風雨に摺り切れた石碑には「御社」の文字が辛うじて見て取れる。

人型になれるようになり、うろうろし始めたのは比較的最近のこと。
見える目、聞こえる耳、喋れる口を得て動き回れるようになったことは、未だ物珍しく愉しいらしい。

姿かたちは基本幼い少年。
稀にその存在に気付く生徒もいる模様。

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