'''生まれてしまったこと、それが僕の罪だ...'''

父は人殺しだ
物心ついた頃から、僕は人殺しの子と呼ばれ続けてきた

母は娼婦だった
母にとって、僕は偶然生まれてしまった忌むべきモノでしかなかった

そして、僕は──


あらゆる可能性を踏み躙った

生い立ち

彼は人殺しの父、娼婦の母の間に生まれた
程なくして父は投獄され、母は借金を返す為に彼をとある組織に売った

組織の名はUGN

気が狂いそうになるほどの実験と投薬を繰り返した
友達になれるはずだった多くの人間に引き金を引いた
そしてついに彼は選ばれた、何百という犠牲の上に

血だまりの中、最後の一人として
そこに立っていた

経歴

数々の戦場に立ち、人を、ジャームを、数えきれないほど殺した
それは彼の罪滅ぼしである

最初こそUGNという組織を恨んでいたが
ファルスハーツという敵対組織や、UGNが今まで守ってきた存在があることを知り
必要悪として己が信じる正義を執行することを決めた

しかし一度たりとも
命を奪うことに悲しみを覚えないことはなかった
彼の脳裏には、死にゆく者の顔がこびりついている

性格

穏やかな笑みを絶やさない少年
物腰も柔らかで、争い事をよしとしない

それは紛れもない彼の本来の性格なのだが
戦場に立てば話は変わる

無表情で一切の容赦なく障害を排除していくその様は
同じ立場である仲間にすら畏怖の感情を与えてしまう
これもまた、同じく彼の本質なのだ

友達は少ない
いないわけではないが

人間関係

春日 恭二

幾度も戦場で命を削りあった宿敵
あいつは僕が倒さなきゃならない、そう決めている

｜酒井 陽平《さかい ようへい》

戦場の僕を見たのに、関係ないと笑い飛ばして
こんな自分に分け隔てなく接してくれる人の一人
同じUGN所属のオーヴァードだ

全幅の信頼を寄せているけど
たまにふと、もしかすると普通に生きていればこんな人がもっといたのかもしれないと思う

彼には一つ借りがある
ジュースを奢ってもらった、とても些細なことだ
でも僕はそれをわざと返していない、これからもきっと返さない
たまに思い出して120円返せって言ってくる彼が面白いから

「返すまで死なないでよ？」
「そっちこそ、返す前に死ぬなよ？」


20歳、男性

｜河合 優《かわい ゆう》

いつもおどおど怯えてばかりなのに、何故か僕の傍にいる
どうしてと尋ねても、はっきりと答えてくれた試しがない
同じUGN所属のオーヴァード

彼女は純粋だ、故にあらゆるものに怯えてしまうんだろう
僕が命をなげうってでも守るべき存在、そのはずだ
失ってしまうのは、怖い……

いつだったか、彼女から指輪を貰った
意図は聞けなかった、それでもこの指輪が僕に力をくれる事だけはわかった

17歳、女性

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