ありふれた家庭だったと思う。多少過保護気味な母親に、あまり関与してこない父親。親は会社で少し良い役職に就いてるみたいだが、家庭で仕事はほとんどしないからあまりわからない。幼少期で万能感に溢れ、中学生でこじらせて、卒業する前には落ち着いて。高校でもそこそこの成績を取って、悪くなった時は母に怒られて、周りにある程度の友人に恵まれた……大きな不満もなく、それなりに楽しい人生だった。普通だったらそれが続くはずだった。
　1年もしないほど前のことだ。詳しい前後の記憶は無い、ただ、あの石を触ったからだと思う。結構後からわかったことだが、その時レネゲイドに感染し、オーヴァードとなった。自分の周囲に稲妻が走り、どこからともかく金属が浮かび上がり、その動きを寸分の狂いもなく認識し操ることができる。混乱で頭がどうにかなりそうだった。だが、頭に映る赤い少女がそんな俺を抑えてくれた。だが、確かに記憶に強くあるはずなのに顔がぼやけて鮮明に思い浮かべることができない、そしてその少女が誰なのか、なぜ俺が知っているのかわからない。
　その後、UGNに保護された。何がなんだかわからないが、幼馴染の彼方がいたのが一番驚いた。今まで通り日常が送れることができるというのは安心した。彼方とはオーヴァードという秘密を共有できているようで、元から共にいることも多く、親近感も強くなった。
　石を調べるために、何より赤い少女を調べるためにUGNで働くことにした。後に「ミーアキャット」を名乗るイリーガルが俺に接触してきて、手伝ってやると言われたが、何も判っていない。


　覚醒してから俺の中に、俺以外の何かがいる感覚を覚える。赤い少女とは違う、もっとおぞましい何かだ。まるで赤信号が青に変わる瞬間を狙ってるかのように、俺の外に出ようとしているのがわかる。そいつはUGNの任務で戦う時、一瞬だけ表面を見せる。あいつが、完全に俺を乗っ取った時が、俺がジャームになった時なんだろうか。

　人当たりの良く、明るい性格。多感な時期なので感情的になることがある。大きな夢があるわけでは無いが、正義感があり目の前のことは放っておけないことが多い。

　戦闘時に淡く光る刃を右腕に2本隠し持つ。使用時、刃の1つは右手で持ち、もう一つは二の腕の先に伸びるような状態で装着する。また、左手に縦に三つのランプがついた斧を生成し戦闘で扱う。基本赤く点灯し、攻撃準備時黄色に点灯、攻撃時緑色に点灯する。