性格

皮肉屋・ひねくれやの19歳。
優しく活発な陽廻や心の機微に敏い清福に比べて、人付き合いが得意ではない。
人並みの優しさを見せることがあるが、それは彼曰く「人には優しくするもんなんだってよ。陽廻たちがそう言ってうるさいからな」だとか。
世の中のすべての人は価値あるものか否かで二分されると思っている節がある。しかしながら彼は見極める側ではなく、価値のないものではないと示そうとしているところがあり、根底には怯えとトラウマを抱えている。
そのせいで人の心を推し量ることが苦手で、自身の価値観に置いた発言をしてしまい反感を買われることもしばしば。
しかしながら前述のとおり人並みの優しさ、むしろちょっとお人よしな部分もあり、ちぐはぐな部分がある。

過去

両親の生死は不明。
小学校に上がる前、両親とその友人に連れられてとある施設を訪れた。そこでは大人たちが笑顔で接してきて、穹は両親と引き離される。そこから彼は“超能力特殊訓練”と称された様々な人体実験を施されることとなる。
それはFHが人為的に人をオーヴァードに覚醒させる施設だった。
様々な機械につながれ、薬を投入され、体がおかしく意識がおかしくなっていく。
穹が連れてこられて一週間ほど経った後、その施設はUGNにより制圧され、穹はUGNのエージェントに救出された。
このあたりの記憶は穹にはないが、UGNによると保護されたときには既にオーヴァードとして覚醒していたとのこと。

UGNに保護されたのち、神輿島に療養と保護のためやってきて陽廻と清福と共に育つ。記憶の混濁と両親に裏切られた悲しみ、憎しみから人と関わるのを拒絶していたが、徐々に二人と仲良くなっていく。

神輿島の雰囲気や陽廻たち幼馴染との交流等もあって穏やかに育っていたが、中学に入ったぐらいから記憶のフラッシュバックに悩まされることが度々あり、「優しかった両親やその周りの人がひどいことを自分にした」という刷り込みが徐々に心を蝕んでいく。
今優しくしているのも自分を何かに利用しようとしているのではないかという疑心暗鬼に陥り、人とのかかわりが減っていったり、オーヴァードである自分と非オーヴァードの人々との関係の乖離が生まれていく。人を穿った目で見るようになり、徐々に皮肉屋な性格が形成されていった。
自分が利用されない人間にならなければ、という考えに至った結果、島から離れることを決意。誰も自分の知らない土地に行くべく東京の大学を志願し、そちらで勉強した方が早いからなどと理由をつけて高校3年生の夏に上京した。

オーヴァードとして

サラマンダー・ブラム＝ストーカーのクロスブリードだが、発現の仕方が無理やりだったためか心の枷のためかブラム＝ストーカーのエフェクトを一切使えない。それが若干のコンプレックスになっている。UGN神輿島支部の人間はみな知っているが、上京したのち身を寄せていたUGN支部ではサラマンダーのピュアブリードだと偽っていた。
その弱点を補うためにも遺産管理局に接触し、遺産を使用したいと考えていたのも上京する理由の一つだった。
エフェクトの弱体を武器で補う戦法を使う。
しかしながらコンプレックス故かコントロールが未熟な故か、自身の体を削った戦い方をする。
遺産管理局で身体の傷をいやしながら攻撃できる『黒曜石のナイフ』を見つけて使用しているが、所詮付け焼刃。どんどんぼろぼろになっていく穹を見かねて、彼の身を寄せている支部は彼に休暇を出した。

「夏空ほど遠く高く」第一話を終えて

一応ひとまわり成長したのか、現在ブラム＝ストーカーのシンドロームの調整が可能に。まだ自在に使えるというほどではないが、少しずつ自身の血液操作ができるようになっている。
(ブラム＝ストーカーの操作に関しては、暁音にたまに教えてもらっているといいなと思っています。)

療養とは名ばかりで、神輿島支部にてのの先生の書類整理とブラム＝ストーカーのシンドローム調整の修行に明け暮れている。
あと陽廻の勉強の指南もしているが、結構スパルタとのこと。ちなみに理系。

恋人とどうなったか

特に恋人らしくいちゃいちゃしているわけではない。どちらかというと照れて恥ずかしがり、「べつに前と同じでいいだろ」とか言ってくる。そして陽廻が清福に文句を言い、清福から穹へ文句を言われているといい。
一応誕生日プレゼントとかそういうものは気にしているらしく、「何を贈ればいい？」とキャシーや暁音ちゃんに相談している。暁音ちゃんは怒っていい。
個人的に、陽廻は日常の象徴だと思っていて、守るべき存在だと思っている。