幼少期から何でも周りより少しだけ上手かった。
縄跳びや鉄棒だってちょっと練習したらできたし小学生の間は授業を聞いてればテストは大体100点だった。
とは言え神童って程のことが出来た訳でもないし、中学に入ったら良い点数を取るには多少のテスト勉強はしなくちゃってくらいだ。
精々手のかからない子ども程度の優秀さ

親の関心が不出来な弟に向いていたのは少し前まではそれなりに不満に感じていた。

そんなある日の事

学校帰り、その日は教員の研修会だかなんだかでうちの学校は早帰りだった。近所の小学生と下校時間が被るような時間帯だったためクラスメイトも浮き足だっていたのは言うまでもない。
私だってその一人だ、何かしたいことがあったわけではないが仲の良いクラスメイトと談笑しながら帰り別れて……そして少しくらい、自宅方向の路地裏へ入ったところだった。

正面から女の子が歩いてくる、小学校中学年くらいだろうか。黒髪ショートのワンピースを着た女の子。
少し気になる、学校帰りにしては……ランドセルを背負っていない、帰宅して遊びにでているにしては小学校の位置的にちょっと早い気もする……まあそれくらいちょっと走るなりなんなりでどうとでもなるか……

あ、ヤバい見過ぎて目が合っちゃった
慌てて目を逸らした。その直後

「ああ、あなたでしたか」

「え」

急に声をかけられ素っ頓狂な声を上げてしまう。
全然見覚え無かったけど知り合いだっただろうか。
改めてそちらを見れば女の子は立ち止まり私の方をしっかりと見ていた。思わず私の足も止まる。

「お久しぶりですね、————————さん。」

聞いたこともない人の名前で呼ばれる。
見た目より大人びた雰囲気になんで返せばいいか言葉が詰まる。
すると目の前の女の子はほんの一瞬考える素振りをした後

「失礼しました、人違いだったみたいですね。」
「次は思い出した時に会いましょう。」

そんな言葉を発して歩き去っていった。
意味の分からない発言、そしてゆっくりとした足取り、声をかけたいのに、追いかけたいのに身体が動かなかった、息をするのもしばし忘れていたようで苦しくなってきて初めて動けるようになる頃にはあの女の子はどこかへ去ってしまっていた。

しばらく私の思考はあの女の子のことでいっぱいになっていた。
放つ雰囲気、謎の発言、何を切り取っても理解できず、興味を惹かれた。もう一度会いたいと思った。

そしてその頃から夢を見るようになった。
とても変な夢だった。
夢だと存在しない家族や友人が居ることは良くあると思う、でもその夢では自分すら知らない人間だった。
知らない自分が知らない場所で知らない人たちと暮らしていた。夢の中で私はそれに一切違和感は無く動いている。
まるで誰かの記憶をなぞるような夢。

ただ唯一知ってる人もいた、あの女の子だ。
夢に毎回出てくる人物の内一人、夢の中の私にとって大切な人だった。
不思議と言うべきかやはり夢と言うべきかその女の子も私の知っている姿ではなく見た目も年齢も随分と違っていた。でもその人があの女の子だと確信があった。

夢の私は何人かのグループの一人でその女の子と一緒に行動していた。多分護衛のような何かだったんだと思う。夢でも私はそこそこ器用だった。だからそれ以外にも色々していた、人が死ぬような事も沢山。

殺伐としていたけど私はあの女の子や仲間と一緒にいて幸せに感じていた。
仲間は信頼していたし女の子の事は……多分夢の私は崇拝に近い感情だったんだと思う。
ずっと彼女のことを護って行きたい、そう考えていた。


ただ困ったことにこの夢はかなり情景が飛び飛びで分からない事も多かった、イメージするなら動画のスクロールバーを適当なところにしてそこから観て数分後また別の場所にズラすのを繰り返してる感じ
日中は夢のことに想いを馳せたりちょっとまとめてみたりとそんな生活が一週間くらい続いた。
これを理解しきれたらまたあの女の子に会える気がしたからだ。

そして、その日は訪れた。

夢で私は茂みから現れた賊の攻撃から彼女を庇い致命傷を負った。たった一太刀、でも当たりどころが悪かったらしい。力が入らない、幸いなことに賊は仲間たちが対処してくれている。なら大丈夫だ。
息が苦しい、上を向こう、力を振り絞り身体を回転させる。
空が見える、晴れていて透き通ってる、極楽浄土に向かうならいい日かもしれない。

不意に視界に人影が入る
ああ、あなた様に見送って貰えるのならこの上ない幸福だ……

「感謝します、あなたのおかげで賊は無事討たれました。」

畏れ多い言葉だ。
「最……後…の………時まで…護る事…が……出来ず…………無…念……で……」
もう言葉を発することも難しいようだ。
叶う事ならもっとあなたの側に居たかった。

「……そうですか。」

彼女は私の言いたい事を全て汲み取ったかのような笑顔を向け祝詞のようなものを唱える。

温かい

意識がゆっくりと落ちていく、もはや痛みは感じず、視界は真っ暗だ。ただ最後まで残っていた聴覚だけがその言葉を受け取った。

「輪廻転生の後、再び私の元へ来る事を願っていますよ。」



夢から覚める。
その瞬間、私の世界は、昨日と同じはずだった世界は変貌していた。
空はまだ橙色で町に活気はない。
それでも私はすぐに身支度を済ませ外に出る。
今なら逢える、そんな確信と共に。

身体が軽い、走る速度は明らかに人のものじゃなかった、壁を蹴り屋根を跳ねた。
試した事もない行動にできる確信があった。
でもそんな事はどうでもいい。
目覚めた力にも、今までの悩みにも
だから
彼女の元へ向かう。

いつかにすれ違った路地裏、その場所に彼女は居た。

私は彼女の前で立ち止まり膝をついた。
それを見た彼女は口を開いた

「お帰りなさい、来ると思ってましたよ。」
「私の｜計画《プラン》通りです。」

江戸より前のある時代に都築京香の護衛として側に居た人物の一人……の記憶を引き継いだ少女。
やっていた事としては今で言う忍者のそれに近い。
当時はオーヴァードではなかったが死の直前彼女のレネゲイドによって魂を掬い上げられ(厳密には定かではない)その記憶を引き継いだ。
前世の記憶を全て思い出しているわけではないし主人格は海乃夏帆自身のものだが前世の影響を色濃くうけているのも事実。
現在は都築京香の下、学業を行いながらもゼノスエージェントとして活動している。
もっと彼女の側に居たいと思っているが、現世での立場がそうさせないことや既に側近的立場が居る事から叶っていない。悲しい。
UGNなのに都築京香から力を受け取るPC1にはちょっとだけジェラる予定。


余談だがめっちゃ冬生まれ。

一般的な中学1年生に前世の記憶が入り込んでるため若干不安定なところはある。
精神性はチルドレンのそれに近いかもしれない。
前世の記憶や感性で冷静に任務をこなしつつも子どもっぽいところはある。
都築京香に対しては慕い、護るべき存在って感情と昔との姿のギャップとかでちょっと脳破壊されてる。お姉ちゃんになりたい。

ぺんの評価
ミドル火力…B
クライマックス火力…B-
瞬間火力…C
継戦能力…A-
対応能力…A
燃費…B+
探索…S
ミドル戦闘(60%)
シーン(選択):達成期待値32 ダメージ期待値31
単体:達成期待値43 ダメージ期待値47(アンチマテリアルライフル換算)

クライマックス戦闘(100%)
シーン(選択):達成期待値36 ダメージ期待値34
単体:達成期待値57 ダメージ期待値53(アンチマテリアルライフル換算)

≪援護の風≫と≪ウィンドブレス≫で大抵のことをこなせる万能型
武器を買えばそれで戦うし無ければ≪サイレンの魔女≫でまとめて吹っ飛ばす。
火力はそこそこなのでサブアタッカー兼サポーターって感じ
ラウンド中の複数回行動はかなり苦手なのがたまにキズ
技名は漢字表記にドイツ語読み系
車に引きこもって盾持てば多少のガードもできるはず！

※書いたら思ったより最高にキモかったので閲覧注意だしGMもこれはこうして欲しいって要望じゃないからマジで無視してほしい。