仮にも成人女性の癖に箱入りチルドレン並みに社会経験がなく、言葉の裏を読む能力に欠けている。ちょっと褒めるとすぐ図に乗る。ちょろい。デリカシーとか社会人マナーとかよく分からない。分かれ。

沈黙が苦手なタイプで、無言の状態が続くと適当な質問をして相手に話してもらおうとする。録でもない大人の自覚はあるので自分のことを問われると狼狽するが、嘘を吐く勇気も誤魔化すコミュ力もないので正直に答える羽目になる。

5年に及ぶニート生活の間も「両親に報いることのできるちゃんとした人間でありたい」と言う意識はあったのだが、実行は出来ずにいた。
社会復帰のきっかけであり、人の役に立てる能力をくれた『デラシネ』には感謝の念もないこともないのだが、それはそれとしていくらなんでも宿主への殺意が高過ぎるだろと思っている。

　
資産家ってほどでもないけど娘一人養い続けられるくらいには稼ぎの安定した家庭で、ぬくぬくと「明日から頑張る」を繰り返していたダメ人間。しかし、そんなぬるま湯の日常はある日突然終わりを迎えることになる。

なんか謎の組織の実験とやらでレネビに寄生され、光を浴び続けなければ死ぬ体質になってしまったのだ。
当然引きこもり生活は続行不可能。電気つけっぱで寝ると両親が怪しむので、一念発起したことにして一人暮らしの開始を宣言。両親は泣いて喜んだ。

一人暮らしに向けた買い物の為に街に出た際に、慣れない外出と運動の緊張から無意識に《ワーディング》を行使してしまう。何が起きたのか分からず呆然としていたところをUGNに発見・保護され、レネゲイドに関する説明と操作訓練を受けた。

その後、普通のアルバイトへの挑戦と失敗を経て、UGNでイリーガルとしてアルバイトをすることに。両親は騙されたりしていないかきっちり確認した上で、泣いて喜んだ。

　
１つ目の恩恵は『Ｒ寄生根』。
髪の毛を枝の様に硬化し、穿刺するエグザイル能力。

２つ目の恩恵は『Ｒ葉緑素』。
光をレネゲイドに変換し、蓄積するエンジェルハィロゥ──に近似した、ウロボロス能力。

唯一の代償、それは『暴食』。
周囲のレネゲイドを際限なく喰らい続ける、非常に凶悪なウロボロス能力。
代償は恩恵と違いコントロールできず、絶えず発動し続ける。
与えられた恩恵を用いてレネゲイドを供給し続けなければ、最初の犠牲者は……
最も身近なレネゲイド、即ち宿主の肉体だ。

結果として、宿主は暗闇を忌避する様になる。
生きたまま食べられる事を喜ぶ人間は少ない。
そして、それは超人であっても例外ではない。