容姿・経歴・その他メモ

1831年、念願叶って二度目のエジプト調査旅行に向かった。この目で遺構を巡り、風化した碑文を食い入るように眺めていた。
現地の人間に連れられて、いまだ調査がされていないという神殿に訪れた。知的好奇心に導かれるがままに最奥に拵えられた石板に目を通す。ヒエラティックで記述されたその文章に、なにか吸い込まれるような神秘を感じ…無意識にそれに触れてしまった。
その神殿での記憶はそこで途切れ、気が付けば私は石板を抱えて砂漠の真ん中に立ち尽くしていた。しばらく歩き、なんとか隊商と遭遇。なんとか人里にたどり着き、国へと帰ることができた…。

私は変わった。あの石板を手にした時から。私は真に魔術の行使者となり、気づいた時には不死の放浪者となり果ててしまった。
それに気づいたとき、私は社会から己を切り離した。自らの死を偽り、ひたすら世界を彷徨い歩いた。黄昏の大戦さえも経て、気づけば私以外の世界は大きな変貌を遂げていた。私と同じ尋常ならざる人々とその原石で既にこの世界は飽和していたのだ。


今、私は極東の島国にこの身を置いている。私見だがこの地は異能が色濃い。識るべき何かが、ここにあると予感している。

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