とある社家の末裔に双子の姉として生を受ける。姉妹仲良く育ってきたが、10歳の誕生日に交通事故により死別している。
妹との仲は良好だったが、それはそれとして優秀な妹と不出来な自分の差にコンプレックスを感じていた。大好きな占いやおまじないも、「自力じゃ何も出来ない」という自己肯定感の低さの延長線。
ただ、だからといって本人は卑屈に育ったわけではなく、いつか自分にも何か成せるようになれると信じて今を明るく前向きに生きている。それはそれとして、自力がないのも事実なので運試ししてから勝負事には挑むというだけで。

約一年前、趣味のパワースポット巡り中に森で迷子になり、偶然辿り着いた廃神社にて古代種のオーヴァード“ウカノ”と出会う。その際彼女の所持していた遺産に触れたことをキッカケに“起源種”のオーヴァードとして覚醒する。
現在はUGNの保護を受けながら、美希の住んでいるアパートにウカノが居候する形で落ち着いている。…のだが、美希は生活力が皆無である為、傍から見れば美希が居候させてもらっているようにしか見えない。

住江燈(すみのえ･ともる)とは幼馴染であり、当時一番仲が良く、密かに恋心を抱いていた相手でもあった。
けれど、10年前の海難事故で彼はこの世を去った。内に秘めた想いは、結局一度も伝えられることは無かった。
潮風に当たる度に、脳裏を過ぎるものがある。思い出してしまうから、逃げるように中学校進学と同時に綿積町を去った。
だが、それももう終わりにしよう。夏休みを利用して、久々に故郷に帰ることに決めた。ちゃんと彼に「さよなら」を言うために――。