容姿・経歴・その他メモ

髪を伸ばし中性的な容姿をした男子高校生。保健委員として保健室に度々姿を見せる。

性同一性障害であり、生物学上の分類は『男性』だが、自身の性自認としては『女性』。
その為『男子生徒』として扱われることと自己認識との乖離に常に悩みを抱いている。特に第二次性徴が始まって以降は体つきがどんどんと男らしくなっていくことを恐怖し、自分の『男らしい部分』に嫌悪を感じているが、その悩みを周囲に打ち明けたことはほとんどない。
“男としておかしくはない”範囲で髪を伸ばし、一人称を『僕』としているのは変わりゆく身体に対するせめてもの抵抗である。

幼少期から可愛らしいものを好むコハズを両親は個性として認め咎めることはしなかったが、それはあくまで『可愛いものが好きな男』として許容されているだけであるとコハズは理解している。
息子として育ててきた子供が、肉体と精神の乖離した女であると知ってなお、両親は自分のことを愛してくれるのか。理解してくれるのか。分からないがゆえに立ち止まり、男になることも女になることもできないまま時よ止まれと希(こいねが)う。
どっちつかず(グレイエリア)に留まれる時間は、残り少ない。

履歴

コハズが悩みを打ち明けた相手は二人。
一人は養護教諭の陸離先生。
体育の授業を休みがちなコハズの悩みを根気強く聞いてくれた恩人。保健室を避難先として使うことや、両親や担任に秘密にすることを了承し、学生生活の避難場所となってくれた最大の理解者でもある。
もう一人は芥恵麗。
普通に生きれない者同士として惹かれたのか、自身が性同一性障害であると明かした唯一の同級生であり友人。

息をするのも苦しい世界で、自分らしく振る舞える数少ない居場所。しかしそれも一週間後には自身の転校によって喪われてしまう。

変わりゆく世界、自分、日常。
不可逆の時間に押し流されながら、明日をどう定めたらいいだろう。

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