容姿・経歴・その他メモ

　UGNドイツ支部から日本支部の霧谷雄吾のもとへ派遣されたエージェント。
　ドイツ支部の怪人・Drワーグナーの手で造られた強化人間群「ズィーリエ・ワルキューレ」の末妹で、遺産「神滅弓ミストルティン」を有する。

　ワルキューレたちは楽劇ニーベルンゲンの指環になぞらえた９人が存在し、ドイツ支部が北欧の遺跡から発掘し改良した９種の遺産に合わせて、各々が適したシンドロームによる調整を施されている。
　一から生み出されたデザインドチルドレンではなく、瀕死の娼婦や孤児などを秘密裏に引き取って改造した、一種の義体。元の人格や記憶はほぼなく、全員がワーグナー博士とUGNに忠誠を誓っている。

　ノインはシリーズ最後期型の最も幼い個体であり、ワーグナー博士によって「優しさと悩む機能」を重視した性格付けがされている。
　しかし優しくも厳しい姉たちに囲まれて育った影響か、はたまた後述する遺産の性質のためか、自己評価がかなり低く、何かにつけて「自分はダメな子」と口にしがち。
　それを見かねた次女のゲルヒルデから叱咤と激励を込めて、父と慕うワーグナー博士からは「広い世界を見てきてほしい」という愛情(並びに、自身の"作品"を他国の支部に見せびらかしたいという科学者的欲求)を込めて、日本へ送り出された。

　趣味は植物の観察とお菓子作りで、無上厨師によっておいしいお菓子が作れる。

　春日恭二との因縁はふた月ほど前、来日したその日に遡る。
　昼食と観光を兼ねて、SPに付き添われ都内の繁華街に立ち寄ったノインは、そこで故郷で見たこともない菓子が立ち並ぶ店(おかしのまちおか)に目を奪われ、SPが目を離した隙に迷子になってしまう。
　さらに間の悪いことに、途方に暮れているうちにFHの末端チンピラたちに絡まれ、周囲を巻き込むまいとする緊張から力を発揮できず、誘拐されかける。
　だがそこへ偶然通りがかった春日恭二－チンピラに正体を隠すため、持っていた仮面でディアボロス仮面に扮した-が悪漢どもを蹴散らし、事なきを得る。
　ノインは名を訪ねるも、自分はただのディアボロス仮面とだけ名乗りそそくさと立ち去った春日恭二。その際彼が落としたハンカチを拾い、いつか再会できることを心待ちにしている。
　なお、春日恭二本人とは今のところ直接対面はしておらず、聞いた情報から神の名において誅すべき悪しきFHだと考えており、憧れのディアボロス仮面様と同一人物だとは毛ほども気づいていない。

・遺産「神滅弓ミストルティン」
　遺跡から発掘された古代の弓を素体に、現代技術で改良を施したクロスボウ。所有者が魔眼で捉えた対象を正確に射貫く。
　さらに重力操作と矢の形状変更によって貫徹力を高めている。
　伝承におけるミストルティンは、ロキが盲目のヘズ神を騙してバルドル神へ投げさせたヤドリギのことで、光の神バルドルを殺したためにラグナロクの遠因のひとつとなった。
　そのためノインはこの遺産と自身は周囲に不幸をもたらすものだと思い込んでいる。

・Dr.ワーグナー
　UGNドイツ支部が誇るマッドサイエンティスト。外見は50代の痩せぎすの男だが、レネゲイドウイルスによって蘇った音楽家リヒャルト・ワーグナー本人だとまことしやかに囁かれる。
　自身の作品を用いて周囲を驚かせることに心血を注ぐ奇人。

・ズィーリエ・ワルキューレ
　上は30～下は12と幅広い年齢層で構成される。
　最も美しく完全なDrの最高傑作と謳われるブリュンヒルデ、多忙な長女に代わり姉妹を取りまとめる次女ゲルヒルデ、二人の姉を取り持つ副官の三女オルトリンデ、朗らかなムードメーカーの四女ヴァルトラウテ、類まれな刀剣への知識と戦闘技術を持つ五女シュヴェルトライテ、姉妹の盾と称される六女ヘルムヴィーゲ、スパイ任務や情報工作を得意とする七女ジークルーネ、機械のごとく正確無比に任務を遂行する八女グリムゲルデ、そして九女のロスヴァイセからなる。

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