容姿・経歴・その他メモ

いつも下を向いて歩いていて、たまに顔を上げたかと思えばへらへらと笑う、色んなものを諦めたおじさん。

学生の頃の夢は先生になることだった。しかし、車に轢かれそうな少女をかばおうとして事故に遭い、数年間昏睡状態に陥ってしまったことで全てが崩壊する。
目を覚ました後も後遺症のために仕事に就くのもままならなかった。

そうして更に数年間、ほとんど稼ぎのないまま実家に居座っていた彼の元に、１つの知らせがやってくる。
自分がかばったはずの、小学生の少女――自分と同じく、そして自分が目を覚ましてからも昏睡状態だった彼女が、亡くなったと。

彼がオーヴァードに覚醒したのは、それがきっかけだった。
オーヴァードになったことで、身体の後遺症は全て消え去ったが……それは、心までもを癒してくれるものではなかった。

覚醒してからは、しばらくイリーガルとしてちまちま任務に参加していたが、1年前に正式なエージェントとなる。
何故突然エージェントになったのかと聞かれれば、「いい加減、親に定職に就けと言われてね」と苦い笑みを浮かべる。

本当は、治っているはずなのに――今でも手が震えることがある。足が上手く動かない時がある。
心は、ずっと曇ったまま。……いつか晴れる日を望んでいる。

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