容姿・経歴・その他メモ

　「物質の変化」に特化したオーヴァード。手元にある何かを日用品に変化させ利用出来る。それだけの、戦闘力に乏しいオーヴァード。

　それが殺されなかったのは幸運だったのだろう。牙を剥いた獣を前に、あるいは他の害意を前に。
　自由のない牢獄の中で五感の刺激を始めた。
　視覚――記憶にある風景はすぐに尽きた。聴覚――良い音はどういうものか分からない。触覚――痛みと不快が邪魔をする。嗅覚――少し近い。最後に味覚――ポジティブな変化を理解した。
　試して、試して、自分以外にも試した。会話し、学習した。少しずつ、少しずつ、少しずつ――そうして最後には二人だけが残った。

「明日、何が食べたい？」

　明日という概念が目の前の男に目覚めるのは、それからさらにかかった。



　『ナイ』と名乗る男の相棒。暴力はからきしだがなんだかんだと社交性があり、交渉や作戦を担当している。
　路上生活でも何でも楽しむポジティブさはあるが、現状を打破していい生活を送りたいらしい。
　好きなものは料理。他人にとってそれは料理と認められないかもしれないが、少なくとも二人にとっては料理である。

「目的は大事だ。現状に甘んじてるようじゃここは広い牢獄なんだよ。自由とは心さ」
「御託は俺の方に言ってくれ。君達の無事は保証できない、犬に噛まれる前に遺言でもどう？」

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