容姿・経歴・その他メモ

"幸せな家庭"といって思い浮かぶような、およそそんな生活を送っていた。

しかし、更紗が中学にあがってしばらくした時、突然父親が居なくなってしまった。
消えるような素振りなんてまったく無くて、警察や探偵に調べてもらってもまったく理由は分からなかった。

何となく家にいると一家団欒だった時の記憶が思い浮かんでしまうため、家に居づらくなり、
ほとんど毎日街のたまり場に集まって学校にも行かずに散々な生活を送っていた。

その時期に強烈に覚えてることといえば、何度も問題を起こした自分に対して、とある刑事に頻繁に注意されたことだ。
「うっせんだよ、じじい！」みたいな酷い言葉を浴びせたのは一度ではない。
それでも、その刑事だけは諦めることなく何度も注意してくれた。

その時、その内容を少しでもしっかりと守っていれば、もう少しマシな未来になっていたであろう。
街中で流行していたドラッグ、それを飲まされたと分かったのは全てが終わってからだった。
FHが開発したαトランスというレネゲイド活性剤、その成分がそのドラッグには使われていたのだった。
すぐさまUGNが回収を行ったのだが、被害は決して少ないものではなかった。
自身の異能力に目覚めて茫然自失となってしまっていた時、そのヒーローは現れてくれた。
いつもはどこか頼りなく情けなさそうな表情が真剣な顔になり、震えが止まるまでの間、体を抱きしめて、
何度も背中を撫でて慰めてくれたのだった。

その時、思ったことが二つだけある。
一つは、「あ、この人子供いるんだろうな」ってことと、
もう一つは、「...パパと同じ匂いだ」ってこと。

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