RHO情報NハンドアウトPC②
ワークス/カヴァー：UGNエージェント/指定なし
ロイス：半田半蔵(はんだ-はんぞう)　
推奨感情：P信頼/N食傷
かつてキミはうだつの上がらないフリーのオーヴァードだった。しかしあることをきっかけに半田支部長に頼み込み、現在の小佐古支部に拾ってもらうこととなる。
しかし、若いエージェント、チルドレンが占めている支部内では自分は最年長。見るからに浮いた存在であり、やはり心を入れ替えて積極的にバリバリ働くなどというやる気は出てこない。果てに下された任務は子供のお守りときた。
だが、任されたからには最後まで付き合ってやる。それが、キミに最後に残った大人の矜持というやつなのだ。

RハンドアウトPC②
ロイス：PC①　
推奨感情：P指定なし/N嫉妬
公開条件：PC①のRHO公開以降いつでも
1年前の話だ。目の前で子供が悪党にいたぶられている、キミはそれを見過ごせなかった。
その後というものの、何を思ったのかキミは彼の傍にいることに決めた。真実を告げぬまま、誰にも理解されぬまま、評価される彼を見て嫉妬もした。
だが、それ以上に見守ってやろうという気持ちがどうにも湧いてくる。
UGNなんてしみったれた組織に加入したのは、まぎれもなくそいつのせいなのであった。

■”A.R.E.A.” 新江晶(あらえ あきら)
PC①を一年前にいたぶっていた悪党。
ソラリス/モルフェウスのクロスブリード。
毒素成分を含んだインク弾を相手の体内に撃ち込んで、無力化する戦闘スタイルを持つ。

元々は優秀な刑事だった。
刑事を目指し始めたきっかけは物心がつき始めた頃、目の前で両親が殺されたから。
犯人を見ていたのに一切身動きが取れず何をしたらいいかもわからず、犯人は見つからずそのまま。
そんな出来事がトラウマとなり悪夢にうなされることが多かった。
児童養護施設に引き取られ同じく両親を亡くしたという少女に出会った、それが後に妻になる「｜涼花《すずか》」だった。
共に育ち向日葵の花のように笑顔を向ける彼女に好意を抱くのは至極当然のことに思える。
彼女との出会いや年月が経つにつれてトラウマも克服し高校卒業後警察学校へ、幼い頃から身体を鍛え、刑事になることを夢見て切磋琢磨し、正義感の強さや過去に負った傷から警察署内でも頭抜けて優秀な存在であった。
20歳になると同時に彼女へ告白しOKの返事をもらい晴れて恋人同士に、忙しさや時間が合わずなかなか会えることもなくなってしまったが互いに深く愛し合い、励みとして、心の支えとして仕事をしているうちに25歳という若さで第一課の刑事になることができ、同時にプロポーズ。程なくして彼女のお腹に赤ちゃんがいることが発覚。順風満帆だった。

しかし歯車が狂いだしたのもこの時期だった。
仕事はうまくいっていた、夫婦仲だって良いまま出産予定日までもうあと少し...そんな時だった。
幸か不幸かその日は休みで、結婚記念日のプレゼントを買いに妻は友人に任せて外出していた。
うだるような暑い夏の日、出産の予定日よりも早く陣痛が始まり出先で連絡を受けて直ぐに病院へと向かっていた
その途中、事件は起こってしまった。
病院へと向かう道路で数台の車が横転し"化物"、ジャームと化したオーヴァードが暴れていた。
なにが起こっているのかわからずその場に立ち尽くすしかない、その瞬間脳裏には両親が死んだ時の光景がフラッシュバックしていた。そして、気づいてしまった。
横転する車の中に、最愛の妻とその子供が乗っているはずの友人の車があることに。
あの時とは違う、自分は動くことができる。もう、失いたくない、最愛の人を、心の支えを。

蹲っている妻を発見し走っていったその時だった。
化物は妻に向かって鋭い赤い剣のようになった腕を伸ばし今にも振り下ろさんとしていた。
止めてくれ、頼む、どうして、＿＿＿＿＿＿＿ああ、いまこの瞬間時が止まってくれたら。
そう強く願った時、覚醒してしまった。
妻も、友人も、腕が貫いたその瞬間、時が止まった。

間に合わなかった、なにもかも、間に合わなかった。一歩遅かった？
いや、一歩早かったとして妊婦がこんな状況で助かるわけがない。一瞬で移動する術なんてなかったんだから。
胸に抱える後悔と絶望を糧にして制御の方法も知らないオーヴァードとしての力を思う存分使った。
ジャーム化寸前だっただろう、しかしそんな自分を"化物"ではなく"人間"に引き戻したのも最愛の妻だった
微かにまだ息が残っていた彼女はたった一言「愛してる」そう、告げてきた。

また、家族を失った。
新しく幸せな家庭を築いていくはずだったのに。
妻が妊娠してからヘビースモーカーだった自分が禁煙して、一度も吸ってなんていなかったのに。
性別が決まってから、愛情をこめて二人で沢山悩んで名前も決めて、天涯孤独になった自分たちの血が流れる愛の結晶だと喜んだのに。

それからの生活は荒れに荒れた。オーヴァードとして覚醒しUGNの存在を知り説明を受けるも内容は頭に入ってこない。
UGNでその力を使う気になんてなれなかったし何も護る力のない自分が警察にいたって無意味だ。
警察もやめて時折、UGNに協力する程度のフリーのオーヴァードになった。
皮肉にも一歩間に合わなかったというのに得られた力は時を操る能力。ならいっそ時を戻せればいいのに。
酒やギャンブルに溺れるも忙しくて挙げることの叶わなかった結婚式の費用や2人で貯めた育児用の貯金
それなりのお金が残っている為お金に困ることはない。

また、運命の歯車が動き出すのはそれから数年後。

以上の経験からまるでだめなおっさんとなってしまった。
一年前にいたぶられているお嬢ちゃんことPC①を見かけて助ける気なんざなかったのに
ふと生まれることも叶わなかった子供のことが頭をよぎり"今度こそ助けなければ"と思ってしまった。
結果、無事助けることに成功しなんやかんや自分が助けたということもうやむやとなりラッキーじゃーんと思っていたのだが
どうにもあの子が気になって仕方がない、それは親心にも似たなにかなのだろうが。
まだまだ子供で危うくて放っておけない、また飛び出していくんじゃないだろうか。
UGNなんて興味なかったのに、UGNどころかこの世界のなにもかもどうでもよかったのに
まぎれもなく、心を動かされたのはそいつのせいだった。
ただ、見守るだけだ。面倒ごともなにもかもおっさんは御免なんだから。