容姿・経歴・その他メモ

概要

　高校二年生。大人びた外見とそっけない態度から人を寄せつけないところがあるが、根はロマンチスト。極度の強がりで、人に弱みを見せず、痛みは堪えるものと認識している。

　誰よりも遅く登校し、誰よりも早く下校。出席日数は常にぎりぎり、テストは補習回避ラインを死守。さぼりの多い不良さんだが、授業態度は良好だったりする。

経歴

　生まれついての感応能力の持ち主。他者の痛みに同調し、分かち合うことで苦痛を和らげることができる。

　幼い頃は能力の制御ができず、広域から無差別に苦痛を受けとっていた。傷を伴わない痛みにもがく娘に、両親はただ懸命だった。方々の医者を訪ね、現代の医学では解決できないと悟り、懸命の故に霊感商法や民間信仰に溺れていった。
　娘のために費やせるものはすべて費やし、自らの人生を壊していく両親に、幼い華はどうすることもできなかった。

　──いや。華だけが、その窮状を打破できた。

　華が感応能力を使いこなせれば、根本的な問題は解決する。しかし幼い子どもには痛みの原因が自身の才覚によるものだという理解はない。
　華に分かるのは自分がすべての元凶であるということだけだ。

　わたしさえいなければ。そんな、安直でありふれた答え。未熟な自責ひとつ握りしめて、鉄のかたまりが行き交う車道に飛び出そうとしたときのこと。

　誰かの手が、ちいさな肩をそっと押しとどめた。強くはないのに、決して抗えないと確信のできる力で。
　「都築京香」と名乗った、怜悧な顔立ちをした女性。出会いの記憶は昨日の出来事のように鮮明なのに、会話の内容だけが朧げに像を崩している。
　確かに憶えているのは、彼女の言葉に頷いたことと……いつか返さなくてはいけない大恩があるということ。

　その日から華は"普通"になった。世間一般でそう称される在り方を、オーヴァードになって初めて手に入れたのだ。
　誰かの痛みは今なお華を苛んでいたが、野放図に広がった受信域を視界に留めるすべは得た。物理的な傷として負担することも、今ならできる。……そして、相手に苦痛を与えることも。

　現在は幼少期に両親が積みあげた借金の返済を手伝うべく、バイトに追われる日々。両親の反対を押しきって、空いた時間のほとんどを労働に費やしている。
　……が、最近はバイト先が潰れたり、店舗の改装工事が始まったりといった事態が立て続けに起き、降ってわいた自由な時間を持て余している。
　

能力

　直接・間接を問わず、自身の受けた傷を暴くことで、それを負わせた相手に苦痛を与える類感呪詛。傷を起点に伝播する憎悪や悲鳴は、物理的な防護や距離を超えて、精神を直に侵す猛毒となる。

セッション履歴