やや草臥れた印象の気怠そうな美男。いくつもの任務を的確に処理し、その対応は迅速かつ丁寧。接近戦よりRCを用いた遠距離攻撃を得意とする。名の知れた武闘派のオーヴァードとして通っているが、事務仕事も任されればきっちりこなす。まさに有能、才貌両全の体現、といったところ。しかし本人はあまりそういった評価を受け付けず、むしろ嫌味か、と卑屈になる。良くも悪くも模範的な性質が強く、堅気の者たちを守ろうとする気概や任務に向ける情熱といったものはほぼない。
現在はUGNにエージェントとして所属しているが、かつては敵性組織のFHに与していた。その事実があるためか、大多数の所員からの信頼は得られていない。それもそのはず、FHに所属した理由も、UGNに転身した理由も、いつ覚醒したのかも、彼は何一つして語らないのだから。

冷静沈着、合理的、冷徹。……ではあるのだが、どこか抜けているところがあり、他人の善意に対して極端に鈍感。親切にされると困惑する。
生活力はなく、仕事以外の事柄に対してはポンコツ……もとい、ちょっとうっかりさん。本人に自覚はなく、生暖かい目で見られると気持ち悪がる。人に懐かない野良犬のようなものである。フレデリカのみ例外。
子ども時代から精神性が大して成長していないのは、FH時代に負った精神的苦痛が原因か。

一人称/私（素は僕）
二人称/貴様、お前、（親しい者に対し）アンタ
誰に対しても特に変わらず無愛想でそっけない態度。気を許した者には砕けた口調になるが、その対象はほとんどが元同僚であったFHエージェントである。

黒髪緑眼。
痩せ型で筋肉は薄くついている程度。
余談ではあるが、緑眼(グリーン・アイド)は嫉妬の象徴である。

ありふれた幸せの中にいたと思う。両親は死んだが、優しい兄がいつもそばにいた。
自分はその兄が憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて尊敬していて憎くて憎くて憎くて羨ましくて憎くて憎くて憎くて憎くて
勝ちたかった。この力はそのためのものだった。

力に目醒め、溺れ、殺戮に耽溺し。
もう戻れないと信じて疑わなかった。
それでも手を差し伸べてくれる人はそばにいて。彼女は、所属していたセルの幹部だった。いつも気にかけてくれた。

フレデリカ・サージェントは、憂氷が化け物に堕ちていくのをどうしても容認できなかった。そのために、彼をFHから逃し、UGNに転身させ、自身はイリーガルとしてただ一人で生きていくことを決心した。
憂氷は以降、何か救いじみたものを追い求めて、秩序を守る者として力を振るうようになる。
正義ではない、ただひたすらに自身のために。善い生き方などわからないし、今更善人にはなれないが。少しでも堂々と生きていくために。
「ここでさよならだ、ユウヒ。お前は人間として生きろ」

◉雉子沼 悠火(ユウカ)
兄。憂氷の親代わりであり、いつも優秀で人から好かれ、善性による輝きを放つ模範的人物。何もかもが自身に勝る彼に、憂氷は嫉妬と羨望によって脳を焼かれてしまった。

◉フレデリカ・サージェント
バロールのシンドロームを持つオーヴァード。同じシンドロームを持っていた憂氷に親近感を覚え、良い先達として力の扱い方を教えていた。当初は賛同していたFHの理念に、次第にレネゲイドウイルスに心身を蝕まれていく憂氷を間近で見て、初めて疑いを持つ。憂氷をFHから逃すため共に逃亡し、追手であるFHエージェントたちの死体と共に彼をUGNへと送り出した。現在行方不明。

◉ヴァシリオス・ガウラス
シナリオロイス。憂氷が元々所属していたセルのマスターエージェントであり憂氷は恩義を感じていたが、現在は敵対。憂氷がUGNエージェントとなって以降何度も衝突している。憂氷からの印象としては、「怖い人」「強い人」「すごい人」「殺さねばならない強敵」といったところ。特段恨みなどは抱いていないが、義務感から率先して対峙している。

オセロー、という呼び名は元はFH時代同僚から勝手につけられたあだ名である。元々名乗っていたのはライムウォーの方。フレデリカにつけられたものであり、自身も非常に気に入っていた。しかしすでにオセローとして広く浸透しており、UGNからもオセローと呼ばれていた。せっかくもらった名前を捨てたくはないが、今更訂正も面倒である。そう考えた憂氷はどちらもコードネームとして使うことを決めた。
オセローと呼ばれる、もしくはライムウォーと名乗るオーヴァード。そういった意味で、UGNの資料にはオセロー/ライムウォーと表記されている。
大抵は「ライムウォー」と名乗るので、UGN側エージェントは現在そちらを使う場合が多いが、FH側の者は以前と変わらず「オセロー」と呼ぶ。