15才
エンハイピュア

冬生の1歳年下の妹で、陽だまりのような少女。
穏やかそうな見た目からたまに見せる快活な笑顔がチャームポイントで、それはあの凄惨な事件を経ても尚喪われることは無かった。勿論無理はしていた。時折兄にだけ弱さを見せることはあったが、しかし『いつも通りの自分で在ること』もまた彼女にとっては救いであり、その無理を察していながらもあまり触れずにいてくれた皆には深く感謝していた。


「日月さんは、お父さんに似てるね。どこがって？えっと…静かだけど、皆のことを見守ってくれてるところとか…？」
「『それだけ』とか言わないでよ～！そういうのはもっとこう…言葉に出来ない感情？的な？…そういうあれなの！」

「カレンちゃんを見てると、元気が出るの。私も頑張るぞ！って。それにね、なんだか妹みたいで可愛くて、ほっとけなくて…あ、カレンちゃんには内緒だよ？」


「お兄ちゃんは、たった一人の家族だから。『お父さん』と『お母さん』を覚えてるのも、もう私とお兄ちゃんだけ。」
「もし生き残ったのが私一人だけだったら、きっとこんな風には笑っていられなかったよ。」
「だから…せめて私は、私だけは、お兄ちゃんを置いていきたくない。ここの生活でそんなことを願うのは、分不相応かもしれないけれど。」
「けれど。たとえそれが不可能に近いことでも、身の丈に合わないことでも…そうであって欲しいって願い続けることは、きっと悪いことではないと思うな。」
「大丈夫だよ。梅の花だって、雪を耐えるほど綺麗に咲くの。そんな未来があるかもしれないなら、厳しい冬だって悪くないとは思わない？」

PC①Rハンドアウトについて

小春を傷つけたのは自分だ。混乱のさなかで起こった事故なんて言い訳だ。それでもカレンや日月さんには、あの時の敵対セルがやったことだと言い張っている。カレンに発見された時に、咄嗟についてしまった最悪の嘘だ。保身のために、「自分が家族を傷つけた」という事実から逃げるためだけに、家族のように想った彼らを欺いて、たった一人の家族に背を向けたのだ。

この事実が露呈したら、彼らはどう思うだろう？軽蔑されるだろうか？罵られるだろうか？いずれにせよ、唯一の居場所すら無くなってしまうだろう。たとえ彼らが受け入れてくれたとしても、自分は自分自身を許せない。

これは贖罪ではない。一番守るべき存在だった小春を蔑ろにした、愚かな自分への罰だ。探し続けなければ。不可能を突きつけられようと、どれだけ可能性を否定されようと＿＿奇跡に縋り続けることこそが、自身が唯一負える最大の罰なのだから。

歳寒松柏
耐雪梅花麗
грешник


軸にしてる言葉が同じなのに正反対な考え方になってしまった兄妹っていいよねっていう話
遺された側は勿論ネガティブ側面に決まっとる