人は一体、いつ大人になるべきなのだろう。
思春期が終わり、モラトリアムが終わり、成人年齢を迎えて、それだけで人は大人になれるのだろうか。
自らの無力を知ったとき、自分が最強じゃないと知ったとき、否が応でも人は大人に変わるのだろうか。
多分、違う。
大人にならなければいけないと、そう自覚した日から人は変わってしまうのだ。

天網乃或は怠惰だった、尊大だった、傲慢だった、だがそれでは駄目だと知ってしまった。
頼れる肉親も、仲間も居ない天網乃或は、子供のままで生きられなかった。
一人ぼっちだったのだから、一人で生きていけるだけ、強くなるしかなかったのだ。

嗚呼、無限の可能性を秘めた卵よ。
雛鳥として産声を上げる暇すらなく、卵のまま立ち上がった在り得ざる伽藍洞よ。
どうか、呪いも祝福も捨て去って、彼方の空へと至るといい。

根幹はアズエジェ世界の天網乃或と同じ、ただ根幹以外の全てが違う。
兄貴が最初から居ないので、性格とかクレバーさが大体兄貴と同じ位にまで成長？変質？してしまっている。
血は争えないね！

好きなものはエナジードリンクと喧嘩、刺激的な日々。野球は一緒にする相手が居なかったので、そもそも興味がない。
嫌いなものは特に無いが、平穏な日常を送っている全ての人間がどうしようもなく苦手。

天網乃或は何も失っていないが、それは幸福なことではなく、そもそも失うものが最初から一つもなかっただけだ。

彼女の持つバロールの『魔眼』は独特で、本来は極小の魔眼が無数に身体周辺へと浮かんでいた。
ソレらを頭上へと集約し、エンジェルハィロゥの光によってぼやけさせたのが黒い天使の輪の正体だ。

光の波動を生み出して対象を焼き切る事を得意としており、基本的に範囲と制御に優れるものの、決定力には欠ける。
重力を組み合わせる事により対象の動きを止め、内部から破壊する事も可能だが、こちらは自らの肉体への負荷も大きい。

総じて全体攻撃と支援に特化しており、一人での戦闘は不得意としている。
天網乃或は一人だったが、仲間を■■ことを覚えたのだ。

・有光層：圧断《ジェット：フォティック》
光の波が対象を焼き切る。端的に言えばレーザーカッター……の波。物量攻撃。

・漸深層：侵食《イローション：バシアル》
対象を黒い重力の波が食い潰す。光の熱で外側を、重力の圧で内側を破壊する。

・深海層：方舟《アーク：アビサル》
時の棺。重力によって全てを内部へ閉じ込め、消し去る。受動的な切り札。