彼女に忠誠心がない理由だが、そもそも彼女は仇花家の人間ではない。生まれも何も知らぬまま戦場で戦っていたただの子供である。生きるか死ぬかの世界の中で、ある時少女は一人の人間にである。その人間は仇花玄徳、戦場で暴れる彼女をあっさりと押さえつけ勝利を収める結果となった。
その五少女は仇花玄徳に連れられ仇花家に与することになる。少女が着ていた黒の服を元に仇花　黒と名付けられることとなり、赤星初に仕える者として、一人の人間としての教育を受けながら生きていくことになる。
元々の彼女の戦闘に形式などない。生きる為ならどんなことでもしたしどんな物でも使った。およそ武器と思えない物でも殺しの道具として扱うし相手を欺くために自身に傷をつけることも躊躇わなかった。ただ今はそんな一面は矯正されているといえよう。

彼女の根底にあるものは軽蔑、命を等しく軽蔑している。戦場に居た頃の彼女の経験から来るもので、命は常に己の利を優先し続けるものであることを幾度となく身をもって理解している。それは自分でも例外ではないこともだ。強烈な経験と共に刻まれたこの軽蔑を取り除くことは難しい。
例えどれほどの害に向かい合う事になるとしても、その害に立ち向かい続けることが出来る者…そんな誰かとの出会いが、もしかしたら彼女を変えるかもしれない。

実は料理以上の秘密として学園や関係者たちに内緒で飲酒をしている。オーヴァードになったことで高まった身体機能を持って高いアルコールの分解機能と代謝能力で酔う事はないらしく、嗜む程度から溺れるまで飲むなど消費量がその時によってことなる。お気に入りはウイスキーで、ストレートで飲むことが多い。酔えればいいと思っていて味をそこまで気にしていない節がある。