■プロフィール

「悲しいけれど、次に生まれ変わる時はきっと
　　　救う価値のあるヒトになれるよう祈っておくね」
　　　　　　―― ジャームに永遠の別れを告げる“山桜桃梅(ユスラウメ)”

名前:サクラ
性別:女 年齢:不明
ブリード:クロスブリード
シンドローム:エンジェルハィロゥ／モルフェウス
ワークス/カヴァー:レネゲイドビーイングB/UGNエージェント
所属:UGN・N市支部
コードネーム:“山桜桃梅(ユスラウメ)”
身長/体重:164cm/-kg

■来歴

●覚醒と記憶

　自我を有したのはいつのことだっただろうか。一体いつから自分はこの研究施設で過ごしてきたのだろうか。
　初めて見た景色は、私を取り囲む白衣の男女4人だった。彼らは私を「No.0428」と呼び、「成功だ」と喜んでいた。「レネゲイドビーイング」「実験」「αトランス(*1)」などと説明を受けたが、あまり覚えていない。様々な物品から、私と同じような存在を生み出し制御する場のようだった。そのために生まれたのだと言われれば、大人しく従う。それ以上の事を考えるような知恵は、当時の私には無かった。
　私が自我を持ってから数日後、施設が破壊された。外部からの襲撃か、それとも内部からの破壊かはわからない。でも、他の実験体の皆が手を引いてくれたから、一緒に逃げ出した。研究者たちが追ってきて、私たちはばらばらになって、一人になっても逃げ続けた。
　いつの間にか山中で倒れていた私は、誰かに助けられていた。それが私にとってのかけがえのない存在、山陰東(やまかげ・あずま)先生との、唐突で運命的な出会いだった。

●山陰東(やまかげ・あずま) 氏

　彼の適切な治療を受け、私の容態はすぐに回復した。それから名前を尋ねられたが答えられなかったのを見て、名付けてくれた。窓の外に見えた遅咲きのユスラウメ(*2)を見て、サクラと呼ぶことにしたそうだ。本来「櫻」という漢字は、サクラではなくユスラウメのことを指す字だったのだそうだ。だから私の名前は櫻と書くのだと教わったが、面倒だと言ったらカタカナでいいと言われた。番号以外の名前を貰っただけで、十分に嬉しかったのだと思う。私はヒトのこと、彼のことを、もっとよく知りたいと思った。
　私は彼の恩に報いるために、UGNで働くことを決めた。それがレネゲイドビーイングとして、ヒトに対し最も貢献できると思ったからだ。時に危険な任務に赴くことに先生はあまり良い顔をしなかったが、私はやめなかった。私が多少傷ついても、先生がきっと治してくれるのだと信じて疑わなかったから。

●戦闘スタイル

　UGNでは前衛を務めている。奇しくも実験として薬物を投与されていたことが、知らず知らずのうちに私を強くしていたのかもしれない。でも、ジャームとはいえ命を傷つけるのは、私には少し難しかった。せめてもの償いの気持ちに、苦しまずに倒れてもらえるように、私は全力で剣を振るい続けるのだ。
　これが正しい行いであるかはまだわからないが、少なくとも今私は、それがヒトのため、東先生のためになっているのだと信じている。

補足

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