0歳 水上家に双子の妹として生まれる。

8歳 旅行先で乗った遊覧船が事故により転覆。水上姉妹を残し両親は他界。
事故により姉妹はオーヴァードに覚醒。

9歳 UGNに引き取られる

14歳 FHの起こしたテロ事件に姉と二人で任務に当たる。任務中、姉ミサキが目の前で死亡。
その際、姉を失ったショックにより暴走したことで長期的なカウンセリングと衝動を抑える訓練を受ける。

双子の姉ミサキは昔から優しくて頭もよく運動神経もいい、絵に書いたような才女だった。
両親も周りの人も、分かりやすく差別すると言うことは無くとも姉の方が評価されるのは当たり前だった。
いっそそれを自慢げにしてこちらを見下して来てくれたら楽だったのに、姉は妹の美景にもずっと優しかった。唯一の妹と言って可愛がった。
美景には、そんな姉が何よりも自慢で、同時に引け目に感じていた。

オーヴァードになっても姉は変わらなかった。むしろ、親をなくした妹を守るためとエージェントとしても優秀な成果を収め、前よりも賞賛される人になった。
「美景ちゃんはお姉ちゃんが守るからね」が口癖だった。

そんな折、テロリストから美景を庇いミサキは亡くなった。
唯一の肉親を失った悲しみと怒りで美景は暴走した。
その時思ってしまった。
「やっといなくなってくれた」と
今までずっと姉に感じていた憧憬と劣等感に“解放”されたことにより心に湧いたその言葉は美景にとって紛れもない本心だった。

あの日以来、美景はずっとメガネをしている。
誰にも本心を悟らせないように、そして姉の死にほんの少しでも解放感を覚えてしまったことでズレてしまった自分の世界を直視しないようにという、願掛けで。